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新型コロナウイルス感染症にかかると、たとえ軽症者であっても回復後の後遺症に苦しむことがあります。今後、データの分析が待たれますが、2021年5月の段階でも全体で76%の新型コロナウイルス感染症患者に後遺症が認められたというデータがあります。
新型コロナウイルス感染症の後遺症とはどのようなものなのか、その症状や後遺症が表れる原因について解説します。
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新型コロナウイルス感染症の後遺症
新型コロナウイルス感染症の後遺症については、まだ詳しくはわかっていないというのが現状です。しかし、感染時に表れる各種症状が、回復後も引き続き残ってしまうケースが多いことが知られています。
具体的には、次のような後遺症が報告されています。
・倦怠感
新型コロナウイルス感染症の後遺症として、倦怠感が認められる場合があります。身体的・精神的にだるい、疲れやすいといった軽い症状から、鉛のように体が重いといった強い症状までさまざまです。中には、重症化して筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群に移行してしまう事例もあります。
・嗅覚障害、味覚障害
新型コロナウイルス感染症の後遺症として、においがわからない、味がわからない、あるいは本来とは別のにおいや味がするといった症状が続くことがあります。中には、「味覚はだいぶ戻ってきたけれど、いまだににおいがわからない」といった人もいるようです。
・咳やたん、呼吸苦
継続的に激しい咳が出る、咳が止まらない、いつまでもたんが絡まるといった症状が、新型コロナウイルス感染症の後遺症として続くことがあります。また、呼吸困難感、息苦しさなど、呼吸器症状が収まらない事例も見られます。
・抜け毛
新型コロナウイルスに感染して抜け毛が多くなり、それが続く事例があります。また、感染中は特に通常と変わらず、後遺症として突然髪の毛が抜け始めるという人もいます。
上記以外にも、発熱、頭痛、体の痛み、胃腸の不調、あるいは集中力の低下、気分の落ち込み、思考力の低下などを訴える人もいます。また、同時に複数の症状が表れるケースも少なくありません。
年齢は関係なく、若い人でも感染中は症状が軽かったのに、回復後の後遺症に長く悩まされているということもあるようです。
新型コロナウイルス感染症で後遺症が表れる原因とは?
新型コロナウイルスは、直径約100~200nm(ナノメートル、1nmは100万分の1mm)の球形をしています。そして、その球体に突き刺さるようにして、スパイクタンパク質と呼ばれる、スパイク状の多くの突起が存在します。
スパイクタンパク質はウイルス粒子の最も外側にあり、感染するとき、最初に細胞にふれる役割を担います。人の細胞に侵入するとき、スパイクタンパク質はACE2受容体という、本来は血圧を調整する働きを持つ膜タンパク質と結合します。そうすることで細胞内に入り込み、増殖して組織に障害をもたらすわけです。
ACE2受容体は、人間の心臓、肺、腎臓、小腸などの臓器のほか、鼻や舌などの口腔内粘膜に存在しています。そのため、感染後もさまざまな場所で炎症反応などが起こり、後遺症の症状として表れるのではないかと考えられています。
ただし、これはあくまで仮説のひとつです。ほかにもいくつかの仮説があり、世界中で研究が続いています。
現在、後遺症の治療法はなく、対症療法が中心
残念ながら、新型コロナウイルス感染症の後遺症について、効果的な治療法はまだ確立されていません。
現在行われている治療は、それぞれの症状に合わせた対症療法が中心です。症状をやわらげる薬の投与やリハビリテーションのほか、症状と上手に付き合いながら生活や仕事を続けられるような工夫をするためのアドバイスなどが行われています。
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新型コロナウイルス感染症の後遺症を予防するには?
新型コロナウイルス感染症による後遺症を予防する方法について、根本的な対策はまだ見つかっていませんが、ワクチンはその対策になりえているようです。新型コロナウイルスワクチンを2回接種していれば、たとえ新型コロナウイルス感染症にかかって後遺症が表れたとしても、長引かせずに済むという海外の調査報告があります。その調査報告によると、新型コロナウイルス感染症の発症から28日経過した時点でも症状が続いている人の割合は、ワクチン未接種の感染者と比べて約半分となっています。
しかし、確実なのはやはり、新型コロナウイルス感染症にかからないようにすることです。ワクチンを接種していても感染する可能性は残ります。そのため、できる限り人混みに行かない、3密を避ける、マスクを装着する、こまめに手洗いをする、換気を徹底するといった、従来の基本的な感染対策が、現在のところ最も有効といえるでしょう。
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新型コロナウイルス感染症を予防するための感染症対策
新型コロナウイルス感染症は、感染したとしてもほとんど無症状か、風邪症状程度で治ってしまう人が一定の割合でいるといわれています。しかし、治ったと思っても後遺症で不調が続き、数ヵ月間それが続くために、精神的にまいってしまう人も少なくありません。軽症でも、決してあなどれない病気だということを自覚し、普段から感染しないための対策を怠らないようにすることが大切です。
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