室内の空気を入れ換える換気について知っておきたい基礎知識

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暑い季節や寒い季節は、つい部屋の窓を閉めたままでエアコンをつけっぱなし…という状態になりがちです。しかし、一日中窓を閉め切っていたままでは、人にも住まいにもいい影響を与えません。

ここでは、室内の空気を新鮮な空気へと入れ換える換気の必要性と、換気を行う上でのポイントのほか、季節ごとの上手な換気方法について解説します。

 

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換気はなぜ必要?

 

感染症対策の一環として、換気が推奨されていますが、換気が必要なのはそのためだけではありません。換気には主に、下記のような役割があります。

 

 

二酸化炭素の排出

 

人は常に空気中の酸素を吸って二酸化炭素を出しているので、部屋を閉め切った状態だと、室内の二酸化炭素濃度が徐々に上昇していきます。二酸化炭素濃度が高まると、息苦しさや眠気、思考力低下などの症状につながることも。室内に溜まった二酸化炭素を排出し、酸素を含んだ新鮮な空気を取り込むためには換気が必須です。

 

 

シックハウス症候群の予防

 

シックハウス症候群とは、建材から出る化学物質や、室内空気汚染による健康への影響の総称です。めまいや吐き気、喉の乾燥、咳、じんましんといった、さまざまな症状が現れます。汚れた空気を換気によって入れ換えることは、シックハウス症候群を予防することにもつながります。

 

 

湿気の除去

 

室内の湿度が高いと、ダニやカビの繁殖や、結露の発生もしやすくなります。換気により溜まった湿気を外へ逃がすことは、簡単にできる湿気対策です。

 

 

においを逃がす

 

閉め切った部屋では、においがこもりやすくなります。換気することで室内に溜まった嫌なにおいを外に出し、新鮮な空気と入れ換えて快適な環境を作ることが可能です。

効率良く換気を行うために知っておきたいポイント

 

換気には、窓やドアを開けて行う「自然換気」と、換気扇などの換気システムを使う「機械換気」の2つの方法があります。両方を組み合わせて行うことで、効率良く換気を行うことができますが、そのほかにも知っておきたい換気を行う際のポイントについてご紹介しましょう。

 

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換気に適した機器について知っておく

 

誤解されている方もいますが、一般的なエアコンに換気機能はありません。

エアコンは、室内の空気を取り込んで、熱交換器を通して空気を温めたり冷やしたりした後に部屋の中に戻す仕組みとなっています。外から空気を取り込んだり、室内の空気を外へ出したりする機能はないので、換気をするにはほかの機器を使用したり、窓を開けたりする必要があります。

 

住宅の場合、2003年7月以降に建てられた建造物であれば、換気口と24時間換気システムが備えられています。オフィスや店舗の場合は、建物の用途や規模に合わせた換気システムが備わっているので、まずはそれらを正しく使うのが基本です。

吸気口や排気口の位置を確認し、家具を配置する際には、これらをふさいでしまわないように気をつけましょう。また、換気口のフィルターが汚れていると換気能力が低下するため、定期的な清掃が必要です。

 

なお、店舗やオフィスのエアコンの中には、エアコンと換気システムが連動しているタイプがあります。この場合は、エアコンをつけていれば自動で換気ができますが、エアコンを切ると換気も止まってしまいます。春や秋など、エアコンを使わない時期は、「換気モード」で運転しておきましょう。

 

 

換気の目安

 

2003年7月以前に建てられた建造物などの場合や、換気システムと併用する場合、窓を開けて行う換気は、1時間に5~10分程度が目安です。

なお、1時間に1回、10分間換気するよりも、30分に1回5分間換気するほうが換気の効果は高いため、短時間でもできる限りこまめに換気するようにしましょう。

また、換気は、湿度の低い時間帯に行うと特に効果的です。春から夏は12~16時、秋から冬は12~14時頃ですと湿度が低く、換気に適した時間帯になります。

 

 

 

 

空気の通り道を作る

 

自然換気の場合でも機械換気の場合でも、大切なのは空気の通り道を作ること。自然換気の場合は、離れた2ヵ所以上の窓やドアを開けるのが基本です。開ける窓やドアは、対角線上の2ヵ所を選びます。

近い窓同士やドアを開けた場合は、そのあいだしか空気が移動しないため、換気効率は悪くなってしまうので注意が必要です。

 

部屋に窓が1ヵ所しかない場合は、ドアを開いた上で、部屋の中央から窓側に扇風機やサーキュレーターを窓の外に向けて設置します。こうすることで、ドアから窓に向けて空気の通り道を作ることができます。

部屋に窓がない場合は、ドアを開けた上で、近くの部屋の窓を開けて換気扇をつけましょう。住宅であれば、台所や浴室、トイレの換気扇が利用できます。その上で、窓のない部屋の中にドアに向けて扇風機やサーキュレーターを設置すれば、効率良く室内の汚れた空気を外に出すことができます。

 

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窓の開け方にも工夫を

 

自然換気で窓を開ける際には、全開にするのが最も換気効率がいいように思えます。しかし、実際はそうではありません。

空気などの気体は、狭い隙間を通ったほうが勢い良く入り、広い隙間のほうがスムーズに出ていくという性質があります。このため、空気を取り込む側の窓は細く開け、空気が出ていく側の窓を広く開けると効率良く換気することができるのです。

 

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季節ごとの換気の方法とは?

 

季節に合わせた換気方法を知ることで、快適さを損なうことなく効率的に換気ができます。季節に適した換気の方法について紹介しましょう。

 

 

花粉シーズンの換気

 

花粉シーズンの場合、日中に換気を行うと室内に花粉が入ってきてしまう可能性があります。そのため、窓を開ける隙間を10cm程度に細くし、レースのカーテンを引いたり、気温が上がる前の早朝に換気を行ったりするのがおすすめです。

室内に入った花粉は、壁際に集まります。花粉が溜まりやすい窓辺や壁際はこまめに掃除機をかけたり、濡れタオルで拭いたりして、花粉が室内で舞ってしまうのを防ぎましょう。空気清浄機を使う場合は、換気する窓の正面の壁際に設置すると、最も効率良く花粉をキャッチすることができます。

 

 

夏場の換気

 

夏場に窓を開けて外の空気を取り込む際には、エアコンをつけたまま設定温度を少し下げて換気を行えば、急な室温上昇もなく快適に過ごすことができます。

ただし、外から室内に入ってくる高温の空気をエアコンが直接吸い込むと、エアコンに負荷がかかり、電気代の上昇にもつながります。できる限りエアコンから離れた窓を開けるようにしましょう。

 

 

冬場の換気

 

室内の空気が冷たい場合は、まず暖房を入れてある程度部屋を暖めてから換気を行うのがおすすめです。寒さを我慢しなくていいので快適に過ごせますし、室温とエアコンの設定温度の差が大きく開かず、エアコンに負荷かがかからないため、電気代の上昇にもつながりません。

暖かい空気は冷たいほうへ逃げようとするので、冬場は小さく窓を開けるだけでも空気が流れやすくなります。通常、換気にかける時間は1時間に5~10分が目安ですが、夏場よりも短時間で換気ができるので、5分以下の換気でも効果的です。

なお、冬場の場合も、エアコンから出た暖かい空気が窓から出ていかないように、換気の際はできるだけエアコンから離れた窓を開けるようにしましょう。

 

 

室内の空気環境を意識しよう

 

正しい換気方法を知ることで、換気の効率は飛躍的に高まります。室内の空気環境を良い状態に保つことは、健康の維持や仕事の能率アップにもつながりますので、ぜひポイントを押さえてこまめな換気を実践してみてください。

株式会社UPDATER ( 旧 みんな電力株式会社 )では、空気環境を可視化し、データの分析・通知・アフターサポートまで行うクラウドサービス「MADO」を提供しています。「MADO」は、オフィスや店舗の空気中に含まれる二酸化炭素やPM2.5、揮発性のガスといった物質を計測し、クラウドに送信。事業者のコンピューターやタブレットなどのデバイスに表示し、その空間の空気がどのような状態なのかを可視化できるため、換気やその他状況に応じた対策を行うことが可能です。

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