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「ブラック企業」という言葉が一般的に使われている一方で、働きやすい企業を指す「ホワイト企業」という言葉も使われています。厚生労働省では、安全衛生優良企業として認定された企業を公表するホワイトマークを2015年から開始しました。ホワイトマークの認定を受けると、企業にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
この記事では、ホワイトマークがどのような制度で、どのようなメリットがあるのかについて解説します。
ホワイト企業であることを公的に証明するホワイトマーク
ホワイトマークとは、厚生労働省が実施している「安全衛生優良企業公表制度」のことです。この制度は、労働安全衛生に関して積極的な取り組みを行っている企業を認定・公表し、社会的な認知を高めるものです。つまり、ホワイトマークを取得できれば、「ホワイト企業」であると国から認められたともいえるでしょう。ホワイトマークを取得した企業は、自社製品やウェブサイト、求人広告などに認定マークを使用できるようになります。
ホワイトマークを取得するには、「過去3年間労働安全衛生関連の重大な法違反がない」などの基本事項に加えて、労働者の健康保持増進対策、メンタルヘルス対策、過重労働防止対策、安全管理など、幅広い分野で積極的な取り組みを行うことが求められます。
なお、ホワイトマークと混同されやすいものに、一般財団法人日本次世代企業普及機構(ホワイト財団)の「ホワイト企業認定制度」があります。これは、「次世代に残すべきすばらしい企業」を選定・評価し、ホワイト企業として認定するもので、厚生労働省によるホワイトマークとは異なるものです。
ホワイトマーク認定のメリット
ホワイトマークに認定されると、自社がホワイト企業であることを内外に示す公的な証になります。認定を受けることによって、具体的に下記のようなメリットがあります。
企業イメージの向上
ホワイトマーク認定されるメリットのひとつは、企業イメージの向上です。ホワイトマーク認定されると、労働安全衛生に関して積極的な取り組みを行っている企業として、厚生労働省のウェブサイトにも社名が掲載されます。また、自社が発行する媒体や商品などに認定マークを使用することもでき、ホワイト企業であることを対外的にアピールすることが可能です。
従業員のエンゲージメント向上
ホワイトマーク認定によって、従業員のエンゲージメントも向上します。ホワイトマークの認定を受けるためには、安全衛生活動の推進をはじめ、従業員の健康管理やメンタルヘルス対策、過重労働防止対策など、数多くの基準を満たす必要があります。そのため、認定を目指す過程において、職場環境は必然的に改善されるでしょう。従業員にとって働きやすい環境になれば満足度が向上し、生産性アップや離職率低下につながります。
また、自社がホワイト企業であるという公的な証を得ることで、組織に対する愛着が生まれ、仕事にも前向きに取り組めるようになります。
採用力の強化
対外的にホワイト企業であるとアピールできることは、人材採用において大きなメリットです。ホワイトマーク認定によって、求職者に優良企業だということを認識してもらえるため、優秀な人材が多く集まりやすくなります。
近年では、ホワイトマーク認定企業限定の就活イベントも開催されています。そのような場に参加できれば、求職者に働きやすい職場であることをアピールすることができるでしょう。
ホワイトマーク認定の難しさ
ホワイトマーク認定そのものについてのデメリットはありませんが、認定されるまでに注意しておきたい点があります。
ホワイトマーク認定されるには、厚生労働省が定める数多くの審査基準を高いレベルで満たす必要があります。また、どれかひとつの項目に秀でていれば良いというわけではなく、全体的に定められた基準をクリアしなければなりません。どのような企業でも認定されるということではなく、認定されるのが難しいという点には注意しておきたいところです。
ただし、認定基準が厳しいということは、裏を返せばそれだけ信頼性が高いともいえます。また、ホワイトマーク認定に向けて審査基準をクリアしていくことで、職場環境は確実に改善されていくはずです。
認定までの労力はかかるものの、その分メリットも大きいといえるでしょう。
安全衛生とともに健康への意識も大切
厚生労働省が認定するホワイトマークは、ホワイト企業であることを公的に証明できるものです。ホワイトマーク認定されると、安全・健康で働きやすい優良企業であると認められたことになり、取引先や求職者へのアピールにもつながります。職場環境の改善によって、従業員のエンゲージメントを高めることもできるでしょう。
また、誰もが安心して働ける組織を目指すには、安全衛生とともに普段からの健康への意識付けが大切です。
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