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社員も地域もみんなで幸せに!
コグラフの「健康経営」とサステナビリティへのこだわりとは
東京都品川区に本社をおくコグラフ株式会社。ソフトウェア開発、ERP活用、データ分析などの幅広いIT技術サービスを提供し、クライアントの課題解決に向けて提案・開発・運営までワンストップの支援を行っています。
一方で社内活動としては、創業時からの「社員と家族、すべての人々を幸せにする」という経営理念の下、「健康経営」を推進し、2022年に経済産業省の実施する健康経営優良法人認定制度の中小企業法人部門にて「ブライト500」*に選出。その後も3年連続で健康経営優良法人に認定されています。
*「ブライト500」とは、健康経営優良法人の中から「最も優れた企業」かつ「地域において、健康経営の発信を行っている企業」として、全国上位500社に選ばれたことを指します。
今回は、積極的に活動を行っているコグラフ株式会社の「健康経営」とサステナビリティに関する取り組み内容について、社外取締役の中村さんと広報の古郡さんにお話を伺いました。
~データ活用とソフトウェアで世界を変える~
コグラフの信念と「健康経営」の接点とは
ーーー まずはコグラフ株式会社の事業についてお聞かせください。
古郡:弊社は2010年創業のITベンチャーです。ソフトウェア開発とデータ分析、会社の基幹システムのカスタマイズやコンサルティングなども行っており、IT技術サービスを提供しています。
ーーー 「健康経営」への積極的な取り組みが評価されていますよね!
取り組みのきっかけはなんだったのでしょうか。
中村:「社員と世の中の人たちを幸せにしたい」というのが社長の創業時からの想いであり、経営理念でもありまして、それを実現するための活動としてスタートしました。
実は私は代表の森とは元同僚で、当時彼はエンジニアで私はコンサルタントでした。
その後、森とは別々の仕事をしていたのですが、私が食事療法士の資格を取得し、企業向けの食事療法カウンセリングも始めたことをきっかけに、彼が興味を持ちまして、私が「食生活改善プログラム」を実施したことが、この会社にとって健康経営施策の最初の取り組みになりました。
「健康経営」から組織・地域の活性化へと、広がる挑戦
ーーー これまでどのように「健康経営」を深化させてきたのでしょうか。
中村:まずは2017年に、前述の「食生活改善プログラム」から始めて、食事・睡眠・運動・メンタルヘルスケアなど「健康」というキーワードに関連する取り組みを一通り試していきました。開始した当時の従業員数は30人くらいだったのですが、全員が積極的に参加するわけではないため、オフィスビルの管理会社の方に協力を仰いで、ビル全体にも参加を呼びかけてもらいました。10人ほどが集まり、みんなでお昼ごはんを食べながら‟健康的な食生活“について講義を受けたり、‟地域のゴミ拾い”などをしたりするうちに、オフィスの近隣の会社さんとゆるくつながりができはじめて、最終的にはみんなで運動会をやるまでに至りました(笑)。
新型コロナウイルスの流行を受けて活動が一旦お休みにはなりましたが、こういった機会を経て‟社員の健康を保つという目的で始めた活動から‟地域を活性化する”考え方に発展していったんですよね。
もともと社員を元気にすることで会社を活性化し、その先には地域だったり、最終的には社会全体であったり、地球規模でみんなが元気になるための伝播をしていくというビジョンを持っていたので、今では「健康経営」は「サステナビリティ推進」という活動の一部となっています 。
最近では特に、社内のダイバーシティ推進にも注力しています。コグラフでは全体の3割が外国籍の社員です。IT未経験の社員も多く、多様な価値観・文化は会社を推進する力になると感じています。ミスコミュニケーションが発生しないよう、定期的にオフラインで顔を合わせる時間を設けたり、リーダー研修を開始したりとチームのコミュニケーションの質を高める取り組みを行っています。
ーーー 「ブライト500」に選出された年度もありましたよね。健康経営優良法人認定を継続取得されるうえで、取り組みに何か変化があったのでしょうか。
中村:おっしゃるとおり当社は2022年に「ブライト500」にも選出いただいたことがあります。活動開始当初は「健康経営」に注力していましたが、活動を重ねていくにつれてサステナビリティ推進への取り組みが拡大してきているので、健康経営優良法人認定制度のチェック項目からすると、ちょっと離れていってるんですよね。
そういったこともあって「ブライト500」の選出にまでは至らなくなってしまったんですが、従業員が‟健康的に働ける環境“という視点は、常に第三者の基準で照らし合わせた整備をしておきたいと考えているので、毎年、健康経営優良認定制度には挑戦し続けています。
自然な心地よさを求めて。新しい職場文化の醸成
ーーー 「健康経営」のスタートは、経営層と現場で意識の差はありましたか。
中村:最初はギャップだらけでした。社員からすると「この人たち何を言っているんだろう」みたいな。(笑)
ーーー意外ですね。どのように意識のギャップを埋めていったんでしょうか。
中村:まずは「興味がある人に参加してもらおう!」というところから始めてはいったのですが、取り組みをスタートした当初はいわゆる理想的な健康を目指すべく、「食生活改善セミナー」や「ストレッチ運動の体験」など、分かりやすい反面、実はなんとなく参加しづらいテーマがメインになっていたんです。
最近では、何人かの社員でサウナに行くとか、‟もぐもぐタイム“というおやつを食べるだけの時間を作るとか、自然発生的に生まれたハードルの低い取り組みを始めたので、推進側も現場も無理なく取り組んでいますし、「健康経営」「サステナビリティ推進」が会社のカルチャーとして根付いていると感じます。
「目に見えて健康に効果がある」みたいなものではなくても、1つのテーマに向かってみんなで過ごす時間こそが、結果的に人間関係の軋轢を未然に防いでくれ、メンタルヘルス対策にもなっているように思います。
古郡:当社では「TOTONOI」という制度を設けていまして、健康に資する活動であれば月3,000円を補助しています。前述の‟社員でサウナに行く“というのも補助の対象になります。この制度は、サウナ好きの社員のアイデアをきっかけに開始しました。サウナ以外でも、ジムへ通うなど、多くの社員に有効活用されている印象ですね。社内コミュニケーションが広がる良いきっかけにもなっています。
ーーー なるほど!面白いですね。 「健康経営」への施策は費用もかかりますよね。
投資というよりは、コストとみられてしまいがちですが、御社ではどのようにお考えですか。
中村:どちらかといえばコストなのかもしれませんが、オフィスの賃料みたいに「あって当たり前のコスト」という認識ですね。
当社の「健康経営」は、‟一緒に働くなら元気な人と仕事をしたい!だからみんなに元気であってほしい“そのぐらいのモチベーションで始めました。ブランディングに活用するという意図まではなかったのですが、結果的に企業ブランディングにも役立っていますし、その先に採用や離職防止につながっているわけですから、今後も積極的に取り組んでいきたいものです。
無理なく地道に。コミュニケーションで築く‟心の健康“
ーーー 「健康経営」の取り組みについて、社員の皆さんからの反響はいかがですか。
古郡:「健康経営」にとどまらず、「サステナビリティ」への取り組みと併せて発信し続けているなかで、社内外への認知が上がってきていると感じています。採用面ではこれらの活動をきっかけにコグラフに興味を持ってくださる方が増えてきました。
具体的に、社員からは「社内コミュニケーションの時間がすごくありがたい」という声や、外国籍のメンバーからも「外国籍フレンドリーでダイバーシティな会社だ!」と取り組みを好意的に受け止めてもらえています。
会社の目指す方向性や取り組みが社員にしっかりと伝わっていて、それが社内外でのポジティブな循環を育めるきっかけになってきているように感じています。
ーーー とっても素敵ですね。今後、重点的に取り組みたいテーマはありますか。
中村:会社全体としては、事業をあらためて「強くしていこう!」というタイミングでもあるので、メンタルヘルス対策に力を入れていきたいと考えています。対策として、産業カウンセラーと契約し、3ヶ月に一度、カウンセラーが全社員一人ひとりと、‟ただただ1時間喋る“という時間を設けています。もちろん、そこで話す内容は、社長含め社内の誰にも口外しませんし、内容もなんでもOKという決まりです。
育児や夫婦関係などプライベートの悩みや、仕事の悩みでもなんでも良いんです。自分がなんとなく今、悩んでいることを言葉にして聞いてもらうことで、自分の中のモヤモヤした思いが言語化されて自然に解決策が生まれたりする。解決に至らなくても、誰かに聞いてもらえるというだけでもストレス解消になりますよね。もう3年ほど続けている取り組みですが、今後もメンタルヘルス対策の重要な施策として続けていきたいと考えています。
ーーー 話すことで新しい気付きを得られたりしますよね。良いですね。
最後に、「健康経営」や「サステナビリティ」について、今後の展望をお聞かせください。
中村:社内では、今後も多様性をキーワードに組織作りを強化していきたいと考えています。お互いの違いや文化を尊重し合える組織には、社員の心身の健康が不可欠です。
また、地域や周辺企業との取り組みも強化したいと考えています。オフィスのある五反田エリアは、昔からある工場やお店もあれば、おしゃれなベンチャー企業も増えてきていて、街自体にすごく面白いダイバーシティがあるんです。そんな地域ならではの特徴を活かせるように今一度、企業間のつながりを強めて、五反田という街自体のブランディングに寄与できるような面白いことをしていきたいですね。
<プロフィール>
コグラフ株式会社 https://www.co-graph.com/
社外取締役 中村 洋一郎 広報 古郡 優