PM2.5はどこから来る?PM2.5の発生源と対策を解説

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「PM2.5はどこから来る?」という問いに対しては、中国から飛来していると思っている人が大半なのではないでしょうか。その認識は間違いではありませんが、実は国内でもPM2.5は発生しています。場所によっては、中国より飛来したPM2.5よりも、国内由来のPM2.5のほうが、多いこともあります。

ここでは、PM2.5の発生源や、国内外でPM2.5が発生する仕組みについてご紹介します。どのくらいの濃度になると危険なのか、対策についても解説しますのでチェックしてみてください。

 

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PM2.5が注目された経緯

 

PM2.5は、2010年代に中国でのPM2.5による汚染状況が報じられたことと、健康被害が報告されたことによって注目されるようになりました。それぞれについて、詳しく見てみましょう。

 

 

2010年代、中国での高濃度現象が発端

 

2010年代に中国でPM2.5の高濃度現象が発生し、日本でも連日のように報道されていたのを覚えている人も多いでしょう。北京市のPM2.5濃度は、2013年1月12日に時間値の最大が993μg/㎥に達し、当時「深刻な汚染」であると指摘されました。μg/㎥は空気1立方メートルあたりのμg(1μg=0.001mg)数を表し、993μg/㎥は日本での1日平均の環境基準である35μg/㎥の、約28倍です。

北京市が厚いスモッグの雲で覆われた写真が紹介され、「濃霧」のため視界が1,000m以下となり、時には500mを下回るところも少なくないと報じられました。

 

 

PM2.5による健康被害が報告された

 

中国でPM2.5が社会問題化し始めた理由は、大雑把にいえば中国の経済発展によるものです。それに比例して、日本の各所でもPM2.5の濃度測定数値が上昇しました。いわゆる、越境大気汚染(汚染物質が国境を越え、遠く離れた場所で大気汚染を引き起こすこと)が指摘されるようになったのもこの頃です。

 

PM2.5による人体への影響や健康被害についての報告も相次ぎました。PM2.5は直径が2.5マイクロメートル以下と非常に微小なため、肺の奥深くまで達するとされ、PM2.5の濃度が高い水準を保つと、呼吸器疾患(気管支炎、肺気腫など)や心疾患(不整脈、心筋梗塞など)による死亡率が高くなるとされています。

2018年5月2日には、世界保健機関(WHO)がPM2.5などによる大気汚染が世界的に拡大し、肺がんや呼吸器疾患などで年間約700万人が死亡しているというショッキングな発表をしています。

PM2.5はすべて中国から来る?

 

ニュースなどで度々報じられることもあり、PM2.5というと中国から日本にやってくるイメージが強いように思えます。しかし、実はPM2.5は日本国内でも発生しているのです。

 

海洋研究開発機構の地球表層物質循環研究グループ(物質循環・人間圏研究グループ)は、PM2.5について各地域からの発生源寄与率(どこから飛んでくるのか)を調査・分析しています。その結果、2010年の1月から12月のデータをもとにしたシミュレーションによれば、九州では中国からの発生源寄与率が61%で、日本からの発生源寄与率は21%でした。

しかも、関東では中国からの発生源寄与率が39%、日本からの発生源寄与率が51%と、割合が逆転していることがわかっています。

 

■年平均濃度への、各地域からの平均発生源寄与率

 

 

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国内におけるPM2.5の発生源と発生の仕組み

 

国内でもPM2.5が発生しているとなれば、その脅威もより身近なものに感じられるかもしれません。

国内では都市部(特に関東)で多くPM2.5が発生し、発生源は工場、自動車、発電所、ガソリンスタンド、農業・畜産などです。身近なところでは、喫煙や調理でも発生します。

 

一般的にPM2.5は、発生源から直接粒子として排出される一次生成粒子と、大気中で化学反応を起こして粒子化する二次生成粒子の2種類があります。PM2.5の発生の仕組みは次のとおりです。

 

 

 

一次生成粒子

 

一次生成粒子の発生源としては、ボイラーや焼却炉などの煤煙を発生する施設のほか、コークス炉や鉱物堆積場などの粉塵を発生する施設、自動車、船舶、航空機などが挙げられます。さらに、人為的な発生源だけではなく、土壌、海洋、火山などの自然が発生源になることもあります。喫煙や調理、ストーブなども、一次生成粒子の発生源です。

 

 

二次生成粒子

 

二次生成の場合、まず化学反応を起こす物質が大気中に放出され、大気中で紫外線やオゾンと反応してPM2.5が生成されます。このような段階を経た場合のPM2.5が、二次生成粒子と呼ばれます。

化学反応を起こす物質は、火力発電所、工場、自動車といった燃料燃焼により排出される硫黄酸化物(SOx)や窒素酸化物(NOx)のほか、溶剤・塗料の使用時や石油取扱施設からの蒸発、森林などから排出されるガス状の揮発性有機化合物(VOC)など、さまざまです。

 

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PM2.5はどのくらいの濃度になると危険なのか

 

PM2.5が人体に与える影響について気をつけたいのが、大気中の濃度です。まずは、環境基準とされている濃度を把握しておき、次いで注意喚起として定められている濃度を知っておくようにしてください。続いては、健康被害の目安となる、PM2.5の濃度について解説します。

 

 

PM2.5の環境基準は「1日平均35μg/㎥」

 

日本におけるPM2.5の環境基準は「1年平均値が、1立方メートルあたり15μg以下であり、かつ、1日平均値が1立方メートルあたり35μg以下であること」とされています。

 

環境基準とは、環境基本法にもとづいて人の健康を保護する上で維持されることが望ましい基準として設定されています。「1日平均35μg/㎥」が基準と覚えておけばいいでしょう。

ただし、これを超えると直ちに健康に被害が及ぶというわけではありません。

 

 

注意喚起は暫定指針値「1日平均値70μg/㎥」が目安

 

健康に影響が表れる可能性のある基準としては、環境省が2013年2月に設置した「微小粒子状物質(PM2.5)に関する専門家会合」で示された数値が参考になります。同会合では、健康に影響が表れる可能性が高くなると予測される濃度水準として、注意喚起のための暫定的な指針となる値を「1日平均値70μg/㎥」と定めています。

 

ただし、この数値は暫定的な指針となる値であり、今後新たな知見やデータの蓄積などを踏まえ、必要に応じて見直しを行うとされています。子供や高齢者、呼吸器系や循環器系の疾患のある人は、これより低い濃度でも健康に影響が生じる可能性は否定できません。

 

すなわち、「1日平均値70μg/㎥」は、注意喚起のための暫定的な指針値です。1日平均値がこの暫定指針値を超えると予想される場合は、地方自治体などから注意喚起の情報が発せられます。

 

 

アジュバント効果にも注意が必要

 

最近では、PM2.5が黄砂や花粉などと合わさって引き起こされるという、「アジュバント効果」も注目されています。

アジュバント効果とは、PM2.5や黄砂が花粉といっしょに人体に取り込まれると体内でアレルギーを引き起こす抗体の生成が促進され、アレルギー症状を悪化させるというものです。スギ花粉などによる花粉症の患者が、杉が植林されている地方より都市部に多いのは、このためではないかと考えられています。

 

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PM2.5が増えた場合の対策

 

PM2.5が多くなってきたときには、どのような対策が必要なのでしょうか。押さえておきたいポイントをご紹介します。

 

 

注意喚起が出されたときは外出を控え、換気方法を工夫する

 

PM2.5の濃度について、自治体から注意喚起の情報が出されたときの行動としては、下記の2点を守ることが大切です。

 

<PM2.5の濃度が注意喚起の場合>

・不要不急の外出、屋外での長時間の激しい運動をできるだけ減らす

・換気や窓の開閉を最小限にし、屋内への外気の侵入をできるだけ少なくする

 

ほかに、外出時のマスク着用も心掛けるべきです。一般的な不織布マスクも一定の効果がありますが、高性能な「N95」などを使用すれば、より安全性が増すでしょう。N95マスクは0.3マイクロメートル(1μm=0.001mm)の微粒子を、95%以上捕集できることが確認されています。

 

 

屋内では空気清浄機と空気環境モニタリングサービスを活用

 

屋内では、空気清浄機が役立ちます。空気清浄機にも種類がありますが、0.3マイクロメートル以上の粒子を捕集できる「HEPAフィルター」を使用している製品を選べば、大きな効果が期待できます。元々HEPAフィルターは、精密機器や半導体製造工場のクリーンルームの換気装置用に開発されたフィルターで、室内のPM2.5の除去に役立ちます。

 

また、室内の空気環境をモニタリングする装置やサービスも登場しています。オフィス内、店舗内などの空気を清浄に保つには、空気清浄機と空気環境モニタリングサービスの併用が望ましいでしょう。

 

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発生源や健康被害を知った上でPM2.5対策をしよう

 

PM2.5は、中国などからの越境大気汚染だけではなく、国内でも発生しています。呼吸器疾患などの健康被害をもたらすことが報告されており、春先などはアジュバント効果によるアレルギー症状にも気をつけるべきでしょう。マスクや空気清浄機の活用、室内の空気環境の監視などによる対策が求められます。

 

株式会社UPDATER(旧社名 みんな電力株式会社)のエアテック事業「みんなエアー」では、空気環境を可視化し、データの分析・通知・アフターサポートまでを行うクラウドサービス「MADO」を提供しています。「MADO」は、オフィスや店舗の空気中に含まれる二酸化炭素やPM2.5、揮発性のガスといった物質を計測し、クラウドに送信。事業者のコンピューターやタブレットなどのデバイスに表示し、その空間の空気がどのような状態なのかを可視化できるため、換気やその他状況に応じた対策を行うことが可能です。

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