RSウイルス感染症の特徴と、感染予防のためにできる対策とは?

感染症にはさまざまな種類があり、そのうちのひとつに「RSウイルス感染症」があります。RSウイルス感染症は、ほとんどの子供が2歳頃までに一度はかかるといわれていますが、重症化すると入院が必要となる場合もあるため、感染予防のためにできる対策を知っておきたいものです。

ここでは、RSウイルス感染症の主な症状や重症化リスクが高い子供の傾向と治療法のほか、保育所や幼稚園で実施できる感染予防対策についてご紹介します。

 

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RSウイルス感染症とは?

 

RSウイルス感染症(respiratory syncytial virus infection)は、1歳までに半数以上、2歳頃までにほぼすべての子供が一度は感染するといわれる感染症です。感染力はとても強く、免疫力が比較的高い生後半年未満の乳児でも感染することがあります。また、一度感染しても免疫ができにくいため、再感染する可能性もあります。

 

日本では、従来は秋口から流行することがほとんどでしたが、最近は夏に流行することもあり、2021年は5月頃から流行が始まりました。感染者数は7月の半ばがピークで、以後は減少傾向にあります。東京都感染症情報センターが発表したRSウイルス感染症報告数も同様で、下記のとおり夏に大流行していることがわかります。

 

■東京都のRSウイルス感染症報告数

出典:東京都感染症情報センター「東京都感染症週報

 

なお、2020年は従来のようなRSウイルス感染症の流行は見られませんでした。これは、新型コロナウイルス感染症に対する対策で、社会活動が制限されていたためと考えられています。その結果、多くの子供がRSウイルスへの免疫を獲得できず、それが2021年の大流行の原因になっているとも考えられているようです。

 

 

症状は風邪に似ているが重症化することも

 

RSウイルス感染症の主な症状は、発熱や咳、鼻水などで、多くの場合、数日から1週間程で改善します。

しかし、重症化すると気管支炎や肺炎の症状が現れ、中には呼吸困難に陥って入院が必要になることもあるのです。重症化するのは全体の30~40%、入院が必要になるのは全体の1~3%ともいわれており、乳幼児の肺炎の約50%、細気管支炎の50~90%はRSウイルス感染症によるものだといわれています。

 

 

重症化するリスクの高い子供の傾向

 

RSウイルス感染症は、多くは軽症で済むといわれていますが、入院が必要になるほど重症化してしまう可能性もあります。次のようなお子さんは重症化するリスクが高いといわれているため、特に注意が必要です。

 

・生後6ヵ月未満の乳児

乳児は、母乳や胎盤を通じて免疫物質を受け取っているため、生後6ヵ月くらいまでは免疫力がやや高い状態にあるといわれています。しかし、生後6ヵ月未満の乳児でも、RSウイルスに感染することがあります。特に、生後3ヵ月未満の乳児が感染すると、重症化する可能性が高いです。

 

・早産や低出生体重の乳児

妊娠37週未満で生まれた早産児、出生時の体重が2,500g以下の低出生体重児は、免疫機能が未熟なため、重症化する可能性が高いといわれています。

 

・先天性心疾患や基礎疾患を持つお子さん

生後24ヵ月以下で心臓や肺に基礎疾患を持つお子さん、喘息の症状があるお子さん、神経・筋疾患や免疫不全の基礎疾患があるお子さん、慢性の肺疾患があるお子さんも、感染すると重症化する可能性が高いことがわかっています。

 

・ダウン症の乳幼児

ダウン症の乳幼児も、重症化しやすい傾向があります。

 

 

登園(登校)見合わせ、出席の基準は?

 

RSウイルス感染症は感染症5類に分類されますが、指定感染症ではないため、インフルエンザのように出席停止期間が決まっているわけではありません。

登園や登校見合わせ、および出席再開の明確な基準はなく、通常の風邪などと同じように咳や発熱の症状がある場合は欠席します。そして、回復して発熱や咳がなくなり、かかりつけ医が「登園(登校)可能」と判断すれば、出席するのが一般的です。しかし、地域や園によっては、登園(登校)許可証が必要な場合もあります。

 

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RSウイルス感染症にかかった場合の治療法とワクチン

 

RSウイルス感染症の治療薬はないため、対症療法が中心になります。こまめな水分補給をする、安静にしておくことを守って症状をやわらげつつ、回復を待つのが基本です。症状によっては、医師に処方された気管支拡張剤などを服用することもあります。重症化によって入院した場合は、酸素投与や輸液、呼吸管理などが行われます。

 

RSウイルス感染予防のためのワクチンは、30年以上研究が進められていますが、まだ完成していません。現在、利用可能な予防法としては、パリビズマブという抗体製剤を使う方法があり、RSウイルスの流行開始前から流行期に筋肉注射することで予防効果を期待できるとされています。

公益社団法人日本小児科学会および関連各学会の診療ガイドラインでは、RSウイルスに感染すると重症化するリスクの高い乳幼児については、投与を考慮するとされています。

 

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RSウイルス感染症に有効な対策は?

 

RSウイルスは感染力がとても強いので、感染を拡大させないための対策が必要です。具体的には「感染経路の遮断」「手洗いの徹底」「物品の消毒」「感染者との接触を避ける」といったことが大切になります。

 

 

感染経路の遮断

 

RSウイルス感染症の主な感染経路は、感染者が咳やくしゃみをした際に飛び散る飛沫を周りの人が吸い込む「飛沫感染」と、ものに飛び散ったウイルスをさわった手で口や鼻、目の粘膜にふれることで起こる「接触感染」の2つです。

そのため、空気中への飛沫の拡散と、ものについたウイルスへの接触を防止するのが対策のポイントになります。

 

 

手洗いの徹底

 

子供本人と周囲の人がこまめに手洗いをすることで、手に付着したウイルスによる接触感染を予防することができます。手洗いの代わりに、アルコールの速乾性手指消毒剤の使用も有効です。

 

 

物品の消毒

 

おもちゃやドアノブ、床、コップなど、乳幼児が頻繁にふれる部分を定期的に消毒することで、接触感染の機会を減らすことができます。アルコール消毒液や次亜塩素酸ナトリウム水溶液などが有効です。

 

 

感染者との接触を避ける

 

RSウイルスの潜伏期間は、2~8日です。一般的には4~6日を経て発症し、回復後も1~3週間は人にうつす可能性があります。そのため、完全に感染者と非感染者の接触をなくすのはほぼ不可能ですが、「できる限り接触を避ける」「タオルなどのものを共有しない」といったことをするだけでも、一定の予防効果は見込めます。

なお、RSウイルス感染症は大人もかかりますが、ほとんどの場合は軽症なので、気づかないことがよくあります。ただし、大人から子供にも感染するので、周りの大人が自身の体調不良を感じたときは、マスクの装着も有効な対策方法のひとつです。

 

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RSウイルス感染症対策に空気環境の改善も検討しよう!

 

RSウイルス感染症は、2歳頃までにほぼすべての子供が感染するといわれ、感染経路の遮断を徹底しても感染を100%防ぐことはできません。しかし、集団感染を出さないため、また重症化リスクの高い乳幼児への感染を防ぐために、予防対策はとても重要です。

 

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