「健康が人を支え、人が会社を支える。」~トリニティが目指す健康経営とは~

「デジタルライフを豊かにする」ことを目指し、キラリと光るコンピューター周辺機器やデジタル雑貨などのアイテムを企画・開発をして販売しているトリニティ株式会社。

企業成長のために、常に広い視野を持ち、さまざまな施策に取り組んでいます。会社は「人」で成り立っている、成長の要素の中で最も大切なのは「健康」と明言する代表取締役星川さんのもと、創立丸15周年を迎えた2021年に健康経営優良法人のへの取り組みをスタートさせ、2023年には中小企業法人部門で「ブライト500」に選出されています。

参照:健康経営優良法人認定制度|経済産業省

今回は、トリニティ株式会社の取締役の佐藤さん、経営企画の中村さん、広報の武知さんにお話を伺いました。

 

<プロフィール>

トリニティ株式会社  https://trinity.jp/

取締役 佐藤 拓   広報・PR 武知 萌   経営企画 中村 麻佑

 

 

世間にないものをいち早く届ける、トリニティのこだわり

トリニティ株式会社 取締役 佐藤 拓 さん

 

ーーー まずはトリニティ株式会社の事業内容をお聞かせください。

 

佐藤:「デジタルライフを豊かにする」というスローガンの下、Apple製品の周辺機器やデジタル雑貨、スマートフォンのアクセサリーなどを作っている会社です。ガラスフィルムやケース、モバイルバッテリーなどのアクセサリー類も、各ユーザーのライフスタイルにマッチするデザインや性能にこだわり、コンセプトの異なる2つのオリジナルブランドを展開しています。

 

武知:起業当初はiPodなどのケースを輸入・販売していたのですが、輸入では端末の発売時に即時展開できないという点と、そもそもアクセサリーがまだ市場にはあまり出回っていなかったタイミングということもあり、メーカーとしてケースの製造からスタートしました。代表・星川の「世間にないもので僕が欲しいものは、きっと他の人も欲しいものだから作ってしまおう!」という考えから、スマートフォンの保護ガラスやケースの製造を主軸に、デザインプロダクトやデジタルガジェットの開発をしてきました。

 

佐藤:これまでもSIMフリースマートフォンなど、まだ世にはないデジタルライフを豊かにするものの開発・リリースを行ってきました。毎日24時間365日の活動と睡眠を記録し、あらゆる人の健康をサポートするウェアラブルデバイス「weara」の開発を手掛けてきた際に、より健康の重要性を再認識したことが、会社で働く人々にも心身ともに健康な状態を維持してもらうための取り組みとして健康経営を実施していくきっかけとなっていきます。

コロナ禍だったり、iphoneの販売不振だったり、近年は逆風に吹かれまくっている当社のビジネス環境ではあるものの、ここ5年間では売上高としては右肩上がりに推移しており、2023年度決算においても、過去最高の売上高となりました。

 

 

 

明確な目標とタスクの可視化でブライト500を目指す

 

ーーー 優良法人認定を取得されようと思ったきっかけや取り組み内容についてお聞かせください。

 

佐藤:先述した通り、もともと私がウェアラブル健康デバイスの開発に携わっていて、「ウェアラブルデバイスを開発するメーカーである私たち自身が健康でないとだめだよね」と代表と話をしたのがきっかけです。企業として健康優良法人ブライト500の認定というのは、明確な目標になると思いました。

まず一度チェック項目をリストに出して、既にできていることとできていないことの洗い出しをしました。スタートから1年でブライト500認定を受けることを目標設定としていたので、週1回くらいのペースで積極的にミーティングをして、とにかく取り組めるものから取り組んでいきました。

 

ーーー 最初にチェック項目をみたときは、何%くらいできていると感じましたか。

 

中村:健康優良法人の認定要件は、経営方針や組織体制、制度・施策実行、リスクマネジメントなど多岐にわたり、その項目は約300項目にものぼります。敷地内禁煙の認証も取得済みだったことや就業規則に含まれている項目もありましたが、それでも最初は、…10%くらいかなという印象を受けました。細かく見ると、意外とやることはたくさんあるぞと思いましたが。

 

佐藤:私の印象では半分ぐらいはできていたんじゃないかと思っていますね。残業など既に取り組んでいるものもあったので。

 

ーーー 中村さんにお聞きします。経営層の方針を実際の現場に落とし込んでいくなかで、難しかった点や工夫したことなどはありますか。

 

中村:「今年ブライト500をとるぞ!」という明確な目標があったのでとにかく推し進めました。幸いネガティブな意見は上がってこず、もしかしたらいろいろ思うことはあったかもしれませんがみんながとりあえず一緒にやってくれました。

例えば有給取得。もともと積極的に有給を取ろうという意識の人が少なかったのですが、会社として「有給取得率70%」の目標を立てて打ち出した時は、業務上お休みしづらい人もいるんですけど、それでも一人も70%以下になる人がいなかったんです。

目標達成のためにやったことは、取得率の通知です。メールで毎月決まった日に有給取得率をメールでマネージャーと本人に知らせました。自分がどの程度有給をとれているのか知らせることで、なんとなく1年過ごしてしまうのではなくて、定期的に現状を把握してもらえたのが良かったです。

そのうち、80%ぐらい取得できているという人も増えてきて、全体的に休みやすくなったと感じてもらえているのではないでしょうか。

 

トリニティ株式会社 広報・PR 武知 萌 さん

 

ーーー 素晴らしいですね。                                                                                     経営側としては、従業員の休みの取りやすさなど福利厚生の部分と事業成長という点での天秤は気になるところだと思うのですが、有給取得率の増加は事業への影響はありますか。

 

佐藤:そうですね、従業員全体の有給取得率は増えましたが、売り上げも前年比120%で増加しています。全体の休みが増えても、売り上げが上がっているという良い循環ができています。

 

武知:休みを取るにしても、残業を減らすにしても、計画性が大事ですよね。佐藤がセールスや広報、貿易輸出入チームのマネージャーに入って、仕事を計画的に行うよう見直ししました。私たちの事業は、この時期に忙しくなるという波がある程度分かっているので計画的にできると。

 

佐藤:私がトリニティにきて4年目になりますが、社内をパッと見渡した時に、各部署が独立しているように感じたので、もっと全体をまとめて情報共有をしっかり行っていくということに力を入れようと。それだけでも、結果はたぶんついてくると確信していました。

弊社ではやはり、新しいiPhoneが発売されるタイミングで一番数字が上がるので、事前準備を丁寧に行い、反省点や改善点を事務所で共有して協力体制を築きました。

 

中村:さらに、佐藤が物を売る仕組みをちょっと変えたところが売上向上の要因だと考えています。もともと業績が悪いわけではなかったのですが、「うちの会社は新製品が一番売れる」というところに着眼して、iPhoneだけでなくAndroidの機種発売にあわせて積極的に新製品を打ち出しました。そういう点でいうと、誰かの労働時間の長さに関係ないところで売り上げを立てられています。売り上げが立ってきちゃっているからこそ、みんなの時間が足りなくなってきているという嬉しい悲鳴もありますね。

 

佐藤:結果、予測していたよりも需要が大きくなってしまって。営業側がどんどん受注をとってきているけれど、後ろでモノ作りをする人たちのリソースが足りなくなってきているほどです。できるだけ人を採用して、残業などは増やさずに、みんなが働きやすい環境下でしっかりと売り上げを立てていく体制を作る。そして、みんなに還元しながら会社が成長していければいいなと思っています。

 

 

ーーー 健康経営優良法人認定制度を取得することで期待する点はなんですか。

 

佐藤:社内でも立場によって多少異なるとは思いますが、例えば武知のような広報担当なら、会社を知ってもらうひとつのアピールポイントになるんじゃないでしょうか。実際に2024年6月には、健康経営の取り組みのひとつとして「働くこと」をテーマに高校で授業を行わせてもらうなど、社会貢献もでき、商品以外の面でも企業PRができるのは良かったと感じています。

 

中村は経営企画なので、社内ルールが整備されることで福利厚生も手厚くなり、社員にとってより良い環境が作れたと思います。採用面でも健康経営に取り組んでいるということで企業イメージが明確になれば、私たちに共感し、マッチする人材も集まりやすくなるのではと思っています。

 

 

 

健康経営も、楽しくなくては意味がない

ーーー オリジナルの健康経営の施策も充実されていますよね。                                                                          今後、重点的に取り組みたいことはありますか。

 

中村:売上との両立はしっかりさせつつも、健康経営の一環として去年やってきたことはなくさずに続けていきたいです。例えば、7月に「野菜接種強化月間」をやっていたり、佐藤が先頭に立ってウォーキングとかやっていたりするので。

 

佐藤:ブライト500を目指す取り組みを始めた2021年に「トリニティウォーク」という社内ウォーキングイベントを私が企画したんですけど、今では毎年の恒例行事となっています。

トリニティウォークは、役職や部署にかかわらず全メンバーが5チームくらいに分かれて、1日8,000歩を目標に平均歩数を競うかたちで行いました。初年度は2週間だけの実施でしたが、普段コミュニケーションをとらない人たちが関わるのですごく盛り上がったんです。埼玉の新座市にある会社から横浜まで歩く人とか出てきて、多い人は一日に6万8000歩も歩いたと言っていました。それだけでも、みんなの話のネタになるしね。(笑)

歩数管理でポイントがたまるアプリを入れる人も出てきて、私も一つ前の駅から歩いて通勤するようになりました。チームごとに懇親会をしたり、チーム名を決めたりするだけでもかなり盛り上がって、毎年期間を調整しながら取り組んでいるイベントの一つです。開催時には、全体の平均歩数が10%増えるなど確実に効果も感じており、期間や方法も毎年進化を。2024年度の今年は、期間を3ヶ月に1回(1ヶ月間)で年間4回の実施。チームのメンバ-決めもドラフト制度を用いるなど、ますます盛り上がっています!

トリニティウォークブログ:https://trinity.jp/720793/

 

 

ーーー 「健康経営」にとどまらず、楽しみながらのチームビルディングを促してらっしゃいますね。結果的に会社の成長につながっているのが伝わってきます。

 

佐藤:基本的に私は「楽しみましょう」という考えなので、直接は伝えていないけれどみんなに楽しんでもらいながら、それぞれの健康や従業員満足度、さらには生産性が上がったらいいなと思っています。私自身は…、生野菜が食べられないので、「野菜接種強化月間」は本当に楽しめないですけどね(苦笑)。

 

中村:「野菜接種強化月間」は、全社員が健康的な食生活を心がけるイベントです。社員に対して健康意識調査アンケートを実施することで現状の把握や、毎週の野菜配布、野菜を摂ることの必要性・重要性を知ってもらうための教材の共有などの取り組みを行っています。初年度は、佐藤にもランチや間食でも食べられるように‟生野菜“を渡していたんですが、食べられなくて人にあげちゃうから…、2年目は野菜スープに変わりました。それでも嫌がってコーンポタージュときのこのスープにしてくれって駄々をこねていましたけど。

 

佐藤:そうそう、駄々をこねると中村が「そんな特別扱いはしません」って。それもちょっとネタとして、みんなが笑えればいいなとあえてやっているんです。社員との距離感を縮められたらいいなと思って。当社では基本的にニックネーム制なんです。誰がどの役職とかもわからないところがあるので、こういうコミュニケーションでより距離が縮まればいいんじゃないかなって。だからわざとなんですよ~、あれは(笑)

武知:このやりとりを見ていただいて、クスって笑って欲しいですね。

野菜接種強化月間ブログ:https://trinity.jp/504597/

 

 

佐藤:ちなみに僕はぼん、武知はぴんく、中村はあさすけというニックネームです。トリニティは入社して最初に決められるのがニックネームで、全員がアイディアを出して多数決。名刺やメールアドレスにも表記されます。もちろん悪ふざけにならないように本人の希望を聞きながらつけています。

 

 

ーーー本当に楽しそうで良いですね。社内のみんなで盛り上がりながら健康推進をすすめるなかで、実感されている効果はありますか。

 

佐藤:トリニティウォークの効果で、一日の歩数はかなり上がってきたと思います。最初は平均6000歩でしたが、今は7000歩後半ぐらい?社員の3分の1は近所に住んでいるんですが、あえて一度最寄り駅まで行ってから家に帰る人とかいます。みんなが意識して運動していることに、価値があると思います。

 

中村:歩数を稼ぐという意味も込めて、美術館をめぐろうというサークルを作って月1回活動しているんですが、結局あまり歩数が伸びなかったので帰りに神社など寄り道するようにしています。

 

佐藤:サークル活動も健康経営の一貫から始まっているんですよ。そういった意味でも、健康経営への取り組みをきっかけに、より社内コミュニケーションの活性化が進んだと思います。役職や部署の垣根を越えて、さまざまなチームビルディングが出来、それらは、業務上の協力体制やアイディアにもつながっていると。

会社という組織は人で成り立っています。会社組織がひとりでに成長することはなく、そこには人の成長が欠かせない要素として必要になります。どんな会社においても、働く人々が心身ともに健康で、仕事にやりがいを持ち、最低限の報酬が確保され、それに加えて成果に見合った報酬を約束され、会社と一緒に働く仲間に恵まれれば、自然と成長していくことができます。

私たちは、成長の要素の中で、最も大切だと考えているのが「健康」です。健康でなければその他の要素を満たすことができないからです。会社は、安定的かつ永続的に運営されていく必要があります。そのためには、そこで働く人々に「健康」という状態を安定的かつ継続的に保つための施策を講じる必要があります。それが結果として使命を果たしていくことにつながると考えています。

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