CO2濃度で換気の目安がわかる!上手な換気方法を解説します

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結露やカビの発生予防、室内環境の快適性維持や感染症対策には、こまめな換気が有効とされています。しかし、空気は目に見えないだけに、何を目安に換気をすればよいのかがわかりづらいものです。

 

効果的な換気を行うためには、まず、CO2濃度や必要な換気量を知ることが重要です。

ここでは、オフィスや店舗、住宅でも役立つ、換気の目安と上手な換気方法について見ていきましょう。

 

 

CO2濃度やppmとは?

 

まずは、CO2濃度という言葉の意味と、濃度の表記で使われている「ppm」という単位の意味について解説します。

 

 

CO2濃度とは、二酸化炭素が1㎥中に含まれている割合のこと

 

CO2とは二酸化炭素のことで、色もにおいもない気体です。ヒトや動物の呼気や有機物の燃焼時に空気中に排出され、大気中の約0.04%を占めています。

CO2の濃度は、1㎥中の空気に含まれる二酸化炭素の割合のことで「体積比」を用いて表されます。CO2濃度の単位として使われるppmは「parts per million」の略で、「100万分のいくつ」という割合(比率)を示します。

1ppmは「100万分の1の割合」という意味です。

 

なお、 体積濃度の場合、厳密には体積比であるため「ppmv(parts per million by volume=体積百万分率)」を用いますが、慣例として「ppm」で表現されることが一般的です。

 

したがって、1㎥の大気中に100万分の1(1c㎥分)存在する場合、CO2濃度は1ppmとなります。

 

 

■気体の濃度を表す1ppmとは?

 

 

1ppmを%に換算すると0.0001%

 

ppmと同様に割合を示す単位に、%(パーセント)があります。こちらのほうが、なじみがあるのでわかりやすいかもしれません。ppmは百万分率なので、%単位をppm単位に換算する際には、値を10,000倍します。

 

1%は10,000ppmです。また、1ppmは0.0001%となります。

例えば、CO2濃度400ppmというのはCO2濃度0.04%と同じです。1㎥(100万c㎥)の大気中に100万分の400、つまり400c㎥分のCO2が含まれている状態を示しています。

 

 

 

適切なCO2濃度とは

 

室内は空気の流れが停滞し、CO2濃度は高まりがちです。しかし、CO2濃度が一定 の基準を超えると人体に影響を及ぼすことがあるため、適切な数値に抑える必要があります。ここからは、室内におけるCO2濃度の基準や測定方法について解説します。

 

 

 

室内におけるCO2濃度は1,000ppm以下が適正

 

ビル管理法(建築物における衛生的環境の確保に関する法律)には、室内環境を維持するための空気環境条件として、浮遊粉塵の量や一酸化炭素の含有率などとともに、CO2濃度(二酸化炭素の含有率)を1,000ppm以下に抑えるよう定められています。

 

出典:建築物における衛生的環境の確保に関する法律 | e-Gov法令検索

 

 

ビル管理法における空気環境基準(空気調和設備を設けている場合)

項目 基準
浮遊粉塵の量(※) 0.15mg/㎥以下
一酸化炭素の含有率(※) 100万分の10以下(=10ppm以下)

特例として外気がすでに10ppm以上ある場合には20ppm以下

二酸化炭素の含有率(※) 100万分の1,000以下(=1,000ppm以下)
温度 17℃以上28℃以下

居室における温度を外気の温度より低くする場合は、その差を著しくしないこと

相対湿度 40%以上70%以下
気流(※) 0.5m/秒以下
ホルムアルデヒドの量(※) 0.1mg/㎥以下(=0.08ppm以下)
※機械換気設備を設けている場合は遵守する必要がある。

 

 

CO2濃度が基準値を超えることで起こる影響

 

CO2濃度が1,000ppmを超えると、知的活動(問題解決能力や意思決定能力)の低下が現れ始め、濃度が上がるにつれて心拍数や血圧に変化が生じ、息苦しさや頭痛、眠気、倦怠感などを感じたりするようになるといわれています。

また、CO2濃度の高い空間はウイルスなどによる集団感染が起こりやすい環境ともいえます。特に、2020年頃より流行した新型コロナウイルス感染症では空気感染やエアロゾル感染の脅威が凄まじく、教育施設やオフィス、飲食店、交通機関、家庭など、場所を問わず室内での集団感染が爆発的に広まりました。

その際に、換気は感染防止策として有効と判断され、厚生労働省からは「二酸化炭素濃度測定器を使用し、室内の二酸化炭素濃度が1,000ppmを超えていないかを確認することも有効である」と記された換気の方法についての資料も発表されました。

 

なお、ビル管理法における1,000ppmという基準値は、元々、世界保健機関(WHO)の報告書を参考に設定されたと考えられています。当時はエビデンスが十分とまではいえなかったのですが、現在では学術的にもこの数値は妥当なものだと認められています。

 

出典:厚生労働省「冬場における『換気の悪い密閉空間』を改善するための換気の方法」(2020年11月)

 

 

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二酸化炭素濃度は人体や環境へどう影響する? 濃度管理の重要性を解説

 

 

必要換気量とは?

 

厚生労働省の資料などに出てくる「必要換気量」とは、室内の空気を清浄に保つために必要と定められた換気量のことで、「1人あたり毎時30㎥」を確保することが必要とされています。

 

ただし、感染予防に関しては、CO2濃度が1,000ppm以下なら防げるというわけではありません。換気の悪い密閉空間は、感染症のリスク要因のひとつに過ぎず、感染予防にはほかにも人が密集した空間や密接な接触を避けるといった対策を施す必要があります。あくまで、室内空間の換気の目安であると捉えておきましょう。

 

 

 

換気のタイミング

 

厚生労働省の資料によると、感染症対策としての換気方法は「1時間に2回、数分程度窓を開放するのが望ましい」とされています。しかし施設や季節などにより条件は異なるため、二酸化炭素濃度測定器を設置しCO2濃度の数値を可視化するほうがより効果的といえるでしょう。

 

測定器はCO2測定器、CO2センサー、CO2モニター、CO2濃度測定器といった名称で検索することができます。

 

株式会社UPDATER(旧社名 みんな電力株式会社)のエアテック事業「みんなエアー」では、CO2濃度を計測してクラウド上で管理し、事業者へのサイネージ表示や管理画面での分析・通知、アフターサポートまでついた「MADO(マド)」という空気のDXサービスを提供しています。こうした総合的なサービスを利用すれば、確実に室内のCO2濃度と空気環境をコントロールすることが可能です。

 

 

上手な換気の方法

最後に、住宅およびオフィスや店舗における、上手な換気のコツをご紹介します。窓がある場合は定期的に窓を開放する、窓がない場合は空調設備を活用するなど、それぞれの方法で上手に空気の入れ換えを行ってください。

 

 

住宅の上手な換気方法

2003年の改正建築基準法により、2003年7月以降に建てられたすべての住宅には、24時間換気システムが設置されています。常時作動させておくことで、気密性の高い建物でも室内の空気の循環が可能です。加えて、台所の換気扇を使うのも有効です。換気扇を用いる際は、台所のそばにある窓は開けないようにします。

 

窓を開けて換気する場合は、なるべく対角線上にある2ヵ所の窓を開けて空気の通り道を作りましょう。窓が1つしかない場合はドアを開け、さらに扇風機を窓の外に向けて部屋の空気を逃がすのがおすすめです。窓がない場合は、部屋のドアを開けて扇風機やサーキュレーターを部屋の外に向けて設置し、室内の空気を外へ出すと効率良く換気ができます。

 

 

部屋の窓が対角線にある場合と窓が1つのみの場合の換気方法

 

 

 

 

オフィス、店舗の上手な換気方法

オフィスや店舗の場合も、まずは設置されている換気設備を確認しましょう。換気設備や換気口がどこにあるかを把握し、物の陰に隠れていないか、汚れていないかをチェックし、正しく換気設備を使って換気します。

窓やドアを開けて空気の通り道を作る場合も、住宅と同様です。なかなか風が入りにくいときは、空気の入り口を小さく、出口を大きく開けると風が通りやすくなります。窓を開ける広さなどを調節してみてください。

窓がない会議室などは、ドアを開けて扇風機やサーキュレーターを置きます。その際、換気口が部屋の外にあるときはサーキュレーターなどで部屋の外に空気を出し、換気口が部屋の中にあるときは部屋の中に空気を送り込んでください。

 

 

窓がない会議室の換気方法

 

 

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室内の空気を入れ換える換気について知っておきたい基礎知識

 

 

 

CO2濃度を測定して換気の目安に

 

CO2濃度を測定して換気の目安にすることは、職場の生産性低下を防ぎ、感染症対策の一環にもなります。オフィスや店舗などの空気環境を可視化して、安心と安全をしっかり確保しましょう。

 

株式会社UPDATERのWell-being tech事業「みんなエアー」では、安全・快適で過ごしやすい環境づくりをサポートしています。「なんとなくほこりっぽい」「湿気っぽくてカビくさい」「眠くなる」「人が多いと息苦しく感じる」ということはありませんか?それらのお困り事は「空気」の改善で解決できるかもしれません。

「みんなエアー」が提供する「MADO」は、センサーデバイスで計測した空気質データをもとに、換気のタイミングをお知らせしたり、空気の適切な改善を促したりできるクラウドサービスです。安心できる空気環境を保つことは、そこで過ごす皆さんの心身の健康や良好なコミュニケーションにも有効です。

 

CO2などの空気環境が気になる方は、ぜひご利用を検討してみてはいかがでしょうか。

 

空気のデジタルトランスフォーメーション(DX)サービス「MADO(マド)

 

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