溶連菌感染症とは? 症状や注意点、出席停止期間などを解説

毎年、春から夏にかけてと、冬の季節に年間で2回のピークがあり、園児や小学生など子どもを中心に流行する「溶連菌感染症」。感染力が高いうえに繰り返しかかることもあるため、子どもの感染には不安のある保護者も多いことでしょう。溶連菌に感染すると保育園や幼稚園、学校はどのくらいの期間休む必要があるのでしょうか?

この記事では、溶連菌感染症に子どもがかかった際の主な症状や注意点、出席停止期間などについて解説します。

 

 

溶連菌感染症とは

 

溶連菌感染症とは、溶血性連鎖球菌と呼ばれる細菌が引き起こす感染症のことです。

溶連菌にはいくつかの種類が存在しますが、一般によく知られているのが「A群β溶血性連鎖球菌」で、上気道炎や咽頭炎などの感染を引き起こします。

5~15歳の子どもに発症することが多く、飛沫や接触による感染力が高いため、保育施設や学校、家庭内で流行しやすいといわれています。2~5日ほどの潜伏期間を経て発症し、いろいろな症状を引き起こすことで知られていますが、抗生剤の服用で速やかに治療が可能です。また、症状を和らげるお薬だけを使用する対症療法を行うこともあります。

 

稀に溶連菌感染症のなかでも、「劇症型溶連菌」に感染すると、急激な症状の悪化による多臓器不全に陥る場合があり、死亡率も30%と跳ね上がるため注意が必要です。保育施設や学校などで感染症が流行している場合や、いつもと様子が違うなど気になる症状が見られる際には、自己判断をせずに、病院で診察してもらうようにしましょう。

 

 

溶連菌感染症の主な症状とは

 

溶連菌感染症にかかった際によく見られる症状は次のとおりです。

  • 38~39℃の発熱
  • のどの痛み
  • イチゴ舌(舌の表面に赤くブツブツしたものがみられる)
  • 発疹
  • 扁桃腺や首のリンパ節の腫れ
  • 全身の倦怠感
  • 吐き気

 

よくある風邪症状との見分け方としては、熱や咽頭通があっても咳や鼻水が出ないことが多いという溶連菌感染症の特徴があります。3歳未満の乳幼児では、見た目には典型的な症状があまり出なかったり、本人がのどの痛みを訴えられず泣き叫んだりするなどのみで、感染していることに気付きにくいというケースもあります。

 

 

溶連菌感染症は合併症に注意

 

溶連菌は感染後、重大な合併症を引き起こす可能性もある病気です。一時的な解熱やのどの痛みの緩和のみで安心するのではなく、経過観察や治療をしっかり行いましょう。

注意すべき合併症には次のものがあげられます。

 

  • 急性糸球体腎炎 …足などにむくみが起こり、黒っぽい血尿が出る。
  • リウマチ熱 …発熱や関節炎のほか、心臓や血管の炎症や神経への影響がある。

 

処方された抗生剤を飲みきらずに服用をやめてしまったり、治療せずに放っておいたりすると再発や合併症を引き起こす可能性があります。処方された抗生剤は決められた回数、日数で確実に内服することが大切です。

また、症状が改善した後、2~3週間後に尿検査を行い、尿に血液や蛋白が混じっていないか検査することで、溶連菌感染症の完治を確認することも可能です。

 

 

子供が溶連菌感染症にかかってしまったら

 

重症化やまわりの人への感染を防ぐためにも、病院で抗生剤を処方してもらい、しっかりと治療しましょう。検査方法はいくつかありますが、のどの粘膜を軽くぬぐって溶連菌が存在するか調べるのが一般的です。検査結果もすぐにわかるので、症状と組み合わせて総合的に診断されます。

抗生剤の服用を始めると2~3日すれば熱が下がり、のどの痛みなどの諸症状は和らいできます。発疹が出た場合は、治まった後、徐々に手足の指先から皮が剥けはじめることもあります。

症状が出ている間は、のどの痛みなどで食欲がない場合も多いでしょう。熱いものや冷たすぎるもの、すっぱいもの、辛いものなど、のどに刺激を与えるものは避けましょう。のどごしの良いゼリーやヨーグルト、消化の良いお粥や茶わん蒸しなどもおすすめですが、食べることがつらい場合は水分だけでも摂るようにしてください。入浴は熱が下がれば問題ありません。

 

 

登園・登校再開の目安は?

では、幼稚園・保育園や学校にはいつから行っていいのでしょうか。

日本小児科学会の解説によると、「適切な抗菌薬による治療開始後 24 時間以内に感染力はなくなるため、それ以降、登校(園)は可能である。」と記されています。治療開始後24時間とありますので、少なくとも受診した当日と翌日は登園・登校を控えましょう。それ以降は子どもの全身状態をみながら判断すべきですが、施設によっては許可書や証明書が必要な場合もあるため、通園・通学先に確認してください。

 

参照:学校、幼稚園、認定こども園、保育所において予防すべき感染症の解説(2023年5月改訂版)|日本小児科学会

 

 

家庭内での感染対策

 

溶連菌感染症は繰り返しかかる病気で、大人にも感染します。症状としては咳や鼻水はないとされていますが、日常生活の中で出るくしゃみや咳よる近くの人への飛沫感染や溶連菌に汚染されたモノや食品に直接触れることによる接触感染もあり、生活を共にする家庭内は特に注意が必要です。家庭内に感染者がいる場合には、マスクの着用や定期的な換気を行い、食器や生活用品の共有を避けましょう。

また、手洗い・うがいの徹底は感染症予防にも効果的です。基本的な感染症対策は、日常的に欠かさないようにしましょう。

 

 

子どもが症状を訴えたらすぐに医療機関を受診しよう

 

溶連菌感染症は感染力が高いものの、早期発見と治療開始することで、重症化や合併症のリスクを下げ、また周囲への感染も防げます。のどの痛みや急な発熱、リンパの腫れなどの症状がみられたら、できるだけ早く病院へ行きましょう。その際、学校や保育施設への連絡も忘れないようにしましょう。

家庭ではもちろん、保育施設や学校などでの集団感染を防ぐためにも、一人ひとりの意識向上と基本的な感染症対策が欠かせません。感染症対策には、換気も有効な手段の一つで、室内の空気環境を見直してみることもおすすめです。

 

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