空気の見える化が職場環境の安心感「ウェルビーイング」を醸成

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株式会社UPDATERは千葉吉史氏(順天堂大学大学院医学研究科研究員)監修のもと、2021年11月16日~12月23日にわたり、パーソル プロセス&テクノロジー株式会社(所在地:東京都江東区 代表取締役社長:横道浩一)のコールセンターにおいて、空気の環境情報が心理的安全性に与える影響についての実証実験を行いました。

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新時代のストレス検証エキスパート“千葉吉史氏”

千葉吉史氏(順天堂大学大学院医学研究科研究員)

 

 

バイオマーカーとしての唾液によるストレス評価

 

 

 

 

人は精神的なストレスに曝されると、生化学反応(生体ストレス反応)が起こり、人体内には様々な種類の分泌物質が放出されます。そうしたストレス反応を1次的あるいは2次的に反映する分泌物質の動態を調べることで、バイオマーカー*によるストレス評価が可能と考えられています。*バイオマーカーとは、人の身体状態を客観的に測定し評価する指標のことで、観察・診断・治療などに用いられます。

 

これらのバイオマーカーは血中のみならず唾液中にも分泌され、ホルモン・免疫・酵素など、いずれもバイオマーカーとして評価が可能です。唾液中に分泌される各物質は血中よりも濃度は低いものの、唾液は血液に比べて採取に対する心身の負荷が格段に少ない利点があり、唾液によるストレス評価研究は医学・心理学のみならず、生活科学や人間工学など多様な領域で広くその応用が期待されています。

 

今回は、アンケートプロフィール検査*とともに、採取した唾液のアミラーゼやコルチゾール等の数値を、機器を用いて測定することで、急速なストレス・緊張の変化(短期的ストレス値)および長期的なストレス値の状態把握を行い、空気環境の可視化が心理的安全性に与える影響について実証実験を行いました。*アンケートプロフィール検査では、生活習慣等について質問を行っています。

「空気の見える化」でストレス物質が低減!

 

パーソル プロセス&テクノロジーのオフィス(コールセンター業務)にて、普段の就業時のストレス値と、「空気の見える化」を実施した際の就業時ストレス値を計測、推移の比較を行いました。

 

それぞれの計測日に朝・昼・夕方と3回の計測点を設け、計測時点でのストレス状態と実験期間中を通してのストレス状態の変化について観察しています。

今回の実証実験では、空気質計測器で取得したコールセンター内のCO2、PM2.5、TVOC等の濃度数値データをUPDATER社のクラウドへ反映し、一日の空気の状態を分析し、被験者へお知らせすることで「空気の見える化」を可能にしました。約2週間のストレスモニタリング値の推移を検証するため、初日・1週間後・2週間後に唾液内のバイオマーカーを計測しています。

 

結果として、職場での空気環境情報を得ていない通常時よりも、「空気の見える化」後は、ストレス因子の低減を確認することができました。

 

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短期的ストレスの状態把握と考察

 

唾液中に含まれるαアミラーゼ活性では、総合的に不快さを認識している度合いを見ることが可能であり、急速なストレスや緊張状態の把握に適しています。不快な刺激では数値が上昇し、快適な刺激では逆に低下します。また、自律神経の状態とリンクする傾向があり、朝方は低め、日中活性化し、夕方には徐々に低減します。

 

実証期間中、被験者のアミラーゼ値は個人差があるものの平均10~30前後と安定的に保たれており、その推移も、朝に比べ日中になると活性化し、夕方に向けて低減していく傾向であったことから、適度な活力をもって仕事に取り組んでいる理想的な状態であると考えられます。業務の性質上(コールセンター)、照会が立て込むなどの状況が突発的に発生し、一部被験者にはこれを受けた数値上昇が見られましたが、数値の高い状態が継続することはなく、その後安定値への推移が確認でき、本実証のコールセンターでは被験者のストレス状態は安定的に保たれていたことがうかがえます。

 

 

 

 

 

中・長期的ストレスの状態把握と考察

 

コルチゾール値は心理的・身体的ストレスにより上昇し、心の緊張状態を見ることができます。コルチゾール値が高い状態は、自律神経を整えるセロトニンが分泌されにくくなるため、長期間続く場合は精神的な不調を感じやすくなる可能性があります。

 

また、免疫グロブリンlgAは運動、精神的ストレスと関係し、ストレスの種類によって異なった増減をします。急性ストレスで上昇しますが、慢性ストレスで低下=体が硬直するなど、身体的緊張を見ることができます。

 

 

 

 

計測機器の比定ではコルチゾール値は安静状態で2~5程度、一般的な日中の活動時における変化では5~10、瞬間的なパフォーマンスが求められるスポーツ選手で10~15が計測されます。また、起床時は高く、日中に安定、夕方低下していく傾向があります。

 

本実証では、全体的にストレス値がやや高い状態ではあるものの活動中の数値としては際立って高いわけではありません。コルチゾール値の平均は「空気の見える化」後は改善傾向にあるといえ、空気質計測機器の導入や室内の空気環境情報の提示がある一定の好影響を与えた可能性が考えられます。

 

免疫グロブリンAの数値は使用した機器の計測水準から、安定時で50~300程度が正常値であるとされています。本実証では、全体の平均はやや高い水準であるものの安定状態であるといえます。免疫グロブリンAはストレス状態との相関性があり、免疫状態が安定的であることはアミラーゼ値測定平均の結果と概ね矛盾しないことも確認できます。また、数値がある程度低い水準で正常値になる方が安定性は高いため、「空気の見える化」後に、平均として免疫状態が少し改善したことが示唆されます。

 

 

 

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「空気の見える化」がストレス軽減につながる可能性

 

今回の実証実験についてまとめると、以下のとおりです。

 

・アミラーゼ値による計測で若干のストレス因子低減が確認された。

・コルチゾール値においては明確な数値低減があり、ストレス状態が改善されている。

・免疫グロブリンAの数値が減少し、より安定値となった傾向にあり、免疫状態が若干の改善を見せている。

 

これらのバイオマーカーの数値結果により「空気の見える化」が職場環境の安心感に寄与する可能性が示唆されたと言えるでしょう。

 

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みんなエアーの提供する「空気の見える化」サービス

 

株式会社UPDATERのエアテック事業『みんなエアー』は、「みんなの力で世界の空気をアップデート」をテーマに、“空気”を切り口として、様々な社内課題を解決に取り組んでいます。現在は「働きやすい環境を全国に100万スポット創出する」ことを目標に、「おいしい空気®プロジェクト」などを進行中。職場のストレス計測や空気質モニタリングにより、「人」と「環境」に合わせた空気づくりをサポートしています

 

今回の実証で行った「空気の見える化」は、みんなエアーの空気管理クラウド「MADO」という、空気環境を可視化し、データの分析・通知・アフターサポートまでを行うクラウドサービスです。室内の空気中に含まれる二酸化炭素やPM2.5、揮発性のガスといった物質を計測し、クラウドに送信。事業者のコンピューターやタブレットなどのデバイスに表示し、その空間の空気がどのような状態なのかを可視化できるため、換気やその他状況に応じた対策を行うことが可能です。

 

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