OSHMS(労働安全衛生マネジメントシステム)とは?その効果を解説

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企業が事業活動を行う上では、仕事中の事故や災害のリスクを低減させるとともに、労働者の心身の健康維持のために努めなければなりません。しかし、過去に策定したルールが機能していなかったり、新たなリスクが生じる可能性があったりする場合には見直しが必要になります。そのための仕組みが、安全衛生水準の向上を目的とした「OSHMS(労働安全衛生マネジメントシステム)」です。

この記事では、OSHMSの目的や導入の効果、具体的な実施フローなどについて解説します。

 

 

OSHMSの目的と効果

 

OSHMS(Occupational Safety and Health Management System)は、直訳すると「職業の安全と健康を管理する仕組み」という意味になります。まずは、OSHMSの目的と効果について見ていきましょう。

 

 

事業所の安全衛生水準向上が目的

 

OSHMSは、事業所の安全衛生水準の向上を目的とした安全衛生管理の仕組みです。「計画(Plan)」「実施(Do)」「評価(Check)」「改善(Act)」というPDCAサイクルを利用して、自主的かつ継続的な安全衛生管理を行い、労働災害の防止や労働者の健康増進、さらには快適な職場環境の形成を目指します。

労働安全衛生マネジメントシステムの国際的な主な基準は、ILO(国際労働機関)によるガイドラインと、ISO(国際標準化機構)によるISO45001です。日本では、ILOのガイドラインに準拠した「労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針」が、厚生労働省より示されています。

 

 

 

OSHMS導入で災害発生率が減少

 

厚生労働省の「大規模製造業事業場における安全管理に係る自主点検結果について」(2004年)によると、OSHMSを運用中や構築中、または設備・作業の危険要因のリスク評価を実施している事業場は、これらの取り組みを実施していない事業場に比べて、災害発生率(年千人率)が3割以上低くなっているという結果が出ています。

 

■OSHMSの運用有無による災害発生率

また、厚生労働省「平成22年 労働安全衛生基本調査」(2010年)では、OSHMSを導入した事業所の94%で、労働災害やヒヤリ・ハット体験が減少しており、事業所の規模にかかわらずOSHMS導入の効果が高いことがうかがえます。

 

 

OSHMSの特徴

 

では、OSHMSにはどのような特徴があるのでしょうか。OSHMSの特徴は、主に下記の4つがあります。

 

 

PDCAサイクルによる自立的システム

 

OSHMSの特徴のひとつは、「計画(Plan)」「実施(Do)」「評価(Check)」「改善(Act)」という流れを継続的に繰り返すPDCAサイクルを活用していることです。安全衛生の施策を行うだけでなく、その施策が有効かどうかを評価・検証し、結果をもとに改善を行います。この繰り返しによってシステムそのものを定期的に見直し、事業所全体の安全衛生水準の自立的な向上を図ります。

 

 

手順の明文化と記録

 

OSHMSでは適切な運用のため、関係者の役割や責任、権限を明確にした上で、文書にして記録することが特徴です。責任や権限、改善点、各種手順などを明文化して保存することにより、安全衛生管理のノウハウを適切に継承することができます。

 

 

調査結果にもとづいた措置の実施

 

OSHMSでは、調査結果にもとづいた措置を実施することを定めており、災害を起こす前の予防的管理が可能です。生産工程が多様化、複雑化してくると、労働災害の原因も多様化します。労働安全衛生法では、業務に起因する危険性または有害性などの調査を自主的に実施し、その結果に応じた適切な措置を事業者に求めており、OSHMSもこの指針にもとづいています。

 

 

経営トップを含む全社的な推進

 

経営トップの指揮のもと、全社的に安全衛生を推進する体制を整備することもOSHMSの特徴です。経営トップによる安全衛生方針の表明をはじめ、システムの管理者の指名、それぞれの責任や権限の明確化など、安全衛生を経営に組み込んで推進できる仕組みとなっています。

 

 

OSHMSの実施フロー

 

OSHMSの基本は、計画の実施を管理する体制を整え、PDCAサイクルを回しながら改善していくことです。OSHMSの実施フローは、大きく下記の8つのステップに分けられます。

 

 

  1. 事業者による安全衛生方針の表明

まず、経営トップによる安全衛生方針の表明を行います。全社が一丸となって安全衛生を推進するために、OSHMSを行うという意識付けが必要です。

 

 

  1. 設備や作業などの危険性調査と安全のための措置を決定

建物、設備、原材料、作業方法など、業務に起因する危険性または有害性の調査を実施します。調査結果にもとづいて、労働者の危険や健康障害を防止するために必要な措置を決定します。

 

 

  1. 安全衛生方針にもとづいた目標を設定

経営トップが表明した安全衛生方針にもとづき、目指すべき目標を設定します。事業者と労働者で話し合い、安全衛生目標を作成することが大切です。

 

 

  1. 措置と目標にもとづいた安全衛生計画を作成

安全衛生目標達成のための、具体的な安全衛生計画を作成します。目標や計画は、それぞれ文書にしてしっかり保管しておきます。

 

 

  1. 安全衛生計画の継続的な実施

策定した安全衛生計画に沿って、具体的な運用を進めていきます。継続的な実施とともに、計画どおりに進んだもの、計画どおりに進まなかったもの、計画に対する進捗などについて記録しておきましょう。

 

 

  1. 安全衛生計画の点検・改善

安全衛生計画を実施したら、計画の内容が効果的であったか、目標を達成することができたか、別のやり方がないかなどの検証が必要です。良かった点と悪かった点の原因をそれぞれ分析し、課題を明確にします。

 

 

  1. 定期的なシステム監査を実施して見直し

効果や目標の達成度について、システム監査を実施して評価します。その上で、そのまま計画を継続するのか、計画を一部修正するのか、新たな計画を立てるのかといった見直しや改善を行います。

 

 

  1. 上記を繰り返して実施

「1」~「7」までの流れを継続して繰り返すことで、安全衛生水準向上に向けた好循環が生まれます。これらのフローを実施するだけでなく、フローの明文化と記録、管理者の指名をはじめとした適切な体制の整備などが必要です。また、目標の設定や安全衛生計画の作成、結果を踏まえた改善などは、労働者の意見も反映させることが大切です。

 

 

安全衛生とともに健康への意識も大切

 

OSHMSは、事業所の自主的な安全衛生管理に役立ちます。労働災害の防止と同時に働きやすい職場環境づくりにつながるでしょう。労働者にとって働きやすい職場になれば、モチベーションや生産性の向上も期待できます。

また、労働者のリスクになるのは、労働災害だけではありません。労働者の心身の健康を守るには、ストレスなど不調のサインに対して適切なケアを行い、安心して働けるような環境を作っていくことも大切です。

 

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