感染症の8分類の特徴は?定義と感染症の種類を紹介

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感染症にはさまざまな種類があり、予防のためにとるべき対策もそれぞれ異なります。感染症ごとに適した対応ができるよう、日本では法律で感染症を8つに分類し、類型ごとに医療費の公費負担の割合や入院場所などを定めています。

ここでは、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」(感染症法)による8つの分類と、新型コロナウイルス感染症の扱いについて解説します。

 

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日本では法律によって感染症を分類している

 

日本では、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)によって、感染症を分類しています。この感染症法は、1999年4月1日に、それまでの感染症に関わる「伝染病予防法」に替わる形で施行されました。

感染症法は、患者の人権を尊重しつつ、患者に対して良質かつ適切な医療の提供を確保することと、流行を防ぐために感染症に迅速かつ的確に対応することの2つを目的として、行政の感染症対策の基本的な枠組みと方針を定めた法律となっています。

感染症法による8つの分類とは?

 

感染症法では、感染症を「一類感染症」から「五類感染症」の5段階と、「新型インフルエンザ等感染症」「指定感染症」「新感染症」の計8つに分類し、それぞれについて行政はどういう対応ができるのか、入院場所や医療費はどうなるのかといったことを細かく定めています。

まずは、それぞれの分類の定義と主な感染症を紹介しましょう。

 

■感染症法による8つの分類

分類 考え方 該当する感染症
一類感染症 感染力と罹患した場合の重篤性にもとづく総合的観点から見た危険性の程度が極めて高いもの エボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、痘そう、南米出血熱、ペスト、マールブルグ病、ラッサ熱
二類感染症 一類感染症ほどではないが、感染力と罹患した場合の重篤性にもとづく総合的観点から見た、危険性の程度が高いもの 急性灰白髄炎、結核、ジフテリア、SARS、MERS、鳥インフルエンザ(一部)
三類感染症 危険性の程度は高くはないが、感染力と罹患した場合の重篤性にもとづく総合的観点から見た、一定の危険性があるもの コレラ、細菌性赤痢、腸管出血性大腸菌感染症、腸チフス、パラチフス
四類感染症 一類感染症~三類感染症以外で、主に動物などを介して人に感染するもの E型肝炎、A型肝炎、黄熱、Q熱、狂犬病、炭疽(たんそ)、鳥インフルエンザ(特定鳥インフルエンザを除く)、ボツリヌス症、マラリア、野兎(やと)病および指定の条件を満たし政令で定めるもの
五類感染症 国民や医療関係者への情報提供が必要なもの インフルエンザ(鳥インフルエンザおよび新型インフルエンザ等感染症を除く)、ウイルス性肝炎(E型肝炎およびA型肝炎を除く)、クリプトスポリジウム症、後天性免疫不全症候群、性器クラミジア感染症、梅毒、麻疹、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症および指定の条件を満たし厚生労働省令で定めるもの
新型インフルエンザ等感染症 新たに人から人に伝染する能力を有することとなったインフルエンザであって、国民が免疫を獲得していないことから、全国的かつ急速な蔓延により国民の生命および健康に重大な影響を与えるおそれがあるもの 新型インフルエンザ、再興型インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症、再興型コロナウイルス感染症
指定感染症 すでに知られている感染性の疾病(一類感染症~三類感染症および新型インフルエンザ等感染症を除く)であって、一類感染症~三類感染症と同等の措置を講じなければ、国民の生命および健康に重大な影響を与えるおそれがあるものとして、政令で定めるもの 該当なし
新感染症 人から人に伝染すると認められる疾病であって、すでに知られている感染性の疾病とその病状または治療の結果が明らかに異なるもので、当該疾病にかかった場合の病状の程度が重篤であり、かつ、当該疾病の蔓延により国民の生命および健康に重大な影響を与えるおそれがあると認められるもの 該当なし

※2021年9月現在

 

なお、感染症の分類が変われば、感染症対策として行政ができること・すべきことが変わります。基本的に、危険性が高いとされる感染症ほど患者の権利の制限を含む強い措置をとりやすく、患者が医療機関での受診がしやすいよう、設計されています。

 

感染症法にもとづく主な措置

 

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新型コロナウイルス感染症の分類

 

新型コロナウイルス感染症は、2020年1月に二類感染症相当として指定感染症に指定されました。その後、2021年1月の感染症法の改正により、指定感染症から新型インフルエンザ等感染症へと変更され、2021年9月現在も新型インフルエンザ等感染症に分類されています。

 

新型コロナウイルス感染症の分類については、当時の厚生労働大臣が2021年7月9日の記者会見で、ワクチン接種が進んだ段階で、病床や感染者数との関係も踏まえて分類を見直すことに言及。その後、2021年8月には「新型コロナウイルスの分類を、五類感染症にダウングレードするべきだ」との意見が寄せられた経緯もあり、賛否両論さまざまな声が挙がりました。

 

2021年9月現在でも、新型コロナウイルス感染症を季節性インフルエンザと同等の五類感染症に分類することは、専門家のあいだでも意見が分かれています。新型コロナウイルス感染症が五類感染症に分類されれば、入院勧告や感染者の追跡はなくなるので、保健所や行政の負担は軽減します。また、保健所による行動調査や入院調整がなくなることで、必要な医療が早期に提供されるようになるともいわれています。

一方で、自宅待機要請や入院要請ができないことで、感染が拡大する可能性はあります。また、現在は公費でまかなわれる治療費が自己負担となることで、入院を拒否する人、医療にアクセスできない人が増えることも考えられるため、慎重な判断が求められるのです。

 

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「空気の見える化」で感染症対策をしよう!

 

感染症の分類は、行政の感染症対策と密接に関わっています。感染症の分類が見直される場合、医療機関や市民に与える影響が大きいため、今後も議論を重ねながら、見直すべきかどうか、また見直すにしてもそのタイミングはいつにすべきかなど、最良の方法を探っていくことになります。

 

感染症対策の基本方針の見直しが行われている一方で、個々人にできる感染症対策には、マスクの着用や手洗いの徹底、フィジカル・ディスタンス(ソーシャルディスタンス)をとること、こまめな換気を行って密閉空間を作らないこと、室内の空気をきれいに保つことなどが挙げられるでしょう。

 

株式会社UPDATER(旧社名 みんな電力株式会社)のエアテック事業「みんなエアー」では、空気環境を可視化し、データの分析・通知・アフターサポートまでを行うクラウドサービス「MADO(マド)」を提供しています。「MADO」は、室内の空気中に含まれる二酸化炭素やPM2.5、揮発性のガスといった物質を計測し、クラウドに送信。コンピューターやタブレットなどのデバイスに表示し、その空間の空気がどのような状態なのかを可視化できるため、換気やその他状況に応じた対策を行うことが可能です。

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