【2023年度】健康経営の推進に使える助成金を紹介! 主な助成金5選

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労働力の確保や生産性向上が多くの企業の課題となっている昨今、「健康経営」が注目されています。しかし、初期投資がネックとなり、取り組みが進まないという企業も少なくないでしょう。そこで活用したいのが、健康経営推進に関わる助成金です。

この記事では、健康経営の推進に活用できる助成金5種について、2023年度の変更点を含めご紹介します。(2023年10月調べ)

なお、助成金の詳細については、必ず公式サイトより最新の情報をご参照ください。

 

 

健康経営とは?

 

健康経営とは、企業が従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することです。企業が従業員の健康維持や健康増進に積極的に取り組むことで従業員の活力向上などが期待でき、それによって生産性の向上、離職率の低下、企業価値の向上などにもつながります。

国や省庁などでも健康経営を推進しており、経済産業省では健康経営銘柄の選定や健康経営優良法人認定制度を創設しています。

 

 

 健康経営を行うために活用できる5つの助成金

 

健康経営を推進するにはさまざまなコストがかかりますが、そこで活用したいのが助成金です。ここでは健康経営や職場環境改善に役立つ助成金を紹介します。

 


1.業務改善助成金

 

厚生労働省による「業務改善助成金」は、中小企業や小規模事業者の生産性向上を支援し、事業内での最低賃金を引き上げることを目的とした制度です。生産性向上のための設備投資などを行い、事業場内最低賃金を引き上げることで、引き上げ額や賃金を引き上げた人数に応じて費用を助成します。

2023年8月より、対象となる事業場について、事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が30円以内から50円以内に拡大されました。また、事業場規模50人未満の事業者については賃金引上げ後の申請が可能となりました。

 

<支給要件>

・賃金引上計画を策定すること(事業場内最低賃金を一定額以上引き上げる)

・引き上げ後の賃金額を支払うこと

・生産性向上に資する機器・設備などを導入することにより業務改善を行い、その費用を支払うこと

・解雇、賃金引き下げ等の不交付事由がないこと         など

 

<助成金額>

助成率:申請を行う事業場の引き上げ前の事業場内最低賃金により、3/4~9/10までの変動あり

助成上限額:事業場内最低賃金の引き上げ額や労働者数、事業規模に応じて30万円から600万円

 

<申請方法>

業務改善計画と賃金引上計画を記載した事業実施計画書と交付申請書を都道府県労働局に提出します。一定の要件を満たす事業場規模50人未満の事業者は、事業場内最低賃金引き上げ後、生産性向上に資する設備投資等の計画のみで申請できます。

 

参考:業務改善助成金|厚生労働省

 

 

2.人材確保等支援助成金(テレワークコース)

 

「人材確保等支援助成金(テレワークコース)」は、テレワークを制度として導入・実施することで、人材確保や雇用管理改善などの効果があった中小企業事業主を対象とした制度です。

人材確保等支援助成金(テレワークコース)には、「機器等導入助成」と「目標達成助成」の2種類があります。機器等導入助成ではテレワークに関する就業規則などを整備したり、テレワーク用通信機器などを導入したりすることで助成を受けられます。対して目標達成助成では、離職率の目標が達成できれば助成が受けられます。

2023年4月より支給要領が改正され、パソコンやスマートフォンなどテレワーク用端末のレンタル・リース費用が助成対象となりました。また、生産性要件が廃止され、賃金要件による割増支給が可能となりました。

 

 

<支給要件(機器等導入助成)>

・テレワーク実施計画を作成し、管轄の都道府県労働局に提出してその認定を受けること

・テレワーク実施計画認定日以降、機器等導入助成の支給申請日までに、テレワークに関する制度として所定の内容を規定した就業規則または労働協約を整備すること

・テレワーク実施計画にもとづき、実際に取り組みを実施すること

・テレワークの実施状況を評価する評価期間において、1回以上テレワーク実施対象労働者全員がテレワークを実施、もしくは評価期間にテレワーク実施対象労働者が週平均1回以上テレワークを実施すること

・テレワークの実施促進について企業トップ等からのメッセージ発信を行うなど、労働者がテレワークを実施しやすい職場風土作りの取組を行う事業主であること。

 

<支給要件(目標達成助成)>

・目標達成状況を評価する時点での離職率が、テレワーク計画認定時以下、かつ、30%以下であること

・機器等導入助成の評価期間後12ヵ月経過した日から3ヵ月間に1回以上テレワークを実施した労働者数が、機器等導入助成の評価期間初日から12ヵ月を経過した日における対象事業所の労働者数に、計画認定時点における対象事業所の労働者全体に占めるテレワーク実施対象労働者の割合を掛け合わせた人数以上であること

 

<助成金額>

機器等導入助成:1企業あたり支給対象となる経費の30%(上限あり)

目標達成助成:1企業あたり支給対象となる経費の20%〈35%〉(上限あり)

※〈〉内は賃金要件を満たした場合に適用

 

<申請方法>

テレワーク実施計画を作成し、管轄する都道府県労働局が認定した取り組みを実施。その後、機器等導入助成はテレワーク実施計画認定日から起算して7ヵ月以内に都道府県労働局へ申請します。目標達成助成は、評価時離職率算定期間の末日の翌日から起算して1ヵ月以内に都道府県労働局へ申請します。

参考:人材確保等支援助成金(テレワークコース)|厚生労働省

 

 

3.働き方改革推進支援助成金

働き方改革推進支援助成金とは、生産性を高めながら労働時間の縮減等に取り組む中小企業を対象に、必要な費用の一部を助成する制度です。働き方改革推進支援助成金には、下記の5つのコースがあります。

 

・適用猶予業種等対応コース

2024年4月1日より、建設業や運送業、病院等の適用猶予業種にも時間外労働の上限規制が適用されます。時間外労働の削減、週休2日制の推進、勤務間インターバル制度の導入や医師の働き方改革推進に向けた環境整備への取り組みに対して助成金が支給されます。

 

・労働時間短縮・年休促進支援コース

時間外労働の削減や年次有給休暇取得促進など環境整備への取り組みに対して助成金が支給されます。

 

・勤務間インターバル導入コース

勤務終了後から次の勤務までに一定時間以上の休息時間を設ける勤務間インターバル制度導入への取り組みに対して助成金が支給されます。

 

・労働時間適正管理推進コース

生産性を向上させ、労務・労働時間の適正管理の推進に向けた環境整備への取り組みに対して助成金が支給されます。

 

・団体推進コース

事業主団体等が、労働者の労働条件の改善のため、時間外労働の削減や賃金引き上げに向けた取り組みを実施した場合に助成金が支給されます。

 

<支給要件>

いずれのコースも、業種に応じた資本金、従業員数の要件を満たす中小企業である必要があります。その他の要件はコースごとに異なります。

 

<助成金額>

・適用猶予業種等対応コース

成果目標の達成状況に応じて、取り組みにかかった経費の一部を支給(条件によって上限あり)

・労働時間短縮・年休促進支援コース

成果目標の達成状況に応じて、取り組みにかかった経費の一部を支給(条件によって上限あり)

・勤務間インターバル導入コース

対象となる経費の合計額の3/4乗じた額を支給(条件によって上限あり)

・労働時間適正管理推進コース

成果目標の達成状況に応じて、取り組みにかかった経費の一部を支給(上限100万円)

・団体推進コース

支給対象となる取り組みにかかった経費の一部を支給(上限500万円)

 

 

<申請方法>

いずれのコースも、取り組みを実施する前に、管轄の都道府県労働局に働き方改革推進支援助成金交付申請書を提出。取り組み実施後に、交付申請書や事業実施計画などの必要書類を都道府県労働局に提出します。

 

参考:

働き方改革推進支援助成金(適用猶予業種等対応コース) |厚生労働省

働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)|厚生労働省
働き方改革推進支援助成金(勤務間インターバル導入コース)|厚生労働省

働き方改革推進支援助成金(労働時間適正管理推進コース)|厚生労働省
働き方改革推進支援助成金(団体推進コース)|厚生労働省

 

 

4.受動喫煙防止対策助成金

事業場における受動喫煙防止対策の推進を目的として、喫煙専用室などの設備整備に対し助成を受けられる制度です。

 

<支給要件>

・労働者災害補償保険の適用事業主であること

・小売業、サービス業、卸売業などの中小企業事業主であり、2人以上の者が同時に、または入れ替わり利用する施設(健康増進法第28条の第二種に該当する施設)であること

・喫煙室の設置等の事業計画の内容が技術的及び経済的な観点から妥当であること

 

<助成金額>

喫煙室の設置などに係る経費のうち、工費、設備費、備品費、機械装置費などの3分の2を

※主たる業種の産業分類が飲食店以外は2分の1(上限は100万円)

 

<申請方法>

工事の着工前に「受動喫煙防止対策助成金交付申請書」を所轄都道府県労働局長に提出します。

参考:受動喫煙防止対策助成金|厚生労働省

 

 

 

5.両立支援等助成金

仕事と家庭の両立支援に取り組む事業主に向けて作られた助成金制度です。2023年度より加算措置の新設などの一部制度の拡充が行われました。

 

・出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)

男性労働者が育児休業を取得しやすい雇用環境や業務体制を整備したうえで、男性労働者が子の出生後8週間以内に開始する育児休業を取得した場合や、男性の育児休業取得率が上昇した場合に助成金が支給されます。

 

・介護離職防止支援コース

介護支援プランを策定し、労働者の円滑な介護休業の取得・復帰に取り組んだ場合や、就業と介護の両立に資する制度を導入し利用者が生じた場合等に助成金が支給されます。

 

・育児休業等支援コース

育休復帰支援プランを策定し、円滑な育児休業の取得・職場復帰の取り組みを行った場合や、育児休業中の業務代替体制の整備を行った場合、職場復帰後の労働者への支援を行った場合等に助成金が支給されます。

 

・不妊治療両立支援コース

不妊治療両立支援プランの策定及び同プランに基づく措置を実施し、不妊治療と仕事との両立のために職場環境の整備に取り組むとともに、不妊治療に利用可能な休暇制度や両立支援制度を導入して利用者が生じた場合等に助成金が支給されます。

 

<支給要件>

いずれのコースも、業種に応じた資本金、従業員数の要件を満たす中小企業である必要があります。その他の要件はコースごとに異なります。

 

<助成金額>

出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金):20万円~(1事業主あたり1回限りの支給)

介護離職防止支援コース:30万円~(支給人数・回数に上限あり)

育児休業等支援コース:30万円~(支給人数・回数に上限あり/新型コロナウイルス感染症対応特例は10万円~)

不妊治療両立支援コース:30万円(1事業主あたり1回限りの支給)

 

 

<申請方法>

支給申請書、支給要件確認申立書、労働協約または就業規則など各コースに必要な書類を用意し、申請事業主の本社等の所在地にある労働局雇用環境・均等部へ提出します。

参考:両立支援等助成金|厚生労働省

 

 

 

健康経営のひとつとして ストレスチェックサービスの利用を

 

健康経営に関する取り組みを行うにあたっては、各種の助成金を活用するとよいでしょう。要件の詳細や申請期間などについては、必ず各助成金案内の最新情報をご確認ください。

健康経営に関する取り組みのひとつとして、ストレスチェックの実施も検討してみてはいかがでしょうか。

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