採用に関わるサービスを提供するからこそ、正しく、健やかであり続ける。
タレントアンドアセスメントの実直な健康経営

東京都港区に本社を置く株式会社タレントアンドアセスメントは、AI面接サービス事業や戦略採用コンサルティング事業、人材採用・育成サポート、メディアプロデュース事業などを手がける企業。特にAI面接サービス事業において、世界初となる対話型AI面接サービス「SHaiN」の開発・提供で注目を集めています。

また、「従業員とその家族が安全で元気になれる会社を創っていくこと」を目標に、社員一丸となって健康経営に取り組んでいることが認められ、2019年には健康保険組合連合会東京連合会が行う健康企業宣言「銀の認定」を、2020年には経済産業省と日本健康会議が共同で実施する「健康経営優良法人2020(中小規模法人部門)」認定を、それぞれ最短で取得。さらに2021年には厚生労働省による「安全衛生優良企業」の認定も取得しています。

今回は、そんな株式会社タレントアンドアセスメントにおける健康経営への取り組みについて、代表取締役の山﨑俊明さんと健康経営チームSEaLの山下美由紀さんに伺いました。

 

採用に関わるサービスを提供する自分達だからこそ、「健康経営」を実践する

 

 

―――まずは御社の事業についてお聞かせください。

山﨑:金融や保険会社を経て2011年に独立し、コンサルティング会社を立ち上げたのですが、そこで企業の皆さんから寄せられる相談として最も多いのが採用に関することでした。そこで、採用のコンサルティングを専門的に行う会社として2014年に「株式会社タレントアンドアセスメント」を設立しました。

弊社独自の「戦略採用メソッド」に基づいてAIがヒアリングをし、面接評価レポートまで作成する対話型AI面接サービスの「SHaiN」は、ありがたいことに現在多くの企業さまに採用いただいています。

 

―――健康経営の考え方というのは、「SHaiN」のローンチやアップデートに影響したのでしょうか?

山﨑:僕達は面接サービスを作っているわけですから、合否を最終判断するのは人間ですが、当然このサービスを通して受かる方もいれば、落ちる方もいます。そんな時、残念ながら落ちてしまった方が僕達を見た時に、不健康そうだったり、不真面目だったり、ブラックだったりしたら、「こんな人達が作ったサービスで落とされたのか」と、よりショックが大きくなると思うんです。だから、僕達自身が常に心身ともに健康で高い倫理観を持ち、社会にも貢献できている状態であること、つまり「健康経営」を実践することが大切だと考えました。

社員が入社する際にも、「当たり前の正しいことを、当たり前にやってください」と伝えます。だって、正しいことを当たり前にできたら、自然と健康経営に結びついていきますから。

これは、会社が大きくなり始めたから言っているのではなく当初からずっと言っていたことで、もともとのコンセプトがそこにありました。

山下:「SHaiN」のサービスは2017年10月にスタートしたのですが、2018年の暮れには「健康経営の各種認定取得に向けて動かない?」という話が山﨑から来ています。

山﨑:実際に動き出してからは、私は趣旨だけ伝えて社員に任せたのですが、自主性を持って積極的にやってくれています。

 

主体は社員!健康経営への積極的な取り組み

健康経営チームSEaL 山下 美由紀さん

 

―――健康経営に関する御社ならではの取り組みを、具体的にお聞かせいただけますか?

山下:コロナ前まではオフィスで呼びかけて、「ここから運動の時間にしましょう」や「今日はNO残業デーにして○○までみんなでウォーキングしましょう」など、色々な企画を行っていたのですが、コロナ禍をきっかけに全員がリモートワークに切り替わり、そういった取り組みが一切できなくなってしまいました。

そうなった時に、健康ケアをどうするかというのが大きな課題となりました。何ができるかを模索する中で、オンラインでヨガ講座などを行っているほか、それぞれが自宅の近くを歩いて歩数を増やしましょうという呼びかけをしています。その際は、「ウォーキング中に見つけた素敵な光景を写真に撮って投稿してね」と伝え、社員同士のコミュニケーションにも繋げています。

 

―――社員同士のコミュニケーションにも繋がって、とても素敵です。基本的にリモートワークと伺いましたが、他にどのようなコミュニケーション方法があるのでしょうか?

山下:以前はオフィスの一角にあるミーティングスペースを使って、みんなでお茶を飲みながら健康経営の呼びかけをする「ティーブレイク」というコミュニケーションの場があったのですが、コロナ禍以降はオンラインの会議室を月に1回開放して、部署を越えてみんなに集まってもらえるよう呼びかけています。雑談をしながら普段の業務では関わらない他部署の話も聞けますし、それに加えて今は「睡眠」や「食」などといったテーマを設けるようにしています。

もし話が逸れてテーマから外れてしまったとしても、それはそれでコミュニケーションができているので良しとしています。

 

―――リモートワークという勤務形態のなかで研修などはどうされていますか。

山下:健康経営関連の認定を取るにあたって必要な研修をはじめ、各種の研修や周知が必要なものに関しては、毎月1回全社員が参加するマンスリーミーティングの場を借りて行っています。

研修に対するレスポンスが必要なものに関しては、オンライン上のアンケートを利用して回答をお願いしていますが、弊社では回答率が非常に高く、毎回100%なんですよ。

また、管理職のラインケアやメンタルケアなどの研修に関しては全部オンラインで行っており、回答はエクセルに記入してもらって指定の場所に格納してもらうという形をとっているのですが、こちらも回答率は100%! オンラインでもそのあたりは非常にまとまっていると思います。

 

―――受講率が高いといのは、どういった理由からなのでしょう

山下:一番の理由は、呼びかけが代表の山﨑からだったことにあるのではないかと思います。正直、健康経営って直接の利益を生むものではないですよね。ですが、山﨑が進んで取り組もうとしている。その姿を見て社員も積極的・自主的に参加してくれているのではないかと思っています。

もともとのコンセプトとして「健康経営」を目指すという下地があり、早期からその意識が浸透していたというのが良かったのかもしれません。健康経営を実際に動かしているのも社員有志ですし。

また、社員数が20名ほどの弊社では、どの部署も少人数体制で業務を行っています。そのなかで「健康経営」を自分ごとにしてくれているのも要因だと思います。

 

社員による健康経営活動チームの愛称は「SEaLシール)」

 

―――健康経営を実際に動かしているのも社員の皆さんなのですね!

山下:そうなんです!健康経営活動チームの愛称が「SEaL(シール)」というのですが、「Sociality Eat and Laugh」の頭文字をとりつつ、「あざらし(seal)」のように高い社会性を持ち、助け合い寄り添いながら働いていこうという想いを込めて名付けられました。

2019年2月のチーム発足時から安全衛生優良企業の認定取得を目標に掲げて活動していますが、2019年9月には健康保険組合連合会東京連合会が行う「銀の認定」を、2020年3月には経済産業省と日本健康会議が共同で実施する「健康経営優良法人2020(中小規模法人部門)」認定を、それぞれ最短でいただくことができました。また、2021年には厚生労働省による「安全衛生優良企業」の認定もいただいています。

また、SEaLでは、「あざらしニュース」というものを毎月発行しています。社内の情報共有やコミュニケーション促進につながるようにという目的で育休・産休中などの社員に送るようにしていてお休み中でも会社と繋がることの出来るツールの1つになっていると思います。

 

―――健康経営に取り組む上で何かハードルになったことはありましたか。

山下:そうですね。コロナ禍を経てリモートワークでの勤務形態になったことで、社内で同じ空間にいるからこそわかる気配や空気といった、目に見えないけれど大切な要素を感じられなくなってしまったことでしょうか。

例えば、社内にいたら自分が会議を忘れていたとしても他の人の動きから「あ、会議だった!」と思い出すことができますよね。ですが、リモートだとオンライン会議に招待しても忙しかったりリマインドを見ていなかったりして参加し忘れてしまうことがあります。そういった、呼びかけがなかなか難しいなと思います。

なので、やりとりが一方通行にならないように気を配ったり、先ほどお伝えしたようにオンラインでのコミュニケーションでも参加したくなるような仕組みを考えています。

 

―――では今後、力を入れて取り組んでいきたいテーマはありますでしょうか。

現在はリモートワークであまり大きなイベントができていないので、出社日などにあわせてイベントを開催できたらと考えています。

また健康経営的には、この5年間積み重ねてきた「銀の認定」を維持しながら、会社の成長にあわせて「金の認定」も狙っていきたいと考えています。

 

社員の産休・育休を素直に喜ぶことができる環境が誇り

 

―――様々な取り組みのなかで、自慢できるものがあったら教えてください

山下:20名ほどしかいない企業で、産休・育休を喜べる環境にあるというのは自慢です。

山﨑:小さい会社ですが、嬉しいことに社員にお子さんが誕生するんですよ。その分経営陣はより大きな責任を負いますし、力も入ります。私自身、社員に子供が増えた方が会社はより繁栄すると考えていますし。けれど、働く上では不安が生じることも少なくないと思います。だから、安心して働けるようにきちんと制度にすべきだと考えて「育児介護支援ポータル」を整備しました。

山下:弊社で初めて社員が産休・育休に入ることになり、管理部と一緒にいろいろな協議を重ねました。そのなかで、社内の制度を使うにしても申請をするにしても、わかりやすいガイドがあるといいよねということになり、社内のポータルサイトを作ることになったんです。

無事に運用できたのですが、産休・育休を終えて復帰した社員が、自分が困ったことなどを落とし込んで肉付けしてくれたことで、よりリアルで、使う側の視点に立ったポータルサイトにアップデートすることができました。

 

 

―――自分で調べると大変なこともカバーされていますし、とても見やすく、わかりやすいつくりになっていますね。

山下:社員が妊娠・出産・育児をするにあたって、会社側からの「私達はこんな支援ができますよ」といったことも含めて、手探りでやったことが全てここに生きているという感じです。

さらに、これから親御さんの介護などで困る社員がいたら見てもらえるように、あわせて介護ページも作りました。産休・育休があるなら介護もあわせて考えましょうという流れでしたね。正直、ポータルサイト自体を作ったことのあるものは一人もおりませんでしたし、時間も労力もかかりました。その上、売り上げのある仕事というわけではないなかで、それぞれが時間を割いて勉強しながら作り上げました。

これを作れたというのは本当に会社の姿勢、社長の意思が思いきり反映されたからだと思います。

山﨑:僕ではわからないところがあるので、自主的に情報をアップデートしてくれてとても助かっています。

だからこそ、きちんとそれに応えたいと思っているんです。スタートアップの会社でここまで手を回せないところが多いかもしれませんが、口だけの会社ではないということを実践で証明していきたいと思っています。

 

―――会社にこういった環境があると、安心感もぐっと高まりますよね。

山﨑:特にスタートアップの会社だと、産休・育休が取りにくいから退職するという選択をする女性が多いじゃないですか。それは間違っていると思うんです。

山下:私がいる部署のメンバーは全員が女性で、一番多いのが30代です。いつ誰が妊娠・出産をしてもおかしくない状況のなか、妊娠をしても仕事を諦めることなくずっと働き続けてほしいと思った時に、制度やサポート体制をしっかりと整えておくことが何よりも大事だと思います。

そしてそういった環境を整えておくことで、何年後、何十年後の会社に大きなメリットをもたらすのではないでしょうか。

 

健全な採用を行うことが健康経営に繋がる

代表取締役 山﨑 俊明さん

 

―――最後に、御社が提供するサービスの主軸である「採用」における健康経営についてお考えを聞かせていただけますか。

山﨑:「採用」においてもっとも重要である面接官の数が限られているため、面接を行う人数を絞らなければなりません。いまだに性別や年齢、国籍、学歴などによって採用の扉すら開かないことがあります。私はこの、能力があるのにチャンスをもらえないというシステムを変えていかなければならないと思っています。採用活動は人でしか対応できない領域であり、労働集約型を象徴する業務だからこそ、チャレンジする意味があると思います。多くの労働集約型産業が機械化やロボット化が進む中、採用業務は知的労働としての役割が多かったため、残された労働集約型産業の一つでした。しかし今、AI技術の進歩によって、この残された産業構造でさえも自動化の目処がついてきています。

私たちは、単に人の仕事を奪いたいと思っている訳ではありません。人が人らしく働くため、労働負担を考えるためには、AIの力を利用すべきであると思うのです。AI面接の導入によって、採用負担は大きく変化します。例えば、店舗長であれば本来の業務に専念することができるようになり売上を伸ばすことができています。また、新卒採用担当者であれば、手が空いた時間ができることで、今まで以上に候補者に向き合う時間が増えています。
このようにSHaiNを提供することで、働き方に変革をもたらし健康経営の一助を担うことができると思っています。

 

―――本日はお忙しいなか、貴重なお話をありがとうございました。

 

 

<プロフィール>                                                         

株式会社タレントアンドアセスメント https://www.taleasse.co.jp/

代表取締役 山﨑 俊明  健康経営チームSEaL 山下 美由紀  

 

 

 

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