【訂正あり】CO2濃度の高さが及ぼす影響とは?濃度管理の大切さを解説します

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身近な空間の「CO2濃度」の影響を把握するのは、健康を守るために大切なことです。感染症対策として換気を良くするための対策を始めた人たちが今、温度や湿度を測るのと同じように、CO2濃度についても計測すべきだということに気づき始めています。

CO2濃度が高まると人体にどのような影響が出るのでしょうか。地球環境に及ぼす影響についても解説します。

 

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CO2濃度と人体に与える影響

 

CO2は、無色・無臭の気体です。炭素や炭素化合物の完全燃焼、生物の呼吸、発酵、そして火山の噴火などによって生成されます。通称は炭酸ガス、化学名は二酸化炭素で、CO2は化学式です。

空気中のCO2の濃度が高くなると、CO2は人体に影響を及ぼすようになります。どのような影響があるのか詳しく見ていきましょう。

 

 

10,000ppm(1%)未満ならほぼ無害

 

CO2が空気中に少量存在するだけなら、特に人体に影響はありません。

室内の空気中のCO2濃度が5,000ppm以上になると、心拍数の増加や血圧が高くなるなどの変化が現れ始めますが、まだ健康を害するようなものとはいえません。しかし、密を防ぐ感染症対策としては1,000ppmが、室内の換気をするべきCO2濃度の目安とされています。

 

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10,000ppm(1%)を超えると健康被害が出始める

 

CO2濃度が10,000ppmを超えると、眠気や頭痛などの症状を訴える人が増え、認識能力の低下が生じるようになります。さらに、濃度が上がるともっと多くの影響が現れ始め、高レベルのCO2濃度環境の中で人体に危険が及ぶ「二酸化炭素中毒」と呼ばれる状態になります。

 

■CO2濃度と人体の症状

CO2濃度の目安 主な症状
10,000ppm未満 人体への影響はほぼなし
10,000ppm超 眠気や頭痛、倦怠感など
30,000~50,000ppm めまい、呼吸が早くなる、錯乱など
90,000ppm 5分で最小致死濃度に達する
100,000ppm 視覚障害、耳鳴り、震え

1分で意識消失あるいは最小致死濃度に達する

300,000ppm ほとんど即時に意識消失

※消防技術安全所「消防技術安全所報44号(平成19年)・居住空間内収容物の燃焼生成ガスに関する検証」のデータをもとに作成

 

人間が耐えうる最大濃度は90,000ppm(9%)とされ、濃度が300,000ppm(30%)の空間では、即死してもおかしくありません。

 

出典:消防技術安全所「消防技術安全所報44号(平成19年)・居住空間内収容物の燃焼生成ガスに関する検証

CO2濃度管理と換気

 

CO2は、空気中に存在する割合によって人体への影響度が変わるため、オフィスや店舗、住宅などでは常にCO2濃度の管理をし、必要に応じて換気をすることが不可欠です。

続いては、どのような観点で管理し、どのようなタイミングで換気を行えば良いかを解説します。

 

 

CO2による生産性への影響

 

10,000ppm以下はほぼ無害と述べましたが、実際に最近の研究では、ちょうど1,000ppmを超えるあたりから知的活動(問題解決能力や意思決定能力)に影響が出ることがわかってきています。

 

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ハーバード大学公衆衛生大学院の研究グループは、オフィスワーカーの日常的な業務課題への対応能力を「戦略マネジメントシミュレーション」というテストプログラムを用いて調べました。すると1,000ppm超で9のテスト項目のうち、7項目で課題対応能力が低下することが示されました。

 

立命館大学の学生を対象としたタイピング実験でも似た結果が出ています。CO2濃度600ppmでは、タイピング誤入力率4%だったのが、CO2濃度1,500ppmでは5.6%と増加することがわかりました。

 

ほかにも、複数の国内外の研究で、1,000ppm前後を境として知的活動に影響が見られることがわかっています。ビジネスでの生産性低下の可能性を考えると、オフィスではCO2濃度の把握と空間中のCO2濃度を下げるために外気を取り込む換気が必須だということがわかります。

 

 

換気のタイミング

 

換気のタイミングを知るには、室内のCO2濃度を正しく測定する必要があります。エアコンや空調の稼働で窓を閉め切りがちな場合は特に、1,000ppmに近づいたところで換気を行えば、常に安全で安心できるCO2濃度を保つことができます。

新型コロナウイルス感染症拡大の影響もあって、最近はCO2濃度を測定できるセンサーや装置が各種販売されています。「換気の悪い密閉空間」が、新型コロナウイルス感染症のリスク要因のひとつとされているためです。

 

また、株式会社UPDATER(旧社名みんな電力株式会社)のエアテック事業「みんなエアー」が提供する「MADO(マド)」のように、CO2濃度の計測データをクラウド上で管理し、事業者へのサイネージ表示や管理画面での分析・通知、アフターサポートが付帯したサービスも登場しています。こうしたサービスを選べば、換気のタイミングだけではなく空気環境整備全般についての無料コンサルティングを依頼することもできます。

 

 

換気の方法

 

効率の良い換気を行うには、建物に備わっている換気システムをしっかり活用する必要があります。また、窓開けやドア開けをする際は、「空気の流れ」を意識的に作るようにします。

窓を開けられるなら、なるべく対角線上の場所にある2ヵ所を開けると空気の流れができます。窓が1つしかないならドアを開け、さらに扇風機やサーキュレーターで窓の外に空気を追い出すようにすると流れができます。

 

実際に換気ができているのかどうかも、CO2濃度の測定器を活用すれば、目で見て確認できます。これらは空気環境を見える化して、CO2濃度をコントロールするには必須のツールです。

 

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CO2濃度が地球環境に与える影響

 

CO2の影響というと、地球温暖化や温室効果という言葉を連想する人も多いはずです。CO2が地球環境に与える影響についてもふれておきます。

 

 

CO2濃度は人体だけではなく地球環境にも影響する

 

2021年10月、温室効果ガス世界資料センター(※)は、2020年の大気中のCO2濃度の世界平均濃度が413.2ppmだったと発表しました。これは、前年の2019年に記録した観測史上最高値を、2.5ppm更新したことになります。

 

アメリカのテキサスA&M大学と中国の南京大学の科学者グループによると、人類がこのように高いCO2濃度の空気を吸って生きていたことはこれまでありませんでした。その上昇スピードも、かつてない速さです。そのことが地球環境や気象状況に与えている影響は、決して小さくないといわれています。

 

※World Data Centre for Greenhouse Gases:WDCGG。世界資料センター(WDC)のひとつ。温室効果ガスにデータを収集・配布する世界気象機関(WMO)の全球大気監視(GAW)計画のもと、設立された。気象庁にて運営されている。

 

 

CO2が温暖化を加速させている?

 

CO2濃度と最も密接な関係にあるのが地球温暖化です。温暖化の主な原因とされる温室効果ガスの約65%が化石燃料由来のCO2、約11%が森林減少や土地利用変化などにより発生するCO2です。

 

IPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)は、2018年に臨時発行した「1.5℃特別報告書」で、温暖化による異常気象がすでに多く観測されており、今後も全世界で熱波の増加や温暖な季節の長期化が進行して、豪雨や干ばつ、海面上昇などが深刻化すると警告しています。

 

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地球環境にとって理想的な気象状況とは?

 

大気中のCO2濃度が400ppmを超える状態は、以前から「危険水準」といわれていました。では、地球環境にとって理想的なCO2濃度は、どれくらいなのでしょうか。残念ながらこの点について、コンセンサスを得ている具体的数値はないようです。

 

ただ、気候変動対策の国際枠組みである「パリ協定」(2015年開催)では、将来、気温上昇を産業革命前と比べて2℃未満に抑えることを目指し、可能なら1.5℃に抑えるという努力目標を掲げています。しかし、IPCCは3年後の「1.5℃特別報告書」で、気温上昇を2℃ではなく1.5℃未満に抑えることが、地球環境を安定させ、人間が心身ともに安全・健康に暮らす上で重要だと示しています。

 

2021年1月に、国連の専門機関である世界気象機関(WMO)は、2020年の世界の平均気温が約14.9℃だったとする報告書を公表しました。これは、産業革命前の1850~1900年の平均に比べて、約1.2℃高い温度です。

 

 

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CO2を必要以上に出さないために

 

地球温暖化防止や省CO2への対応が求められているのは、国や企業だけではなく、各家庭や個人も同じです。続いては、CO2を必要以上に出さないために一人ひとりができることを紹介します。

 

 

日常生活でできることを実践してみる

 

家庭で家電製品を使い、自動車に乗り、冷暖房のスイッチを入れればCO2が排出されます。これらをすべて使用しないというのは現実的ではありませんが、使用する頻度を減らす、使い方を工夫する、買い替え時に省エネタイプの製品を選ぶといったことは難しくはないでしょう。また、家庭の電気を、地球の環境負荷が少ない風力や太陽光といった再生可能エネルギーを選べる電力会社に切り替えるという選択肢もあります。

冷蔵庫を使うときも工夫すれば、省エネが可能です。熱い物は冷ましてから入れる、物を詰め込みすぎない、適切な温度を設定することを徹底するといったことだけで、省エネのほか節約もできます。日常生活でできる省エネ・省CO2行動を探してみましょう。

 

 

空気環境改善に着目する

 

室内の空気をモニタリングする仕組みを整えて居住空間やオフィス空間内のCO2濃度をチェックし、空気環境の改善を行うことが、地球環境や温暖化問題への関心が芽生えるきっかけになります。

 

使用する換気設備の省エネ化をどうやって実現するかも、テーマのひとつとなるでしょう。手近なところから始めるなら換気設備の掃除やメンテナンスをして、本来のパフォーマンスをしっかりと発揮させることが大事です。システムの見直しをするなら、機械換気の中でも換気による空調負荷の少ない全熱交換器の導入などを検討してみてもいいかもしれません。

 

 

健康を守り、環境を守る

 

CO2が地球環境に影響を与えていると聞くと、どこか遠い場所で起きている現象のような気がしてきます。しかし実際は、CO2はいつも私たちの身の回りにあり、吐く息にも含まれている気体です。室内のCO2濃度は健康や仕事の生産性にも多大な影響を与えています。まず、生活や仕事の空間に存在するCO2と、空気環境について考えてみてください。

 

株式会社UPDATER(旧社名 みんな電力株式会社)のエアテック事業「みんなエアー」では、空気環境を可視化し、データの分析・通知・アフターサポートまでを行うクラウドサービス「MADO」を提供しています。「MADO」は、オフィスや店舗の空気中に含まれるCO2やPM2.5、揮発性のガスといった物質を計測し、クラウドに送信。事業者のコンピューターやタブレットなどのデバイスに表示し、その空間の空気がどのような状態なのかを可視化できるため、換気やその他状況に応じた対策を行うことが可能です。

室内においてCO2がどれくらい排出されているか、空気環境が気になる方は、ぜひご利用を検討してみてはいかがでしょうか。

 

[お詫びと訂正]

2021.12.13公開 本記事の【CO2濃度と人体に与える影響】についての数値表記に誤りがございました。
深くお詫び申し上げますとともに、訂正させていただきます。

【誤】1,000ppm=1%  【正】10,000ppm=1%
上記の正しい数値に基づき、記事中の本文・図表を訂正しております。

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