「未来のモノづくりをとことんサポートする」をミッションとして
~社会から信頼される企業であり続けるリードの姿勢~

「次世代の夢に貢献する」を理念に ~社会から信頼される企業であり続けるリードの姿勢~

 

株式会社リードは、1973年にダイヤモンド工具の製造・販売および精密加工サービスを目的に創業したモノづくりの会社です。精密加工を「素材~加工~評価」の総合技術と捉え、蓄積したノウハウをベースに、常に新技術と独創性を盛り込んだ製品づくりに取り組んでおり、ここから生まれた製品は、日本のみならず、世界中からも高い評価を受け、ハイテク産業、先端産業分野に新たな可能性と付加価値をもたらしています。

株式会社リードは、従業員を企業の持続的成長と発展のための最も大切な財産の一つと考えています。従業員一人ひとりを尊重し、従業員が安全かつ健康に、能力を自律的かつ最大限に伸ばし、いきいきと働ける職場環境を整えることが大前提であるとの考え方にたち、2019年2月に健康宣言を作成しました。その後、積極的に健康管理施策に取り組み、翌2020年3月には、健康経営優良法人(中小規模法人部門)に認定されました。

以降、「健康経営優良法人」は2020年から5年連続の認定となり、その内の全国上位500社にあたる「ブライト500」への選出は2023年より2度目の認定を受けています。
 参照:健康経営優良法人認定制度|経済産業省

今回は、企業継続の循環モデルに「社員幸福度の向上」を掲げて取り組んでいる、株式会社リードの健康経営の秘訣や具体的な施策について、本社 人事広報部主任の福田さんにお話を伺いました。

 

社員のモチベーション、幸福度の向上がモノづくりの源泉

 

ーーー 株式会社リードの事業内容についてお聞かせください。

福田:私たちリードは、「ダイヤモンド工具」という製品を取り扱っている会社でして、創業が1973年、今年は創業50年を迎えました。創業当時では未開拓分野であった磁気ヘッド加工用ダイヤモンド砥石の生産にいち早く着手し、現在では超精密加工の技術力をグローバルに発信するまでに至っています。お客様にご提案するソリューションはすべて「1to1」によるオーダーメイド対応で、それぞれニーズが異なるお客様ごとに最適な製品づくりをご提供するスタイルは創業当時から変わっていません。お客様の製造現場を陰ながら支えているというところが私たちの強みであり、お客様が抱える課題に真正面から取り組むべく、技術提案型の営業スタイルで超精密加工の周辺技術のコンサルティングから開発、導入、アフターサポートまで一貫対応しています。

「 さて そのつぎは 」というのが社訓でして、 私たちのミッションは、‟未来のモノづくりをとことんサポートする“と掲げております。

そして、CS(Customer Satisfaction:お客さま満足)の実現はES(Employee Satisfaction:従業員満足)の先にあるものと考えています。新しい製品を生み出し、より付加価値の高いサービスを提供することがお客さまの満足につながるとしたら、それを実現するのは会社ではなく、そこで働く従業員たちです。特に、私たちのようなモノづくりの会社は、従業員一人ひとりのスキルが企業の成長の基盤になるからです。

本社は横浜(神奈川県)にありますが、仙台にメイン工場、開発研究所、営業所の3つが一緒になって立地しています。他に新潟工場、福島工場があり、全従業員数は184名で、内訳としては男性が134名、女性50名です。

昨年、仙台工場を新しく立て直しましたが、健康経営に取り組む施策の一つとして、みんなで集まって話せたりするワーキングスペース、集中したい時に使える個別の部屋なども新設しました。 また、従業員は基本的に食堂でランチを取るルールになっているのですが、その食堂も綺麗になり、従業員たちのモチベーションアップにもつながっています。

 

 

ーーー 福田さんはどのような業務を担当されているのでしょうか。

福田:私は人事広報部所属で、メイン業務としては広報を担当していますが、代表・鍋谷の秘書業務も行っています。「健康経営」の取り組みを当時の業務部が中心となって始めた経緯があり、「健康大使」と命名されております。(笑)
人事広報部は、工場がある仙台、新潟、福島にもありまして、それぞれに「健康大使」とプラスαを任命し、各拠点で健康経営の施策に取り組んでいます。

 

仲間と作る、いきいきと働ける職場環境

 

ーーー 健康経営優良法人認定を取得しようと思われたきっかけについてお聞かせください。

福田:2018年頃に、お取引先の企業様が「健康経営優良法人認定」を取得されたと代表の鍋谷から話を聞いて、どんな内容なのかと調べたところ、まさに弊社でも取り組んできていることではないか?と思いまして。月に1度の当時の業務部全体の会議で議題にあげて、「健康経営」への取り組みを具体的に始めることになりました。また、全国健康保険協会と協力し、従業員およびご家族の健康の維持・増進をしっかり支援していくことを経営として明確にするため、2019年2月に健康宣言を作成しました。そこから健康管理施策を積極的に展開し、最初に健康経営優良法人認定を受けたのは2020年の3月です。

 

ーーースタート時、「健康経営優良法人」のチェック項目で何割ぐらいが達成されていると感じましたか。

福田:そうですね、既に行っている取り組みとして半分ぐらいは達成できていることが確認できました。当時、足りなかった点でいうと、受動喫煙対策のところですね。まず第1段階の施策としては、喫煙場所を遠くしてみようと考えました。工場では、休憩が午前・午後で10分ずつあるんですけど、喫煙所が遠ければ吸いに行かないんじゃないかと考えましたが、実際にはそう簡単に良い結果は出ず。(笑)

それで次に取り組んだのが、紙タバコをやめてもらうことです

電子タバコへの切り替えを促す目的で、会社で電子タバコ本体の購入金額の一部を補助することにしたところ、喫煙者からの了承を得ることができ、受動喫煙の課題はクリアしていくことができました。その後も常々、雑談のようなミーティングの機会を設けては、「私たち健康大使は、皆さんの健康を考えていますよ!」とお伝えしています。「そんなのわかってるよ。」とみんなに言われながら。(笑)

健康に深く関わってくる部分ですが、喫煙習慣などの従業員一人ひとりの生活習慣の見直しや改善は容易ではないですよね。いろいろ意見もあると思う中で、私に直接は言ってこなくても、例えば、工場の担当者が言われちゃって…とかもあったりしたので。そこもちょっと、難しかったですね、やっぱり。「みんなの健康のためだから落ち込まないで!」と励まし合いました。

 

 

ーーー既に取り組めていたことも多そうですね、自慢ポイントなどありますか。

福田:健康促進にもつながる運動機会についてですが、元々、社内ではゴルフやランニングといった体を動かす系のクラブ活動が盛んであることや、毎朝ラジオ体操から一日の就業が始まるので充実していましたね。ですが、さらにそこから‟ラジオ体操強化月間“というのを作ってみました。 ラジオ体操って3分ぐらいの短いものですが、実は13種類前後の動きがあるので、みんなで勉強して、日毎に重点ポイントを変えて意識的に取り組んでもらうようにしました。

また、毎月従業員一人ひとりに対して「安否確認」を個人携帯に送信して訓練をしているんですが、そこにアンケート機能も追加して「 身体の調子の悪いところはありますか」というような質問をしています。それにより、従業員からの腰や肩の痛みといった悩みなどがあがってきたので、午後の休憩後に‟ストレッチ体操“の時間を設けました。本社も工場も、15時10分になったら音楽が流れ、工場の場合はみんな廊下に出てストレッチ体操をして身体を動かすんです。たった5分ぐらい軽い運動なんですが、良いリフレッシュにもなっているようです。

 

取り組みの一歩は、健康課題の意識化から

 

ーーー皆さんとても協力的な印象を受けましたが、健康意識が高いのでしょうか。

福田:どちらかというと業界の慣習かもしれません。‟5S“はご存知でしょうか。「整理、整頓、 清潔、清掃、しつけ」というのが、製造業では重要とされているキーワードなんですが、先代の社長は特に厳しく徹底されていたそうです。工場内を綺麗に維持することは鉄則ですし、美化委員会、モラル委員会、安全改善委員会といった名称の委員会が工場ごとに設置されていて、月1回は活動していますので、そういう慣習も健康に結びついていると感じています。

 

ーーー御社ならではの施策もぜひ教えてください。

福田:「健康宣言カード」を作成しています。期初に全従業員が目標を掲げるんですけれども、メンタル的なことでもいいし、運動習慣や食、なんでも良いのですが、1年間を通して自身の健康に関する課題を何か達成させましょう!という目的です。最初は達成率も悪くて落ち込みました。(笑) ですが、このカードを工場に貼りだして、年度末にどこまで達成できたかを自分以外の人に示すことで、だいぶ達成できる人が増えてきています!こうした結果から、どんな小さなことでも、意識化したり、見える化していくことの重要性を感じています。

他には、毎月給与支給日を「健康の日」と名付けていて、前日には、弊社独自の社内グループウェア「THE NEXT」を使ってその時期のトピックスを添えて「明日は、健康の日です」と発信するようにしています。その日は、工場も本社もサラダバーを行っていまして、全従業員にサラダを無料提供にしており、改めて全員に「食」にも意識してもらうようきっかけ作りにしています。

 

写真左:【健康宣言カード掲示  新潟工場】    写真右: 【サラダバー 仙台工場の様子】

 

コミュニケーションUPという点では、工場では全員名札をつけているんですが、そこに‟今月のテーマ“というのが名前の上に書かれていまして、例えば、「好きなお鍋は?」とか、「好きなアイスクリームは?」とか、「推しは?」とかを表示しています。2ヶ月に1回のペースでテーマを変えるんですけど、それも健康経営チームで考案しています。コミュニケーションを図る対象としては従業員同士の場合もありますし、お客様が名札を見てくださると、突っ込んでくれる場合もあるんですよ。コミュニケーションを活性化するための施策の一つと思っています。

また、毎年社員旅行がありまして、参加率はほぼ100%なんです!

前回は、仙台の秋保温泉に行ったんですが、福島工場に各拠点からみんなが集まり、広い駐車場ではバーベキューをしたり、新潟チームが持ってきてくれた鮮魚を焼いたりとか。代表の鍋谷は料理が好きなので、みんなにお手製のカレーを振舞ったりもして、各工場全従業員での交流ができる貴重な機会なんです。

 

ーーー施策はどのように考えて、組み込まれていくのですか?

福田:前述の安否確認のアンケートシステム使って、統計をとったりしながら施策に落とし込んでいます。例えば、「朝ごはんを食べていない人」のアンケートで現状把握をして、そこから、朝食接種率を上げるための施策を検討します。「3ヶ月後にもう1度アンケート取るので意識的に取り組んでみてください」という発信をして。そういった小さなことの繰り返しで、朝食を食べていない人の数が少しずつ減るとか、そういう感じですね。

 

お客様と従業員の満足度向上で、社会へ貢献する企業へ

 

ーーー社内への発信はどのようにされていらっしゃいますか。

福田:先代社長の時代、昭和59年から毎月発行している「NEXT新聞」というものがありまして、毎月健康経営のコラムなどを載せているんです。

 

ちなみに、その「NEXT新聞」では、毎年1月には代表・鍋谷の寄稿があり、社内向けに「あけましておめでとうございます」という新年のメッセージを出すんですけれども、 「未来のモノづくりをとことんサポートする」というミッションを打ち出した時が、特に印象的だったんですが、お取引先様から「リードのおかげで成り立っています」というお言葉をいただいたとのことで、嬉しかったですね。その言葉は、後方支援をする部隊である私にも響いたので、現場のメンバーにはもっと響いたんじゃないかなと思います。

 

ーーー御社にとって、「健康経営」を推進していくことは、その意義や位置付けはどのようなものでしょうか。

福田:私どもは中小企業ですが、たくさんの大企業メーカーの重要な製造工程に関わる仕事の一翼を担っています。私たちの工場が止まってしまっては、大企業やメーカーさんの製造工程も止まってしまうことになるので、とにかく責任が重大で、そのためにも従業員の健康が第一です。

弊社は中長期目標として「グリーン精密加工イノベーション」というビジョンを掲げています。この取り組みは、環境に適応した新しい精密加工の在り方を「開発」「製造」「人財」という3つのソリューションを軸に確立することを目指しています。具体的には、以下のような施策を進めています。開発においては、薄刃・固定砥粒・乾式技術を活用し、加工業界に新しい概念を打ち立てる。

そして、製造と人財のソリューション領域では、環境配慮型の精密加工を具現化することで、自社のモノづくり(製造工程)をとことんグリーン加工へと変換し、廃液の削減、 電力の節約、資材の効率的な使用を実現すると共に、未来のモノづくりを担う人財を輩出し続けることを目標としています。これらの活動を通じて、弊社自身が世界に先駆けて持続可能なモノづくりのモデルケースとなることを目指しています。

 

  • 開発: 薄刃や固定砥粒、乾式技術を活用した環境負荷の少ない新しい概念の加工技術の創出
  • 製造: 製造プロセスの徹底的な自動化とグリーン化
  • 人財: 未来のモノづくりを担う環境意識の高い技術者の育成

 

会社にとって後方支援部隊である私たちは、一見すると、この「グリーン精密加工イノベーション」の実現に向けた活動とは業務上の関連性は低いと思われがちですが、それは大きな誤りです。確かに直接的にこの活動に関与できる部分は少ないかもしれませんが、これらを成し遂げるためには、従業員一人ひとりが心身ともに健康で働ける職場環境づくりを推進し、生産性の向上と従業員の幸福度向上を両立させることが重要だと考えています。そして、根底にこうした考えがあることこそが、これからも継続的に「健康経営活動」を推進させていくための私たちの原動力となっています。

今後さらに従業員一人ひとりの心身の健康の向上を図るため、女性特有の健康課題への対応を強化したり、働く全ての従業員が安心してキャリアを築ける環境を整備したりといったことを計画中です。アイデアは尽きません。数年後にまたその後の様子について取材に来てください。(笑)

 

「グリーン精密加工イノベーション」と健康経営の融合は、単なる技術革新や業務効率化に留まらず、地球環境、社会、そして従業員一人ひとりの未来に貢献することを目指した挑戦です。今後もお客様やパートナー企業の皆様とともに、持続可能でより良い社会の実現に向けて努力を続けてまいります。今後ともよろしくお願い致します。

 

 

<プロフィール>                                                         

株式会社リード https://www.read.co.jp/

業務部本社総務課主任 福田 麻美 

 

 

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