今求められるウェルビーイング経営とは?注目の理由と取り組み例

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ウェルビーイング、あるいはウェルビーイング経営というワードを目にする機会が増えています。ウェルビーイングとは、働く人々の心身の健康を軸とした、新しい形の「幸福」を表す言葉です。

ここでは、ウェルビーイング経営の概要と今注目されている理由、メリットについて解説します。企業による取り組み例もご紹介しますので、参考にしてみてください。

 

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ウェルビーイングとは?

 

ウェルビーイング(well-being)とは、「身体的・精神的・社会的に良好な状態」を示す概念です。シンプルな翻訳では、「幸福(な状態)」「健康(な状態)」という表現が使われます。

 

世界保健機関(WHO)憲章の前文に次のような一節があり、ウェルビーイングの意味を理解するためによく参考にされています。

 

“健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態(well-being)にあることをいいます“(訳:公益社団法人日本WHO協会)

 

ウェルビーイングと似た言葉には、ハピネスやウェルフェアがあります。

 

・ハピネス

ハピネスは「幸福」「幸せ」と訳されます。ウェルビーイングとの違いを強調するなら、ハピネスは「うれしい」という意味も含む、瞬間的な幸せな気持ちを表す言葉です。

これに対してウェルビーイングは、持続的かつ多面的な幸せを表します。

 

・ウェルフェア

ウェルフェアも、「幸福」という意味を含んでいますが、福祉事業からの幸福という意味合いが強くなります。そのため、企業においては、「福利厚生」に相当する部分といえるでしょう。社会的な幸福を目指し、それを実現するための手段のひとつとして整備するのが、ウェルフェアです。

ウェルビーイング経営が注目されている理由

 

近年、先進的な企業の多くがウェルビーイングを向上させるための「ウェルビーイング経営」に取り組んでいます。ウェルビーイング経営が注目されている理由を3つ挙げて説明します。

 

 

働き方改革の実現が目指せる

 

2019年4月からスタートした働き方改革は、「労働時間の適正化」「公正待遇の確保」「多様な働き方の実現」などを柱とする一億総活躍社会実現に向けた取り組みです。テレワークの推進も柔軟な働き方を推し進める方法のひとつとして想定されています。

 

働き方改革のベースにある考え方は、ウェルビーイングの考え方と共通点を持っています。従業員が、心身とともに社会的にも健康かつ幸福な状態であることで、仕事にもプライベートにも充足感をもって臨むことが可能です。企業もまた、従業員(経営層も含む)のウェルビーイングを維持することで、健全な経営と成長戦略を推進できるでしょう。

 

 

価値観の多様性を取り入れられる

 

ダイバーシティという言葉が知られるようになり、性別や人種、宗教、障害、ライフスタイルなどにとらわれない、多様な価値観を認めようという動きが活発化しています。多くの企業も、各人の差異にとらわれない積極的な採用や、差別のない処遇を実現する試みを進めています。社内の同じ環境内で多様な価値観を持つ人々がのびのびと働けるようになれば、そのこともまたウェルビーイングの向上と拡充に結びつくでしょう。

 

人々が企業に求めるのは、給与や昇進、福利厚生ばかりではありません。多くの人がありのままの自分として存在し、能力を発揮できるようになれば、社会全体がもっと楽しく豊かな世界へと成熟していくと考えられています。

 

 

人材の充実が期待できる

 

年功序列や終身雇用など、かつての枠組みが崩れて人材の流動化が進み、少子高齢化の進行に伴って人材不足も深刻化しています。企業は人材確保のためにも、ウェルビーイングの考え方を自社の方針に取り入れようとしています。

従業員満足度や従業員エンゲージメントが重要視される中、ウェルビーイングはさらにその先の、生活や人生をも含んだ幸福の在り方を提案しています。企業がウェルビーイングに対して真摯に向き合うなら、結果として従業員の満足度は向上し、人材確保に大きな効果をもたらすでしょう。

 

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ウェルビーイング経営のメリット

 

ウェルビーイング経営は、働き方改革や価値観の多様性、そして人材確保にまで影響を及ぼす可能性があります。それでは具体的に、企業にどのようなメリットをもたらすのか、見ていきましょう。

 

 

従業員のモチベーションアップ

 

従業員が身体的・精神的・社会的に良好な状態になれば、快適な働き方ができるようになり、社内コミュニケーションが活発化し、仕事と生活の調和(ワークライフバランス)も実現します。社内の健全な競争も活性化するでしょう。

これらの要素はすべて、従業員のモチベーションアップ、パフォーマンスアップにつながります。反対に、従業員が幸福感を得られないような企業では、個人が十分に能力を発揮することはできません。

ウェルビーイングは一見、労働者の利便性を図るためだけの考えに感じられますが、実際には組織力強化や生産性向上に大きな効果をもたらすフレームワークでもあるのです。

 

 

従業員の帰属意識の向上

 

ウェルビーイングへの取り組みが、人材確保につながることはすでに述べました。しかし、人材をひとつの企業に定着させ続けることにこだわらず、社会全体に貢献させるつもりでいることで、働き方の多様性を求める声とマッチし、企業への帰属意識の向上も期待できます。

ウェルビーイングは企業で働く人に対して、給与だけでは与えられない、社会貢献という高い付加価値をもたらします。

 

 

企業ブランドの向上

 

ウェルビーイングはグローバルなトレンドでもあります。しかし、世界的に見ると日本におけるウェルビーイングの取り組みは、先進諸国の中で最も遅れているレベルといわざるをえません。ウェルビーイングが一過性のものではなく持続的に必要となる価値観であるからこそ、ウェルビーイングにいち早く対応することは、企業ブランドを高める施策のひとつとなり、戦略的に企業としての価値を高める手段としても活用できるのです。

 

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ウェルビーイング経営の取り組み例

 

最後に、ウェルビーイング経営の具体的な取り組みについてご紹介します。メンタルヘルス対策、長時間労働対策、コミュニケーション活性化などいくつかの方法が考えられますが、ここでは2つのポイントを取り上げます。

 

 

健康増進活動の推進

 

健康増進活動の推進は、ウェルビーイング経営の中でも中心となる取り組みです。定期健康診断は当然のこととして、このほかに法定検診以外の補助、予防接種、健康相談窓口の設置などが考えられます。

 

ある企業では、健康経営に関する基本方針を定めて、各部署にリーダーを配置しています。

身近にリーダーを配置することで、数値やデータだけでは測りきれない要素も肌で感じ取って、最適な対応ができるような体制を整えているのです。また、メンタルヘルスケア、社員食堂を活用した食育活動、非喫煙者率の向上活動、がん対策など、幅広い活動を行っています。

そのおかげで、健康に関するさまざまな呼びかけや相談受付が可能となっているようです。

 

 

ダイバーシティやインクルージョンの推進

 

ダイバーシティやインクルージョン(多様な人々が互いに認め合い受け入れ合うこと)の推進も、ウェルビーイング経営の一環と捉えることができます。

 

女性、外国人、LGBTといった多様な人材を積極的に採用しているある企業では、それぞれの立場に対応する働きやすい環境を整えています。

例えば、子育て中の女性には、短時間勤務制度を導入して柔軟な働き方ができるよう取り計らっています。外国人スタッフ向けには、年1回の里帰り旅費を支給し、日本語ができる場合でも、日本人スタッフとの打ち合わせや会議には、必ず通訳ができる社員を同席させるなどの対応を行っています。

また、定期的な面談を行うことで何か問題が起きていないか、要望がないかなどのヒアリングも行っているということです。

 

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ウェルビーイング経営で従業員の心身の健康を考える

 

日本でも、ウェルビーイング経営に取り組んでいる企業は着実に増えています。今後、ウェルビーイングが、職場の環境づくりのスタンダードになっていくでしょう。

また、ウィズコロナ時代における従業員の心身の健康を考えるなら、職場の空気環境対策に取り組むことも大切です。ストレスの軽減やリラックス効果による各人のパフォーマンスの向上、集中力や意思決定力に適した環境を整備することは、従業員・企業のいずれにとっても有益な要素となるでしょう。そのためにも、具体的に空気環境の改善が可視化できるシステムの導入をおすすめいたします。

 

株式会社UPDATER(旧社名:みんな電力株式会社)のエアテック事業「みんなエアー」では、安心して業務に集中できる労働環境を日本中に広めるべく、ネット上で空気を見守るクラウドサービス「MADO(マド)」を提供しています。「MADO」は、オフィスや店舗の空気中に含まれる二酸化炭素やPM2.5、揮発性のガスといった物質を計測し、クラウドに送信。子供にもわかりやすい画面をタブレットなどに表示し、みんなで空気の状態を把握することができます。管理者用のPC画面で複数店舗の空気質履歴の一括管理も可能であるため、換気や状況に応じて、さらなる空気環境の改善対策に活用できます。

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