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従業員のメンタルヘルス不調は、本人だけでなく職場や企業全体にも大きな影響を与えます。そのため、従業員のメンタルヘルス対策は、企業にとって大きな課題となっています。では、メンタルヘルス対策のために、企業はどのようなケアを行えば良いのでしょうか。
ここでは、企業でメンタルヘルス対策が必要な理由と予防策のほか、具体的なメンタルヘルス対策の方法について解説していきます。
企業でメンタルヘルス対策が必要な理由
メンタルヘルスとは心の健康という意味で、従業員のメンタルヘルスを良好に保つことは、企業にとって非常に重要です。その理由としては、主に下記の3つが挙げられます。
メンタルヘルス不調による退職を防げる
メンタルヘルス不調によって従業員が長期休業したり退職したりすると、企業にとっては大きなマイナスです。これまで一緒に働いてきた大切な仲間を失うとともに、その従業員の担当していた業務がストップして効率が低下し、さらに欠員を補充するまでの対応コストもかかってしまいます。
また、退職者の後任として新たな雇用が必要になると、採用コストなども発生します。早い段階で適切なメンタルヘルス対策がとれれば、このようなリスクが防げる可能性も高くなります。
従業員の安全と健康を守ることができる
従業員がメンタルヘルス不調に陥った場合、業務上の事故やトラブルを招く可能性も高くなります。場合によっては、ほかの従業員にまで影響を与える事態にもなりかねません。また、企業の不適切な対応で従業員がメンタルヘルス不調になってしまうと、労災や民事訴訟につながる可能性も考えられます。
適切にメンタルヘルス対策を行うことで、思わぬ事故やトラブルを未然に防ぎ、従業員が安全に、かつ健康に働くことの出来る環境を整えていけるでしょう。
生産性や創造性を向上させられる
従業員のメンタルヘルス不調は、モチベーションの低下に直結します。仕事への意欲が薄れると能力を十分に発揮することができず、生産性や効率、創造性が落ちてしまいます。新しいことに挑戦しようという前向きな気持ちも失われるため、イノベーションを生み出すことも難しくなるでしょう。
企業が適切なメンタルヘルス対策を行い、従業員のメンタルヘルス不調を防ぐことができれば、職場全体のモチベーションアップや生産性、創造性の向上を図れます。
メンタルヘルスの3つの予防策
企業のメンタルヘルスの取り組みとして、状況に応じた予防策が必要になります。ここからは、企業が行うべきメンタルヘルスの3つの予防策について見ていきましょう。
メンタルヘルス不調の予防
従業員のメンタルヘルス不調が起こらないようにするためには、予防が大切です。ストレスマネジメント研修やストレスチェックなどを活用して、職場全体のメンタルヘルスに対する意識を高めていきましょう。
また、職場の人間関係や業務環境、業務量などが適切でないと、メンタルヘルス不調を招く要因になるとされています。従業員のストレス要因を把握して職場環境の改善につなげ、メンタルヘルス不調を未然に防ぐ必要があります。
早期発見
企業のメンタルヘルス対策は、早期発見・早期対応がカギになります。相談窓口の設置や産業医との面談など、従業員が相談しやすいような環境を整えることをおすすめします。内部だけでなく外部の支援窓口との連携なども効果的です。
また、メンタルヘルス不調の兆候に早く気づくには、職場の管理者などが日常的に従業員の相談に対応することも大切です。従業員の様子がいつもと違うと感じたら、できるだけ早い段階で適切なケアにつなげる必要があります。
復職支援体制の整備
従業員がメンタルヘルス不調で休職してしまった場合に職場復帰しやすい体制を整えておくことも、メンタルヘルス対策として大切な取り組みのひとつです。産業医や産業保健師といった専門家との面談や、復職支援プログラムの整備など、安心して職場復帰できるようなサポートを行いましょう。
復職支援体制をしっかり整えておかないと、メンタルヘルス不調が従業員の退職につながってしまうかもしれません。
厚生労働省が提唱する4つのメンタルヘルスケア
厚生労働省では、企業の基本のメンタルヘルスケアとして、下記の4つのケアを継続的かつ計画的に行うことが重要としています。各メンタルヘルスケアについて解説します。
■4つのメンタルヘルスケア
セルフケア
セルフケアとは、従業員自身がストレスに気づき、軽減できるように対処することです。従業員がストレスやメンタルヘルスに対する理解を深め、正しく対処できるよう、企業は研修や情報提供などの支援を行う必要があります。
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ラインによるケア
ラインによるケアとは、上司など職場の管理監督者にあたる人が部下に対して行うメンタルヘルスケアです。メンタルヘルス対策の中で、管理監督者は重要な役割を果たします。
例えば、職場環境の把握や改善、部下からの相談対応、メンタルヘルス不調に陥った従業員の職場復帰支援などが、管理監督者の対応として求められます。
事業場内産業保健スタッフ等によるケア
事業場内産業保健スタッフ等によるケアとは、産業医や衛生管理者、産業保健師など、メンタルヘルスの専門知識を持つスタッフによるメンタルヘルスケアのことです。これらの専門スタッフは、具体的なメンタルヘルスケアの企画立案を行うと同時に、セルフケアやラインによるケアが効果的に実施されるようにサポートします。
事業場外支援によるケア
事業場外支援によるケアとは、医療機関や地域の産業保健総合支援センターといった外部の専門機関によるメンタルヘルスケアです。従業員が社内での相談を望まない場合や、医療面のサポートが必要な場合などは、事業場外支援によるケアが効果的です。具体的な対策としては、情報提供や助言などを行う外部サービスの活用や社外ネットワークの形成、職場復帰支援などが挙げられます。
企業での具体的なメンタルヘルス対策
企業でメンタルヘルス対策を実施しようとしても、具体的に何をすれば良いのかわからないことがあるかもしれません。企業のメンタルヘルス対策では、下記のような取り組みを進めていくといいでしょう。
メンタルヘルスに関する情報共有
企業でのメンタルヘルス対策として、メンタルヘルスに関する教育研修や情報提供を行い、従業員自身のメンタルヘルスに対する理解を深めることが大切です。従業員や管理監督者、事業場内産業保健スタッフなど、それぞれの立場に応じた情報提供を行うことで、「セルフケア」「ラインによるケア」「事業場内産業保健スタッフ等によるケア」の促進にもつながります。
職場環境の改善
従業員のメンタルヘルスは、職場環境に大きく影響されます。パワハラやセクハラといった職場内ハラスメントをはじめ、労働時間や仕事量、人間関係など、さまざまな要因がメンタルヘルス不調を引き起こすきっかけになります。管理監督者が部下の状況を把握して問題点の改善を図ることで、効果的なメンタルヘルス対策を行うことが可能です。
相談窓口の設置
メンタルヘルス不調とその悪化を防ぐには、従業員が自発的に相談できる環境を用意することが大切です。メンタルヘルスに関する相談窓口を設置するなど、社内の産業医や衛生管理者によるサポート体制を整えましょう。さらに、社外の専門家からも支援が受けられる仕組みを構築できれば理想的です。
ストレスチェックの実施
従業員数が50人以上の事業場は、最低でも年に1度のストレスチェックが義務づけられています。従業員数50人未満の場合は努力義務ですが、職場環境を改善するためには実施したほうがいいでしょう。ストレスチェックを実施すると、従業員が自身のメンタルヘルス状態を把握できるようになるため、セルフケアを行うきっかけにもなります。
従業員のウェルビーイングには可視化で予防対策を
従業員のメンタルヘルス対策は、企業にとって非常に重要だといえます。心の健康状態は、表面に見えにくく本人でも気づきにくいことがあるため、定期的かつ俯瞰的な対策を行っていくことで、いち早く適切なケアにつなげることができるでしょう。また、企業が従業員の心身の健康を支えていくためには、職場環境を整えていくことも重要です。
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