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働き方が多様化する中で、働く「場所」も多様化が進んでいます。株式会社WOOCでは住宅街など郊外を中心に利用者様のウェルビーイングを支えながら、不動産業における「空室再生」という社会課題を解決する、コワーキングスペース・シェアオフィス事業「BIZcomfort(ビズコンフォート)」とレンタルオフィス事業「BIZcircle(ビズサークル)」を展開しています。
今回はオフィス事業戦略チームの紅野さんにお話を伺いました。
(インタビューにお答えいただいた紅野千尋さん )
『空室再生』という社会課題から生まれたサービス
―まずはコワーキングスペース・レンタルオフィス事業を始めたきっかけについて教えてください。
紅野:もともとの不動産事業においての、不動産オーナーが抱える「空室」という社会課題に対して生まれたサービスです。空室が多くなった建物を単に取り壊して新しいものに変えるというのではなく、コワーキングスペースやシェアオフィスに生まれ変わらせるということで『空室再生』として、社会課題の解決を目指しているものになります。
Before
After
(パーティー会場の空きテナントをシェアオフィスに再生したBIZcomfort横浜元町店 )
―どのくらいの『空室再生』を手掛けていらっしゃるのでしょうか。
紅野:現在コワーキングスペースとして111拠点、レンタルオフィスとして50拠点を展開しています。
―本事業はいつからスタートされたのでしょうか。
紅野:2009年に第1号店がオープンしてから、少しずつ店舗を増やしていたのですが、2018年くらいからは年間15~25店舗をオープンしています。
―御社のコワーキングスペースはコロナ禍ではどのような影響がありましたか?
紅野:コロナ禍もスピードは落ちることなく店舗拡大が続いています。一方で利用者様においては、やはりテレワークの需要が増加し、利用者数と利用者層の変化を感じています。
―店舗づくりでは何か変化はありましたか。
紅野:コロナ禍を背景にスペース(人との距離)を重視する利用者様が多くなったように思います。感染症対策にもなりますので、席と席の間隔を広く取って、仕切りを設けることでパーソナルスペースをしっかり確保し、安心した上でさらに集中できるような空間づくりをしています。
―どのような方が利用していますか。
紅野:30~40代の会社員の方が半数を占めておりまして、テレワークはもちろんですが、資格取得に向けた自主学習ために利用したいという方が増えました。作業に集中しやすいよう落ち着いた空間づくりをしているので、男性の利用者様が多いです。
待ってました!と喜ばれる空室再生ならではのユニークな立地
―多数店舗がありますが、どのような立地が多いでしょうか。
紅野:基本的には人が密集しているところよりは、住宅街や少し郊外のエリアに多く出店しています。
―どのような理由からなのでしょうか。
紅野:都心にももちろん出店していますが、どちらかというとオフィス街のイメージがないエリアに多く出店しているのは「空室再生」を軸にしているためです。
―利用者様の反応はどうですか?
紅野:最近、大阪に「BIZcomfort堺東」をオープンしたところ、「待ってました!」というお声がありまして、大変嬉しく思っています。また千葉駅付近では近接した店舗が多いのですが、空室にバリューとデザインを!」という企業理念を掲げ、1拠点ずつデザインにもこだわっているので、雰囲気の違いを楽しんでいただけているお声や、気分に合わせて利用しているという声もいただいています。
―特徴的な店舗を教えてください
紅野:2店舗紹介させてください。
1つ目は、「BIZcomfort千葉西口」です。
SDGsをテーマにした店舗となっており、千葉県産の有名な木材「山武杉」を使ったデスクや棚で地産地消を実現していますし、本来捨てられるはずだったデニムをアップサイクルして作ったデスクやイスを取り入れるなど、環境に優しい店舗を目指しました。
2つ目は、「BIZcomfort京王八王子」です。
こちらは700㎡越えの最大級のレンタルオフィス&コワーキングスペースで、さまざまなブースがあります。
その中でも利用者様からの声で誕生した「ゲーミングオフィス」*は、仕事も趣味も楽しめる空間をテーマに作りました。L字型デスクにゲーミングチェアを用意して、動画の制作や配信、趣味としても楽しめるような自分だけのちょっとプレミアムな空間が目玉の施設です。
他にも飲食可能なカフェブースや、静かに集中したい方向けのサイレントブース、Web会議専用個室のテレフォンブースなどもありますので、多様なニーズにお応えできる店舗になっています。
(*ゲーミングオフィスは、「該当個室契約者専用」のブースになります。)
バックオフィスでも利用できる「質」の高いコワーキングを目指して
―ウェルビーイングに対するお考えをお聞かせください。
ライフスタイルに合った働き方を選ぶことができるという点を重視して、BIZcomfortがいろいろな形のライフスタイルに合わせた自由で快適に過ごせる施設を目指すということが、自然とウェルビーイングにつながっていくのではないかと思います。
―御社のウェルビーイングについての取組はいかがですか?
フレックス制の導入や、もちろんコワーキングスペースでのリモートワークもできますし、より働きやすくなってきています。しかし、やはりバックオフィス系の職種ではどうしても出社しないと遂行出来ない業務があるという状況も残っており、課題に感じています。
―これからのビジョンを教えてください。
紅野:まずは直営で200店舗を目指しています。「どこでも働ける」「いつでも働ける」というだけではなく、それぞれの質を上げていくことも大事にしていきたいと思っています。
この「質」というのは、バックオフィスの方も安心してコワーキングスペースを利用できるようなセキュリティの担保や、利用者様のプライバシーへの配慮、地域への貢献などの点をさらに磨くことで、より多くの利用者様に選ばれるサービスにしていきたいと考えています。
<プロフィール>
紅野千尋
株式会社WOOC
オフィス事業部 オフィス事業戦略チーム