ノロウイルスの感染経路別予防方法を、冬になる前に知っておこう!

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ノロウイルス感染症は、毎年冬に多くの人がかかります。赤ちゃんから大人まで関係なく感染し、発症すると下痢や嘔吐、発熱、腹痛といったつらい症状が出ますので、しっかりと予防しておきたいところです。

ここでは、ノロウイルスの概要と日本におけるノロウイルス感染症の発生状況のほか、感染経路別の予防方法について解説します。

 

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ノロウイルスの特徴

 

ノロウイルスは、人の小腸粘膜で増殖するウイルスです。以前は、発見された土地の名前から「ノーウォークウイルス」、またはウイルスの形上の分類から「小型球形ウイルス(SRSV)」と呼ばれていましたが、2002年に「ノロウイルス」が正式名称となり、世界共通で使われるようになりました。100個以下という少量のウイルスが体内に入っただけでも発症し感染力も高いため、感染が広がりやすいウイルスです。

 

ノロウイルスにはさまざまな遺伝子型のものがあり、ウイルスが変異して新型が生まれることもあります。そのため、主要な流行株が置き換わり、毎年流行しているのです。

 

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日本におけるノロウイルス食中毒および感染症の発生状況

 

ノロウイルスが原因の病気は、食中毒と感染性胃腸炎の2つです。ノロウイルスを含む食べ物・飲み物を摂取したことで下痢や嘔吐、発熱などの症状が出た場合は「ノロウイルス食中毒」、食べ物や飲み物以外の形でノロウイルスが体内に入ったことで、下痢や嘔吐、発熱などの症状が出た場合は「ノロウイルス感染症」に分類されます。

 

 

ノロウイルス食中毒の発生状況

 

厚生労働省が公開しているデータによると、日本におけるノロウイルス食中毒の年別発生状況は、下記のとおりです。

 

■ノロウイルスを病因物質とする食中毒発生状況

出典:厚生労働省「ノロウイルスに関するQ&A

これまで患者数は年間1万人を超えていましたが、最近では減少傾向にあります。2020年の事件数・患者数が特に少ないのは、新型コロナウイルス感染症の流行で感染症への予防意識が高まり、多くの人が感染症の予防行動を実践した結果だと推測されています。

 

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ノロウイルス感染症の発生状況

 

日本でのノロウイルス感染症の発生状況については、厚生労働省が公開しているデータが参考になります。

ノロウイルスによる感染症は、「感染性胃腸炎」にあたります。下記の表はノロウイルスのほか、ロタウイルス、腸管アデノウイルス、細菌、寄生虫など、感染性胃腸炎が原因による発生状況を表したものです。

 

■感染性胃腸炎の過去の定点からの報告数

出典:厚生労働省「ノロウイルスに関するQ&A

 

ノロウイルスの感染経路

 

ノロウイルスの感染経路は基本的に、汚染された食べ物や飲み物の摂取やウイルスが付着した指や器物が口にふれたことなどから体内にウイルスが侵入する「経口感染」です。体内にどのようにして入るかによって、主な感染経路は3つに分けられます。

 

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食品媒介感染

 

食品媒介感染は、ウイルスに汚染された食べ物を生または十分に加熱しない状態で食べたり、汚染された飲み物を飲んだりするケースのことです。また、調理者がノロウイルスに感染しており、その手指についたウイルスが調理中に食品や水を汚染し、この食品・水を食べたり飲んだりして感染した場合も食品媒介感染にあたります。

 

 

接触感染

 

接触感染は、患者の下痢便や吐しゃ物、感染した赤ちゃんのオムツなどを処理後、その手指に残ったウイルスが、手で口をさわったことなどで体内に入ってしまうケースのことです。

手指にウイルスがついた状態でドアノブや手すりなどをさわったことでウイルスが移り、その後ドアノブや手すりをさわった人が手で口をさわった場合のような、物を介して体内にウイルスが侵入するケースも同様です。

 

 

飛沫感染・塵埃感染

 

飛沫感染や塵埃感染は、患者の下痢便や吐しゃ物からノロウイルスを含んだ小さな飛沫が飛び散り、その飛沫が口から入ってしまうケースのことです。

また、床に広がった下痢便や吐しゃ物を処理した際に一部拭き残しがあったようなときは、それらが乾燥して舞い上がり、塵やほこりとなって空気中を漂い、口から入ってしまうケースも含まれます。

 

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感染経路別・ノロウイルスの予防方法

 

ノロウイルスの感染を防ぐには、感染経路別にしっかりと対策をとることが大切になります。具体的な方法には、下記のようなものがあります。

 

 

食品媒介感染の予防方法

 

食品媒介による感染は、約7割が原因となった食品を特定することができていません。ただし、残りの3割において、ノロウイルスに汚染された二枚貝を生や加熱不足のままで食べることで、ノロウイルス食中毒が発生していることがわかっています。牡蠣や大アサリ、シジミ、ハマグリなどを食べる際は、しっかりと火を通すことを心掛けましょう。ウイルスを失活させるには、中心部が85~95℃で90秒間以上の加熱が必要とされています。

 

食品媒介感染で特に多いのは、ウイルスに感染した人が調理に携わることで食品が汚染され、それを食べた人がノロウイルス食中毒になるケースです。これを防ぐため、食品加工業者などでは、従業員の健康管理や定期的な検便検査、徹底した料理器具の消毒などを実践しています。

家庭の場合も同様に、調理者からの感染を予防するには、「トイレに行った後、調理を始める前、盛りつけの前などにしっかり手を洗う」「調理器具は使用後すぐに洗剤でしっかり洗い、必要に応じて熱湯で加熱消毒をする」「嘔吐・下痢や発熱、腹痛といったノロウイルスの感染が疑われる症状がある場合は食品を扱う作業はしない」といったことを実践する必要があります。

 

 

接触感染の予防方法

 

接触感染の予防に効果的なのは、こまめな手洗いと消毒です。患者の下痢便や吐しゃ物、感染した赤ちゃんのオムツなどを処理した場合は、石鹸や洗浄剤を使ってしっかりと手を洗ってください。洗浄液をつけて、手の平、指の腹面、手の甲、指の背、指のあいだとつけ根、親指と親指のつけ根、指先、手首と残すところなくしっかり洗った上、流水で流すのを二度繰り返し、ペーパータオルなどで水気を拭き取って、最後にアルコールで消毒するのがおすすめです。

感染者が使った食器類や洗面所などは次亜塩素酸ナトリウム(濃度0.02%)で消毒し、洗剤を使って掃除します。感染者がさわったドアノブや手すりなども、次亜塩素酸ナトリウムを使って消毒します。

 

なお、ノロウイルスはアルコール耐性が強く、アルコールだけでは十分な消毒ができないので、必ず次亜塩素酸ナトリウムか家庭用の次亜塩素酸ナトリウムを含む塩素系漂白剤を使って消毒しましょう。

 

 

飛沫感染・塵埃感染の予防方法

 

飛沫感染の予防には不織布マスクを着けること、塵埃感染の予防には患者の下痢便や吐しゃ物、オムツなどを適切に処理することがポイントです。

下痢便や吐しゃ物を処理する際は、必ず使い捨てのガウンなどを着用の上、乾燥しないうちにペーパータオルなどですべて拭き取り、ビニール袋に密閉して廃棄します(オムツも同様)。拭き取った後は、次亜塩素酸ナトリウムや、塩素系漂白剤を水で希釈した次亜塩素酸ナトリウム水溶液で浸すようにして拭き、最後に水拭きをしましょう。処理した後は窓やドアを開け、十分な換気を行います。

 

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感染力が高いノロウイルスの感染を予防するには、こまめな手洗いなどの日々の心掛けや毎日過ごす場所、利用する場所など、室内空間の空気環境を整えることも対策のひとつです。

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