【保存版】 保育園での感染症対策を専門家が解説!① ~エアロゾル感染の特徴と感染リスクのセルフチェック項目とは~

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保育園や認定こども園、幼稚園などの保育施設では、子どもたちの免疫(病気に対する抵抗力)が未発達であることから感染症が流行りやすいといえます。その上、マスクの着用や子ども同士一定の距離を保つことの徹底も難しいため、対策に苦慮する保育関係者の方は多いのではないでしょうか。

この記事では、電気通信大学の石垣陽・特任教授の動画コンテンツをもとに、保育施設でのエアロゾル感染の実態と対策方法について解説します。

参照動画はこちら➤保育園の換気対策!【2022保存版】

 

 

 

エアロゾル感染とは?保育施設での感染の実態

 

エアロゾル感染とは、空気中に浮遊する微小な粒子に含まれるウイルスが引き起こす感染のことを指します。くしゃみや咳などで発生する水分を含む飛沫に比べて小さく軽いため、空気中にウイルスが長い時間留まりやすい点が特徴とされます。

電気通信大学の石垣陽・特任教授(リスク情報学)らの現地調査によると、ある保育園で発生した新型コロナウイルスの感染者集団(クラスター)は、昼寝中に呼気から感染が広がった可能性があることが判明しました。園では子どもたちの手指消毒や窓開けの換気、アクリル板の設置などの感染症対策を徹底していました。しかし、感染者から出たエアロゾルが、昼寝時に使用していた扇風機の風圧によって園児たちが寝ている低い位置に運ばれたことが原因だと推定されたそうです。

参考:保育園集団感染 昼寝中に拡大か 電通大調査 換気を助言|産経新聞記事

 

接触感染や飛沫感染に対する基本的な感染症対策を徹底しているつもりでも、パーテーションの設置位置や風向き、換気の方法によってはエアロゾル感染の拡大が引き起こされることもあります。そのため、エアロゾル感染には適切な対策が必要です。

 

 

 

 

保育園のエアロゾル感染対策は大丈夫?セルフチェックのポイント

 

マスクによる感染予防の徹底が難しい保育施設では、自然換気・機械換気・空気洗浄の3つを複数組み合わせた多重防護の実現が重要です。また下記は、保育施設における感染症対策のセルフチェックリストです。見落とされている箇所がないか、あらためて確認をしてみましょう。

 

1 24時間機械換気のスイッチがオフになっていませんか?
2 空気清浄機の空気取り入れ口が壁面などにくっついていませんか?
3 空気清浄機の風量の設定が自動になってはいませんか?
4 CO2センサーが粗悪品ではありませんか?
5 CO2センサーの設置場所は窓や換気口のそばではありませんか?
6 消毒用アルコール濃度が70%以下になっていませんか?
7 消毒用アルコールは適量、乾いた手で使用できていますか?
8 次亜塩素酸の消毒液は遮光ボトルに入れていますか?
9 手拭き用ペーパータオルは接触感染しない工夫ができていますか?
10 感染対策用ビニール手袋などの備品を使い回していませんか?
11 感染性のあるゴミ用のダストボックスには蓋がきちんとついていますか?

 

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感染症対策の基本は必要換気量の確保から

2003年7月改正の建築基準法では、シックハウス対策として機械換気設備が義務付けられました。しかし、新型コロナウイルスをはじめとした感染症対策としては、1時間に2回以上の窓全開による換気を推奨されているのに対して、改正建築基準法では1時間に0.5回以上の機械換気設備しか義務付けていないため、シックハウス対策に基づく換気設備だけでは、エアロゾル感染対策としては不十分といえます。そのため、機械換気設備のある環境においても、自然換気や空気清浄機との併用による必要換気量の確保がポイントです。

その必要換気量を満たしているかを正確に知るためには、一般には専門家による測定や計算が必要とされていますが、ヒトの呼気に多く含まれるCO2ガスを測定することで、誰でも簡単に呼気がどれだけ室内に停滞しているかを可視化することが可能です。そこで換気の目安を知る手段として、CO2センサーを導入することがおすすめだといえます。ただし、粗悪品も多く出回っているので、信頼できる販売店で「NDIR方式」のものを選ぶとよいでしょう。

厚生労働省が推奨するCO2濃度1000ppm以下を基準に、適切な換気を行い、常に施設内の空気環境を整えていくことが大切です。

 

 

感染症の特徴を理解し、感染リスクを可視化しよう

 

今回は、電気通信大学の石垣陽・特任教授が発信している動画コンテンツ「保育園の換気対策!2022年度保存版」をもとに、保育園におけるエアロゾル感染の特徴と感染対策のセルフチェック項目についてまとめました。

新型コロナウイルス感染症の対策に限らず、園内でのさまざまな感染症やクラスターのリスクを抑えるには、日頃から適切な換気を行い、意識を高めておくことが重要です。ぜひ職員同士で園内の改善箇所を可視化し、協力して対策をすすめていきましょう。

 

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国立大学法人 電気通信大学 石垣陽特任教授

YouTubeチャンネル

https://www.youtube.com/@safety-first

研究室サイト・人類のためのデザイン研究室

https://www.design4humanity.com/

 

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