新型コロナウイルス感染症拡大によって、さまざまな除菌剤が使われるようになりました。代表的なものは、次亜塩素酸水や次亜塩素酸ナトリウム水溶液が挙げられます。この2つは名前がよく似ていますが、まったく別の特徴を持つ物質です。違いを理解せずに使用すると、健康被害を引き起こす場合もあるため注意が必要です。
ここでは、次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウム水溶液の使い方と危険性について解説します。
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次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウム水溶液の使い方
次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウム水溶液は、ともに次亜塩素酸という言葉が使われているため、混同しやすくなっています。まずは、両者の違いについて把握しておきましょう。
次亜塩素酸水
次亜塩素酸水は、次亜塩素酸が主成分の酸性水溶液です。塩酸や塩化ナトリウム(食塩)水溶液を電気分解することで作られ、用途によって強酸性、弱酸性、微酸性に分けられます。
ものの除菌に使われることが一般的で、手指の消毒には使いません。
次亜塩素酸水を使用する箇所としては、テーブルや椅子、ドアノブなどが適しています。使用する際には、あらかじめ目に見える汚れを落とすようにしてください。除菌用アルコールのように少量を吹きかけるだけでは効果がないため、表面を次亜塩素酸水でしっかり濡らし、20秒以上時間を置いてから拭き取ります。
次亜塩素酸ナトリウム水溶液
次亜塩素酸ナトリウム水溶液は、次亜塩素酸ナトリウムを水で希釈したものです。洗濯やキッチン周りの消毒に使われる塩素系漂白剤には、主に次亜塩素酸ナトリウムが使われており、それを水で薄めたものが次亜塩素酸ナトリウム水溶液だと考えればわかりやすいでしょう。次亜塩素酸ナトリウム水溶液は、非常に強いアルカリ性となっています。
家庭やオフィスで消毒用として使う場合は、濃度0.05%の希釈液を使用するのが一般的です。500mlのペットボトルにペットボトルのキャップ1杯(5ml)の塩素系漂白剤を入れ、水をペットボトルいっぱいに入れると、濃度0.05%になります。
また、次亜塩素酸ナトリウム水溶液を使用する場合、金属製品はさびたり変色したりすることがあるので注意が必要です。予め目に見える汚れを落としておきましょう。
使用時にはゴム手袋を着用し、タオルや数枚重ねたペーパータオルに次亜塩素酸ナトリウム水溶液をつけて対象物を拭きます。安全性を考慮して、その後は水拭きすることをおすすめします。
次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウム水溶液の危険性
次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウム水溶液は除菌効果があるものですが、人体にも影響を与えることがあるため、使用の際には十分注意する必要があります。ここでは、それぞれの危険性と注意点について解説します。
次亜塩素酸水の危険性
次亜塩素酸水を除菌のために拭き掃除で使用する場合は、塩素濃度80ppm以上で使用します。汚れがひどい場合は有効塩素濃度200ppmを推奨します。しかし、この濃度の次亜塩素酸水は、肌や粘膜にダメージを与える可能性がないとはいえません。手指に対しての安全性は確認されていないため、手指の除菌には使わないようにしましょう。ものの除菌に使用する場合も、ゴム手袋を着用してください。
また、次亜塩素酸水を噴霧器や加湿器に入れて空間噴霧するという使い方も、安全とはいえません。空間噴霧により次亜塩素酸水が目に入ったり、吸入して体内に入ったりすると、健康に害を及ぼす危険性があります。そのため、次亜塩素酸水の空間噴霧をするのであれば、人がいないときにしっかり換気をして行ってください。
次亜塩素酸ナトリウム水溶液の危険性
次亜塩素酸ナトリウム水溶液を使用する際は、次亜塩素酸水以上に注意が必要です。次亜塩素酸ナトリウム水溶液は、皮膚や粘膜にダメージを与えます。目に入ると最悪の場合、失明する危険性もあります。
加えて、酸性の洗剤と混ぜると有害な塩素ガスが発生しますので、取り扱いには十分注意しなければなりません。幼児やペットがいる家庭などでは、特に気をつけてください。
なお、次亜塩素酸ナトリウム水溶液に直接ふれないよう、使用する場合はゴム手袋を必ず着用します。密閉された空間などで使っていると気分が悪くなることがあるため、しっかり換気を行うことが大切です。
また、空間への噴霧は決して行わないようにしてください。次亜塩素酸ナトリウム水溶液を吸入してしまうと、健康被害を引き起こすおそれがあります。
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次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウム水溶液は正しく使用しよう
次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウム水溶液は、ウイルスや細菌などに対して除菌効果があるものです。しかし、正しく使用しなければ健康被害を引き起こす可能性もあるため、使い方には注意しましょう。
空間噴霧については、特に気をつけるようにしてください。空気中のウイルス除去を行うには、次亜塩素酸水などの空間噴霧ではなく、空気清浄機や紫外線照射装置の使用をおすすめします。
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