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株式会社コトラは、プロフェッショナル人材の紹介とDX化、人的資本コンサルティングを通じて、組織課題に対するソリューションを提供し、豊かな社会の創造に貢献する企業です。
「人が変われば、組織が変わる 仕組みが変われば、人が活きる」という経営理念の下、企業様のプロフェッショナルの採用、活躍およびDXを支援することで、中長期的な成長をともに担い、プロフェッショナル人材の方々に、最高の転職体験と職業体験を提供しています。
また、お客様に提供する付加価値を最大化するためには、メンバーが働きやすい環境を整えることが大切であり、社員の満足度向上が顧客満足度向上に直結すると考え、エンプロイーエクスペリエンス(EX:社員が企業組織の中で体験・経験する価値)の向上にも真摯に取り組んでいます。従業員の健康維持やワークライフバランスの促進、働き方の選択、コミュニケーションやネットワークの形成支援などのさまざまな施策が、コトラの企業文化を支え、生産性の高いプロフェッショナル集団であることを実現しているのです。
今回は、「人の活躍が社会に好循環を生み出す」という人的資本を軸に企業成長を支援する株式会社コトラが実践する健康経営の秘訣や具体的な施策について、代表取締役社長の大西さん、管理部ディレクターの中川さんにお話を伺いました。
大組織さえ瞬時に変える、プロフェッショナルの力
――― 「人が変われば、組織が変わる 仕組みが変われば、人が活きる」というスローガンを掲げられていますよね。印象的なスローガンの意味を含め、事業内容についてお伺いできますか。
大西:当社はハイクラスの人材紹介会社として創業いたしまして、今年で23年目になります。人材採用から、タレントマネジメント、HRDX、人的資本経営コンサルティングまで、企業様の中長期的な成長を一気通貫で支援していくのが当社の中心事業になります。
「人が変われば、組織が変わる 仕組みが変われば、人が活きる」というスローガンは当社の経営理念を表すものです。これは能力あるリーダーによって、大組織が瞬く間に生まれ変わるのを間近で見た、私の経験に基づいています。
コトラを創業する以前、私は大手銀行に勤務しておりまして、証券や融資、営業企画も経験しました。在職中に、株主が替わり新しい経営陣が指揮を執ることになったのですが、トップが変わった瞬間に組織がガラッと変貌したのを目の当たりにしました。組織自体はそのままであっても、人が変わると会社は違ったものになる。私はそのダイナミズムを身をもって知りました。
ただし、組織を変え、それを機能させることができるのは、真のプロフェッショナルです。当時は日本企業のJTC的*な体質の弊害が指摘され始めた時期でもあり、私は人材の育成や活用こそが企業成長のカギになると確信し、人材事業を立ち上げたのです。
*JTC:ジャパニーズ・トラディショナル・カンパニーの略。旧態依然とした企業風土、硬直的な企業体質の意味。
―――なるほど、いま注目される「人的資本」の向上に、20年も前から取り組まれてきたわけですね。
大西:⽣産年齢⼈⼝が減少を続けていくわけですから、企業の成⻑ドライバーとなる優秀な⼈材の確保は、ますます難しくなっていきます。おそらくこの人手不足という問題が解消されることはもうないでしょう。だからこそ若手の育成や中堅のリスキリングなど、生産性を上げていく取り組みがこれまで以上に重要になります。
また、人材ビジネスに携わっていると、どの仕事で人が足りなくて、どの仕事で余剰気味なのかも見えてきます。人的資本の有効活用という点から、この偏りを是正しようとすれば業種間での人の移動が起きますよね。そうすると、やはり人材の育成が必要になります。企業を成長させるプロフェッショナルを増やし、その能力を最大化する仕組みをつくる。そんな私たちの役割がこれまで以上に必要とされる時代になると見ています。
企業価値に直結するエンプロイーエクスペリエンス
―――「人的資本」の向上と併せて、近年、注目される「健康経営」についてはどういった考えをお持ちでしょうか。
大西:プロフェッショナルな人材が全力で活躍できる場を提供することが当社のパーパスです。何をやるにも健康はベースでありますから、働く人たちの心身を良い状態にする努力は当然のことですし極めて重要です。
周りにいる仕事のできる方々を見てください。多くの方が自身の健康維持には、すごく気を使っています。当社の社員も同様で、個々人が健康に対する意識はしっかりと持っています。会社としては、その足りないところをケアしたり、サポートしていけたらと考えています。
―――2023年に健康経営優良法人の認定を取得されていますが、健康経営に関連する取り組みをいくつか紹介していただけますか。
中川:社員の健康維持やワークライフインテグレーションを良いものにするためのさまざまな施策を行っています。
健康診断100%受診のための管理体制整備、再検査に関する個別連絡、特定保健指導の利用をはじめ、産業医による社員の健康状態の把握、ストレスチェック実施および分析等、各種体制を整えて取り組んでいます。
日常的には、社内SNSを通じて健康にまつわる情報発信を継続的に実施することで、社員の健康リテラシー向上や、健康への関心喚起に努めてきました。先日は会社としてチャリティ・ラン・イベントにも参加し、運動への動機づけにもなったと思います。
―――ひとつひとつの施策を点で終わらせないというか、しっかり浸透するように、というところまでよく考えられているなという印象です。ワークライフバランスなどの面はいかがでしょう。
中川:私生活における不安解消や生活の質の向上に関する取り組みとして、家事代行やベビーシッターサービス利用に対して、月2~3万円の補助金の支給を行っています。健康経営という側面では、社員の自由な時間を増やし(運動時間を確保できる)、心のゆとりにもつながる(メンタルヘルスの向上)という目的もあります。
また、朝型勤務(就業時間の前倒し)や時間単位休暇の導入に加え、モバイル端末(スマートフォンとchromebook)の貸与により、すきま時間でも仕事可能な環境を提供し、従業員一人ひとりが効率的かつ柔軟に働くことができるよう支援しています。
―――なるほど、大西社長がおっしゃっているプロフェッショナルの仕事をサポートするという想いが見事に反映されていますね。とくに家事代行やベビーシッターサービスへの補助は、きめ細かい気くばりも感じられる素晴らしい施策ですね。
大西:会社としては、すべての従業員が100%のコンディションで仕事に取り組み、知識・経験・スキルを日々積み重ねていって欲しいと思っています。そのために会社ができることは、時間をつくる手助け、そして仕事以外の負担をできるだけ減らしてあげることだと考えました。
私も子育てをしながら仕事と家庭の両立に取り組んできたので、その大変さは良く分かっているつもりです。だからこそこの施策を導入しました。家事代行サービスで作った時間は、仕事だけでなく家族との時間や健康維持など自由に使ってもらって良いんです。
いまご紹介した他にも、ストレッチの励行とか、スポーツサークルとか、たくさんの取り組みを行なっていますが、どれも健康経営優良法人認定というものを意識して行っているつもりはありません。
私は、エンプロイーエクスペリエンス※にこだわっています。従業員の満足度が顧客満足度に直結すると確信しているからです。従業員の方々が健やかに働いてもらうことで良い成果が生まれ、コトラの企業価値を高めていくことになるのですから。
※エンプロイーエクスペリエンス:従業員が企業組織の中で体験・経験する価値のこと。
健康経営のかたちは、さまざまでいい。
取り組み続けることこそ大切
―――仕事の質を高めるには、どうしても時間が必要になりますね。労働時間については、どういった考えをお持ちでしょうか。
大西:たとえば、労働時間や残業時間の削減は、業務の効率化を促すために必要な取り組みだと思います。でも、ただ単に減らすことが目的になってしまうと、逆に仕事の質を下げてしまったり、人材育成にも支障をきたすこともあったりするのではないでしょうか。
もちろん労働基準法に定められた労働時間は守るべきものです。ただ、現状は、お客様に良い仕事を提供するためには1日8時間以上が必要な場合もありますし、個人のスキルアップにも時間がかかります。今後、この時間という課題に会社も従業員も取り組んでいかなければならないと思います。
ちょっと話は脱線しますけど、ドジャースの大谷選手はあれだけ結果を残していても1日24時間では足りないそうで、時間があれば何をしたいかの問いに「練習!」と(笑)。プロフェッショナルであろうとする人は皆、もっと~にという風に、同じようなメンタリティを持っているのではないでしょうか。
―――日々努力を惜しまない社員の方々のモチベーションは、どこから生まれてくるのでしょうか。
大西:仕事は、お客様から依頼を受けて、成果を出した対価として報酬を得ます。期待を超える成果で応えれば、感謝され賞賛もされます。そのとき感じる楽しさや歓びというのは、もしかすると報酬以上の価値があるのかも知れません。だからこそ、当社の従業員も含めてプロフェッショナルな人たちは日々の努力を惜しまず、常に全力で仕事に向かうのだと思います。
そうして努力を続ける人たちに対して、会社は働きやすい仕組みや職場の環境づくりで応えていかなければなりません。どんな健康経営をめざすかは、業種業態によって事情も戦略もさまざまですから、こうでなければ、というものはないと思います。大切なことは健康経営の本質を捉えて取り組みを続けることではないでしょうか。私たちコトラは、これからもプロフェッショナル集団ならではの健康経営のかたちを追求し、充実させていくつもりです。
<プロフィール>
株式会社コトラ https://www.kotora.jp/
代表取締役社長 大西 利佳子 管理部 ディレクター 中川 晶