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長引くコロナ、医療従事者の88.1%が患者からの「感染リスク」を不安視 約7割が「空気の見える化による感染対策」に期待、昨年比4.7ポイントアップ

2022年12月9日

<クリニックのコロナ対策に関する定点調査>コロナ対策にメリットや課題を感じる声

 「顔の見えるライフスタイル」の実現を目指す株式会社UPDATER(所在地:東京都世田谷区、代表取締役:大石英司)のWell-being tech事業「みんなエアー」(https://minnaair.com/)は、全国の病院・クリニックで勤務する医療従事者101名を対象に、「クリニックのコロナ対策」の実態調査(定点調査)を実施しました。尚、本調査は2021年に発表した同内容の調査(※)の定点観測調査です。

■調査サマリー

■調査概要

調査概要:「クリニックのコロナ対策」の実態調査(定点調査)
調査方法:IDEATECHが提供するリサーチPR「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
調査期間:2022年10月18日〜同年10月24日
有効回答:全国の病院・クリニックで勤務する医療従事者101名
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはなりません。
※比較調査:2021年9月21日〜同年9月23日|「クリニックのコロナ対策」の実態調査|https://minnaair.com/news2/1377/

 

≪利用条件≫
1 情報の出典元として「みんなエアー」の名前を明記してください。
2 ウェブサイトで使用する場合は、出典元として、下記リンクを設置してください。
URL:https://minnaair.com/

 

■全国の病院・クリニックの92.1%が「コロナ対策」を実施
 「Q1.あなたのお勤め先ではコロナ対策は実施していますか。」と質問したところ、2022年(n=101)は「入念にコロナ対策を実施している」が57.4%、「コロナ対策を実施している」が34.7%、2021年(n=101)は「入念にコロナ対策を実施している」が56.4%、「コロナ対策を実施している」が39.6%という回答となりました。

 

■コロナ対策として「空気改善機器による対策」の実施率は44.1%

 Q2で「入念にコロナ対策を実施している」「コロナ対策を実施している」と回答した方に、「Q3.コロナ対策で実施しているものをお答えください。(複数回答)」と質問したところ、2022年(n=93)は「来院用の手指消毒用アルコール設置」が91.4%、「スタッフのフェイスシールド、マスクの着用、手洗い徹底、出勤前の検温」が87.1%、2021年(n=97)は「来院用の手指消毒用アルコール設置」が95.9%、「スタッフのフェイスシールド、マスクの着用、手洗い徹底、出勤前の検温」が86.6%という回答となりました。

 

■その他の対策として、「黙食」や「頻繁な手洗いとうがい」なども

 Q1で「入念にコロナ対策を実施している」「コロナ対策を実施している」と回答した方に、「Q3.コロナ対策で実施しているものをQ2以外にあれば自由にお答えください。(自由回答)」と質問したところ、2022年(n=93)は「黙食」や「スタッフの手洗いとうがいの頻度を多くしている」、2021年(n=65)は「2週間以内の体調や移動歴の問診票」や「面会禁止」などの回答を得ることができました。

<2022年:自由回答・一部抜粋>
・48歳:行動制限、黙食。(和歌山県)
・53歳:スタッフの手洗いとうがいの頻度を多くしている。(埼玉県)
・56歳:入院前PCR検査,面会原則禁止。(東京都)
・60歳:Am/Pmの検温。(宮崎県)
・27歳:N95マスク着用、ガウン使用。(栃木県)
・43歳:ウイルス除去装置を設置している。(静岡県)
・57歳:発熱外来でPCR検査の個室用意、体温測定器、感染予防の冊子。(栃木県)
・45歳:コロナ感染者や濃厚接触者に対する出勤停止期間の徹底。(福岡県)
・56歳:感染防止のため、防護具を使っている。(大阪府)
・32歳:熱を頻繁にはかる。(奈良県)

 

<2021年:自由回答・一部抜粋>
・2週間以内の体調や移動歴の問診票。(佐賀県)
・面会禁止。(埼玉県)
・入院時のPCR検査の実施。(兵庫県)
・動線の分離。(北海道)
・患者さんごとに機械の消毒。(福岡県)
・雑誌を置かない。(兵庫県)
・オゾン殺菌装置。(茨城県)
・来院時に非接触の電子体温計で体温を計る。(東京都)
・職員どうしの会食禁止、食事は黙食で15分以内。(静岡県)
・予約の制限をして密にならないようにしている。(神奈川県)
・行動履歴をノートに書き、熱発者、体調不良者が出た場所は隔離対応と居室対応。職員一人一人の体調管理や、定期的なPCR検査。(愛知県)

 

■空気改善として「フィルター系」機器の採用率は36.6%

 Q2で「空気改善機器による対策」と回答した方に、「Q4.どの種類の空気改善機器を導入していますか。(複数回答)」と質問したところ、2022年(n=41)は「フィルター系」が36.6%、「イオン系」が19.5%、2021年(n=65)は「フィルター系」が47.7%、「イオン系」が29.2%という回答となりました。

 

■一方、88.1%が勤務時間中の患者からの「感染リスク」を不安視

 「Q5.あなたは、勤務時間中の患者からの感染リスクを不安に感じますか。」と質問したところ、2022年(n=101)は「かなり不安」が19.8%、「やや不安」が68.3%、2021年(n=101)は「かなり不安」が23.8%、「やや不安」が70.3%という回答となりました。

 

■約7割から「空気の見える化」による空気環境の改善に期待の声

 「Q6.空気質の数値化など「空気の見える化」を行うことで、安心して過ごせる空気環境になることを期待しますか。」と質問したところ、2022年(n=101)は「かなり期待する」が19.8%、「やや期待する」が46.5%、2021年(n=101)は「かなり期待する」が25.7%、「やや期待する」が41.6%という回答となりました。

 

■「コロナ対策」と「省エネ対策」の同時の実施を希望する声、昨年度から7ポイントアップで89.1%に

 「Q7.必要以上の過剰な換気をすると空調設備のエネルギー使用量も過剰になりますが、適切な換気をし、省エネ対策も実施したいと思いますか。」と質問したところ、2022年(n=101)は「非常に思う」が33.7%、「やや思う」が55.4%、2021年(n=101)は「非常に思う」が35.6%、「やや思う」が46.5%という回答となりました。

 

■コロナ対策への考え、「清潔、不潔動作や衛生対策が見直されてよい傾向」や「上層部が真剣に考えないといけない」などメリットや課題点

 「Q8.コロナ禍での医療機関のコロナ対策に関してあなたの考えを自由に教えてください。(自由回答)」と質問したところ、2022年(n=101)は「より一層勤務においての清潔、不潔動作や衛生対策が見直されることになりよい傾向につながった」や「上層部が真剣に考えないと、一般職員が不安に思っていてもちゃんとした対策もされず、はがゆい」、2021年(n=101)は「コストがかかってもコロナ対策は必要」「対策にかける予算が悩ましい」などの回答を得ることができました。

<2022年:自由回答・一部抜粋>
・36歳:コロナがはやることにより、より一層勤務においての清潔、不潔動作や衛生対策が見直されることになりよい傾向につながったと思う。(千葉県)
・44歳:上層部が真剣に考えないと、一般職員が不安に思っていてもちゃんとした対策もされず、はがゆい。もう少し、その時に合った対策を講じて欲しい。(兵庫県)
・60歳:クラスターを防ぐため、最善の策を取りたい。(宮崎県)
・34歳:かなりリスクがあるため、患者自身にももっと意識を持ってほしい。希薄な患者が多いとかんじるから。(静岡県)
・36歳:気を使っている。ほかの業種の方があまり気にしてないので温度差に少しもやもやする。(宮城県)
・57歳:職員の体調管理をきちんと行い、感染予防に勤めることが大切。(栃木県)
・53歳:マスク着用することで十分に防げるが、マスク着用がままならない状況の患者も多いため、対応する側が気を付ける必要がある。(東京都)
・25歳:面会などに関して難しい点があるなと思います。(東京都)

 

<2021年:自由回答・一部抜粋>
・常にたくさんの人の出入りがあるのでとにかくできることはやりたい。省エネなどは気にしていられない。(愛知県)
・コストがかかってもコロナ対策は必要。(神奈川県)
・国の支援が少ない。対策にかける予算が悩ましい。(神奈川県)
・対策が中途半端だから心配。職員に対しての制限ばかり設けて、補助などが一切なし。(千葉県)
・今後も永続的に続くのかと不安。(兵庫県)
・対策をするための物資が入手困難になっており、使い捨てができない状況がつらい。(鹿児島県)
・医療者側は日頃より必要とされる感染対策に上乗せだが、患者をはじめ非医療職の意識の差が出てきていると感じる。(北海道)
・まだまだ設備が不足。(兵庫県)
・陽性疑いの患者と一般患者の導線が交わらないようにすべき。待合室が混む恐れがある時は換気や空気清浄をこまめに行うべき。(兵庫県)

 

■まとめ

 昨年に引き続き、全国の病院・クリニックで勤務する医療従事者101名を対象に、「クリニックのコロナ対策」の実態調査(定点調査)を行いました。

 まず、勤務先のクリニックのコロナ対策について伺うと、92.1%が「実施している」と回答する一方で、医療従事者の88.1%が勤務時間中の患者からの感染リスクに不安を感じている実態が明らかになりました。そこで、感染対策の1つでもある空気環境についても伺うと、約7割が「空気の見える化」による空気環境の改善に期待を示す結果に。また、「コロナ対策」と「省エネ対策」の同時の実施については、89.1%が希望しており、昨年度から7ポイントアップしました。

  医療従事者のコロナ対策への考えとして、「清潔、不潔動作や衛生対策が見直されてよい傾向」や「上層部が真剣に考えないといけない」などメリットや課題点が挙げられ、コロナの感染拡大が一つのきっかけになったようです。

 医療機関においてはウェルビーイングやSDGsという言葉がまだ浸透していないものの、人々の生活にとって必要不可欠なエッセンシャルワーカーが働く医療現場の環境整備は最も必要なのではないでしょうか。今の対策でも目に見えないウイルスと戦う不安は拭えないことから、医療従事者の働く環境の空気を数値化することで、的確な換気と、目に見える安心感に繋がると言えるでしょう。