飲食店にとって、新型コロナウイルス感染症対策は、お客様に安心してお店を利用してもらうためのものと考えられがちです。しかし同時に、お客様だけではなく、従業員の安全を守るためのものであることも忘れてはなりません。
ここでは、新型コロナウイルス感染症に関して現状で行っている対策と、これから力を入れるべき対策について、居酒屋チェーンとファミレスを対象とした実態調査をもとに解説します。
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新型コロナウイルス感染症対策2つのポイント
まずは、飲食店が新型コロナウイルス感染症対策を行うとき、基本として守るべき必須事項を2つご紹介します。
ひとつは「感染経路ごとの対策」、もうひとつは「三密を避けること」です。
接触感染、飛沫感染、空気感染を防ぐ
新型コロナウイルス感染症にかからないためのポイントは、「接触感染」「飛沫感染」「空気感染」という3つの感染経路に対して、できる限りの対策を施すことです。
・接触感染
接触感染は、感染者との直接的な接触、または病原体が付着したものを介した間接的な接触によって起こります。
会計処理時のお客様との金銭の受け渡しをはじめ、テーブルやカウンターの拭き取り消毒、スプーン・ナイフ・箸などの口をつける部分を素手でさわらないようにするといった取り扱いにも注意が必要です。トイレを含む店内の清掃・消毒も徹底します。ゴミの処理にも気をつけましょう。
・飛沫感染
飛沫感染は、感染者がせきやくしゃみ、会話をするときに飛び出す病原体を含んだ飛沫を吸い込むことで起こります。
テーブル・カウンターのお客様同士の距離をできる限り空ける、アクリルパーテーションで仕切るなどの工夫が求められます。従業員のマスクやフェイスシールドの着用も必須です。
・空気感染
空気感染は、空気中を漂う微細な粒子を口や鼻から吸い込むことで起こります。
新型コロナウイルスは、基本的に空気感染しないという意見がありますが、細かい飛沫核が空気中を漂っていれば感染源になりうるとも指摘されています。対策として店内の換気を適切に行うことが必要です。厨房や従業員のロッカールーム、控え室などの換気にも注意してください。
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三密を避ける
新型コロナウイルス感染症には、三密対策も重要です。「密閉空間」「密集空間」「密接空間」の3つを避けるようにしましょう。
飲食中だけでなく、列に並ぶときのお客様同士の距離、従業員が同空間内にいるときの距離などに気を配り、三密状態にならないようにしなければなりません。
飲食店で行われている新型コロナウイルス感染症対策
では、実際に飲食店では、どのような新型コロナウイルス感染症対策が実施されているのでしょうか。空気環境対策事業「みんなエアー」を運営している株式会社UPDATERが行った実態調査をもとに、居酒屋とファミレスの例を見ていきます。
※実態調査の詳細はこちら
居酒屋チェーンでの対策
居酒屋チェーンでは、98.0%のお店が何らかの新型コロナウイルス感染症対策を行っています。
■店内で行っている新型コロナウイルス感染症対策
お客様用の手指消毒用アルコールの設置 | 97.1% |
従業員のフェイスシールド、マスクの着用、手洗い徹底、出勤前の検温 | 92.2% |
店内換気の励行 | 82.5% |
テーブル、ドアノブ、手すり、メニュー、呼び鈴ボタン、トイレ等のアルコール消毒 | 80.6% |
清潔な食器、箸の用意 | 80.6% |
ソーシャルディスタンスの確保 | 75.7% |
アクリルパーテーションの設置 | 71.8% |
キャッシュトレーによる接触防止 | 68.0% |
体調不良時の入店お断り | 67.0% |
空気改善機器による対策 | 40.8% |
その他 | 12.6% |
中で最も多く行われているのが「お客様用の手指消毒用アルコールの設置」(97.1%)です。消毒用アルコールは、今ではあらゆる種類の店舗に置かれており、飲食サービス業においても常識化していることがうかがえます。
次に多く行われているのが「従業員のフェイスシールド、マスクの着用、従業員の手洗い徹底、出勤前の検温」(92.2%)です。
続いて、「店内換気の励行」(82.5%)もなされています。ただ、換気が行われている一方で、「空気改善機器による対策」は、40%程度にとどまっています。
ファミレスでの対策
ファミレスでは、97.0%のお店が、何らかの新型コロナウイルス感染症対策を行っています。
■店内で行っている新型コロナウイルス感染症対策
お客様用の消毒用アルコール設置 | 91.8% |
従業員のフェイスシールド、マスクの着用、手洗い徹底、出勤前の検温 | 84.5% |
アクリルパーテーションの設置 | 82.5% |
テーブル、ドアノブ、手すり、メニュー、呼び鈴ボタン、トイレ等のアルコール消毒 | 80.4% |
店内換気の励行 | 72.2% |
ソーシャルディスタンスの確保 | 71.1% |
清潔な食器、箸の用意 | 67.0% |
キャッシュトレーによる接触防止 | 67.0% |
体調不良時の入店お断り | 57.7% |
空気改善機器による対策 | 38.1% |
その他 | 4.1% |
最も多く行われている対策が「お客様用の消毒用アルコール設置」(91.8%)なのは居酒屋と同様です。「従業員のフェイスシールド、マスクの着用、手洗い徹底、出勤前の検温」(84.5%)が続いているのも同じ結果でした。
3位には「アクリルパーテーションの設置」(82.5%)が挙がっています。これは、居酒屋よりもファミリー層のテーブル席利用が多いからだと考えられます。
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飲食店が感じている新型コロナウイルス感染症の不安と、これからの対策に必要なもの
今回の実態調査では、飲食店のオーナー・店長、従業員に、新型コロナウイルス感染症の不安と今後の対策についても回答を得ています。結果、わかったのは次のような点です。
抱いている不安はお客様からの感染リスク
「あなたは勤務時間中のお客様からの感染リスクに不安を感じますか」という質問に対して、居酒屋チェーンは81.9%、ファミレスは82.0%のスタッフが不安を実感していると回答しています。
さらに、「空気の見える化(空気質の数値化など)での安心できる空気環境に、現状改善を期待しますか」と質問したところ、「かなり期待する」と「やや期待する」の合計が居酒屋では70.4%、ファミレスでは75.0%でした。
これからの対策は空気の見える化が必要
空気質モニタリングデバイスなどの「空気の見える化」ができる装置を設置すると、店内の二酸化炭素濃度がわかります。これは、店内の密の度合いを、数値で見ることができるということになります。
また、空気中に存在する総揮発性有機化合物(TVOC)、PM2.5などの「汚れ」も感知して表示することができますので、汚れの度合いも見ることが可能です。
感染リスクを減らすために店内の換気は大切ですが、必要以上の換気は空調設備の過剰なエネルギー消費につながり、コストにも影響を与える可能性があります。空気の見える化ができれば適切な換気をするための目安がわかり、無駄なエネルギー消費を削減できるのです。
加えて、従業員もお客様も空気の状態を確認することができるため、安心感が増すのも大きなポイントです。不安を軽減させ、同時に新型コロナウイルス感染症対策がしっかりできているというアピールにもつなげられるでしょう。
【みんなエアー】まだ、職場の空気、気にしてないの?空気の見える化は基本の「き」
「空気の見える化」で新型コロナウイルス感染症対策を実現しよう
新型コロナウイルスとの共生を余儀なくされる中で、飲食店の感染症対策は、恒久的なシステムの導入が必要になってきます。安心してお客様に飲食していただき、従業員が働きやすい環境を整えるためにも、新型コロナウイルス感染症対策を施し、三密を避けることが基本です。
中でも、感染症対策に有効かつエネルギー効率を考えた換気については、空気を見える化できるシステムの導入で実現できるでしょう。
株式会社UPDATER(旧社名:みんな電力株式会社)のエアテック事業「みんなエアー」では、安心して業務に集中できる労働環境を日本中に広めるべく、ネット上で空気を見守るクラウドサービス「MADO(マド)」を提供しています。
「MADO」は、オフィスや店舗の空気中に含まれる二酸化炭素やPM2.5、揮発性のガスといった物質を計測し、クラウドに送信。子供にもわかりやすい画面をタブレットなどに表示し、みんなで空気の状態を把握することができます。管理者用のPC画面で複数店舗の空気質履歴の一括管理も可能であるため、換気や状況に応じて、さらなる空気環境の改善対策に活用できます。