オフィスに最適なCO2濃度とは?定期的な換気で生産性低下を防ぐ

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オフィス内のCO2濃度に注目し、定期的な換気を行って空気環境を良好に保つことに取り組む企業が増えています。CO2濃度の上昇と空気環境の悪化が従業員の体調に影響を与え、生産性も低下させてしまうためです。

ここでは、CO2濃度がオフィス内にいる従業員のコンディションに与える影響のほか、オフィス内で十分な換気ができていない場合のデメリットを解説します。また、換気の基準や適切なCO2の測定方法についても併せて紹介します。

 

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CO2濃度と仕事の生産性の関係

 

CO2濃度とは、空気中のCO2(二酸化炭素)の濃さの割合を示すものです。空気中には酸素を含め、さまざまな気体がありますが、その中でもCO2の濃度は、仕事の生産性と関連性があります。

まずは、CO2濃度の基準や生産性との関係を見ていきましょう。

 

 

CO2濃度の基準は1,000ppm

 

空気中のCO2濃度は「ppm」で表します。ppmは%と同じように割合を示す単位で、ppmは「100万分のいくつ」なのかを示します。1ppmは0.0001%です。

 

1,000ppm以下という管理基準は、1970年に公布されたビル管理法(建築物における衛生的環境の確保に関する法律)にもとづいて定められた「建築物環境衛生管理基準」にも記載されています。

室内のCO2濃度を調整する際は、概ね「1,000ppm以下を保つのが基準」とされていることを覚えておいてください。

 

 

CO2濃度が上昇すると生産性が低下する

 

室内に存在するCO2は、ごく少量が空気中に含まれているだけなら人間に害はありません。しかし、1,000ppmを超えると問題解決能力や意思決定能力といった知的活動が妨げられるようになることがわかっています。簡単な作業を間違える、課題に対応する能力が低下するといった人が増えるのです。

厚生労働省は、商業施設などの室内のCO2濃度を、1,000ppm以下に抑えるようアナウンスしています。

 

このことは、オフィスワークに置き換えると、従業員の生産性が落ちることを意味します。オフィス内の空気のCO2濃度が高いと、健康被害を受けるまでには至らなくても、集中力が低下してミスをしやすくなったり、全体のパフォーマンスが上がらなかったりといったことが起こる可能性が出てくるのです。

オフィスで換気をしないとどうなる?

 

一般的なオフィスのCO2濃度は945ppmといわれ、厚生労働省が基準としている1,000ppmに近い値です。部屋の換気をしない、あるいは換気システムの機能が落ちていて十分な換気ができていないと、人の呼気などでCO2濃度が上がり、容易に基準値を上回ってしまいます。

5,000ppm以上になると心拍数の増加や血圧が高くなるなどの変化が現れ始め、10,000ppmを超えるあたりから、頭痛や耳鳴り、息苦しさなどの症状が見られ、倦怠感も著しく上昇する傾向にあります。

 

一般的なオフィスでは起こりにくい状況ですが、CO2濃度が高まると、さらなる健康被害が生じることは把握しておきましょう。CO2濃度が30,000~50,000ppmに達すると「めまい」「呼吸困難」「錯乱」などの症状が見られるようになります。さらに、高濃度のCO2環境に置かれると、二酸化炭素中毒に陥り、90,000ppmに達すると5分で死に至ることもあると報告されています。

 

このほか、オフィスの換気を怠るとCO2濃度の上昇に加えて次のようなリスクが生じます。

 

・湿度上昇によるカビの発生

・ダニやホルムアルデヒド(シックハウス症候群の原因となる化学物質)などのアレルゲンが増加

・感染症のリスクが増大

・給湯器や暖房器具などの不完全燃焼による、一酸化炭素中毒のリスク上昇

 

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オフィス内の換気の基準とは?

 

続いては、オフィス内の換気を適切に行う方法についてご説明します。換気の定義と換気のための基準について押さえておきましょう。

 

 

換気の定義

 

換気とは、室内の空気と外の空気を入れ換えることを指します(密閉された室内の空気は時間が経つほどCO2や汚染物質で汚れていき、外の空気は相対的に清浄であることが前提)。

換気は大きく、「自然換気」と「機械換気」の2つに分けられます。

 

・自然換気

自然換気は機械動力を使用せず、空気の温度差や風圧、空気の流れなどを利用して空気を入れ換える方法です。主に、窓などの建物の開口部を使います。

 

・機械換気

機械換気は換気扇(ファン)などの機械動力を使用して換気する方法です。改正建築基準法が施行された2003年7月以降、原則としてすべての建造物には24時間換気システムを設置することが義務づけられています。

機械換気には、第一種機械換気(給気と排気を両方とも機械で行う)、第二種機械換気(給気を機械、排気を自然排気で行う)、第三種機械換気(給気を自然給気、排気を機械で行う)があります。

 

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オフィスの空気換気基準

 

オフィスビルの空気換気の基準は、ビル管理法の建築物環境衛生管理基準に規定があります。対象となるのは、百貨店、映画館、ホテル、学校、オフィスビルなど、不特定多数の人が利用する「特定建築物」です。ほかに、床面積などに関する規定もあります。

いずれにしろ特定建築物のビルオーナーは、2ヵ月に1回、空気環境測定を行うことが義務づけられています。

 

なお、建築物環境衛生管理基準以外には、学校保健安全法にもとづく教育施設における「学校環境衛生基準」にも、空気環境に関する基準が定められています。両者の空気環境に関する基準は、次の表のとおりです。

 

建築物環境衛生管理基準と学校環境衛生基準の比較

検査項目 建築物環境衛生管理基準 学校環境衛生基準
浮遊粉塵の量 0.15mg/㎥以下 0.10mg/㎥以下であること
一酸化炭素の含有率 10ppm以下 10ppm以下であること
二酸化炭素の含有率 1,000ppm以下 1,500ppm以下であることが望ましい
温度 17℃以上28℃以下

居室における温度を外気の温度より低くする場合は、その差を著しくしないこと(※1)

17℃以上、28℃以下であることが望ましい
相対湿度 40%以上70%以下(※1) 30%以上、80%以下であることが望ましい
気流 0.5m/秒以下 0.5m/秒以下であることが望ましい
ホルムアルデヒドの量 100μg/㎥以下(※2) 100μg/㎥以下であること

※1 空気調和設備を設けている場合

※2 1μg/㎥(1立方メートルあたり1マイクログラム)。1μg=0.000001g

 

出典:文部科学省「学校環境衛生管理マニュアル(2018年度改訂版)

 

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オフィス内のCO2濃度を測定し、換気するには?

 

オフィス内を適正に換気するには、室内のCO2濃度を計測し、それにもとづいて換気を行う方法がおすすめです。

厚生労働省も、ビル管理法における空気環境の調整に関する基準(CO2濃度1,000ppm以下を守る)に適合していれば、必要換気量(1人あたり毎時30㎥)が確保できると説明しています。

 

出典:厚生労働省「『換気の悪い密閉空間』を改善するための換気の方法

 

 

CO2濃度測定器と表示ディスプレイで確認する

 

オフィス内のCO2濃度を、いつでも確認できる環境を整えましょう。現在、CO2濃度の測定をするには、CO2濃度測定器、CO2センサー、CO2モニターといった製品が販売されています。測定結果をディスプレイなどに表示するタイプの製品であれば、いつでも室内のCO2濃度を確認できます。

 

株式会社UPDATER(旧社名 みんな電力株式会社)のエアテック事業「みんなエアー」では、CO2濃度を計測してクラウド上で管理し、事業者へのサイネージ表示や管理画面での分析・通知、アフターサポートまでついた「MADO(マド)」という空気のDXサービスを提供しています。こうした総合的なサービスを利用すれば、確実に室内のCO2濃度と空気環境をコントロールすることが可能です。

 

 

CO2濃度に応じて室内の空気を入れ換える

 

CO2濃度が1,000ppmに近づく兆候があれば、オフィス内を換気してください。室内の人数を減らすことも有効です。

空気調和設備などの換気が十分に機能していないようであれば、換気設備の清掃や整備などを行って、換気が正しく行われるようにします。窓の開放による換気の場合、毎時2回(30分に1回以上)数分間程度、窓を全開にして、室内の空気と外気がすべて入れ換わるようにしてください。

換気後にきちんとCO2濃度が下がったかどうかを確認することも、忘れずに行いましょう。

 

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CO2濃度にもとづく、確実なオフィス換気をおすすめします

 

オフィスに最適なCO2濃度は、1,000ppm以下とされています。オフィスの換気は従業員の健康を守るために、そして生産性の低下を防ぐためにも必要不可欠なものです。CO2濃度の計測を行って、効率的な換気をしましょう。

 

株式会社UPDATER(旧社名 みんな電力株式会社)のエアテック事業「みんなエアー」では、空気環境を可視化し、データの分析・通知・アフターサポートまでを行うクラウドサービス「MADO」を提供しています。「MADO」は、オフィスや店舗の空気中に含まれる二酸化炭素やPM2.5、揮発性のガスといった物質を計測し、クラウドに送信。事業者のコンピューターやタブレットなどのデバイスに表示し、その空間の空気がどのような状態なのかを可視化できるため、換気やその他状況に応じた対策を行うことが可能です。

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