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インフルエンザにかからないようにするための予防法や対策は、わかっているつもりでいても、つい怠ってしまったり、間違ったやり方をしていたりすることがあります。ほぼ毎年、11~3月頃にやってくるインフルエンザ流行のシーズンに備えて、あらためて予防方法について確認しておきましょう。
ここでは、インフルエンザに有効とされる8つの対策と、感染した場合の対応について解説します。
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インフルエンザの感染対策
まず感染対策として、次に挙げる8つの方法をしっかりと実践しましょう。どれか1つではなく予防を重ねることで、より感染しにくくなります。
1 予防接種を受ける
インフルエンザワクチンを接種すると、インフルエンザに感染したとしても発病の可能性を減らすことができ、発病した場合でも重症化のリスクを抑える効果が期待できます。
特に、基礎疾患のある人や高齢者は重症化リスクが高いので、予防接種を受けることが推奨されています。
予防接種を受けてから効果が出るまでには、2週間程度かかります。また、予防効果は5ヵ月くらいといわれています。インフルエンザの流行のピークは1~2月になることが多いので、病院による予防接種の受付けが始まったら、なるべく早めに受けましょう。
インフルエンザワクチンは、13歳未満の場合は年に2回接種、13歳以上の人は年に1回接種が原則となっています。
また、インフルエンザワクチン接種による副反応として、接種した部位に赤みや腫れ、痛みなどが起きることがあります。接種した人の10~20%に起こりますが、通常2~3日で消失します。このほか、ごくまれにですが、ショックやじんましん、呼吸困難などの症状が表れることもあります。
2 こまめな手洗いを行う
外出先からの帰宅時、食事前、調理の前後などには、必ず手を洗う習慣をつけましょう。
手洗いの目的は、手に付着している可能性のあるウイルスを洗い落とすことです。単に水をかけ流すだけではなく、石鹸やハンドソープを使って丁寧に洗うことでウイルスを除去できます。
手洗いは、下記の順番を守るとしっかりウイルスを落とせます。
<感染対策に効果的な手洗いの手順>
- まず流水でよく手を濡らして石鹸をつけ、手のひらをよくこする
- 手の甲、指先・爪のあいだ、指のあいだなどの各所をしっかりと洗う
- 親指と手のひらのねじり洗いをする
- 最後に忘れず手首も洗う
爪は普段から短く切っておき、洗う前に時計や指輪は外して行いましょう。
3 消毒を行う
インフルエンザウイルスを除去するために有効な方法のひとつに、「70%以上の濃度の消毒用アルコール(消毒用エタノール)による消毒」があります。
アルコールは、手指の消毒にも使用できます。手洗いがすぐにできないときに、アルコール消毒液を両手にすり込むように使うといいでしょう。
ドアノブやテーブルなどのものを消毒するときは、次亜塩素酸ナトリウム水溶液(塩素系漂白剤)も使用できます。次亜塩素酸ナトリウム水溶液は、塩素系漂白剤などに水を加え、約0.05%濃度の希釈液にして使用します。
ただし、次亜塩素酸ナトリウム水溶液を使用する場合は、下記のことに注意してください。
<次亜塩素酸ナトリウム水溶液の注意点>
・皮膚や粘膜にダメージを与えるため、手指消毒には絶対に使用しない
・有毒ガスが発生するので、酸性のものと混ぜて使用しない
・使用する際は十分に換気をする
・金属製品はサビたり変色したりすることがあるので要注意
・商品により塩素濃度が異なるので、表示などを十分に確認して使用する
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4 マスクを正しくつける
インフルエンザにかかってしまった場合は、人への感染を防ぐためにマスクを着用してください。また、感染する前であっても、マスクを着用すると飛沫感染などをある程度防ぐことができると考えられています。
マスクをつけるときは、まず鼻と口の両方を確実に覆ってからひもを耳にかけ、さらに隙間ができないよう、顔にフィットさせます。また、素材で最も飛沫をカットする(吐き出し、吸い込みともに)性能が高いのは、不織布マスクといわれています。
5 免疫力を高める
日頃から体の免疫力、抵抗力をつけておくことも重要です。ポイントは、栄養バランスに優れた食事、良質な睡眠、適度な運動、規則正しい生活の実践です。加えて、疲れを溜めず、ストレスを上手にコントロールするために、リラックスできる時間を持つことも効果的です。
反対に、疲労やストレスが溜まっているときや不規則な生活が続いているときは、免疫力が落ちている可能性があるので、外出などをなるべく控えて休養をとりましょう。
6 適切な温度や湿度を保つ
インフルエンザウイルスは、温度と湿度によって生存率が変わることがわかっています。
温度も湿度も低い環境ではインフルエンザウイルスの生存率は高くなり、温度も湿度も高い環境だと生存率は低くなります。すべてのウイルスが高温や湿気を嫌うわけではありませんが、インフルエンザウイルスの場合は、基本的に温度と湿度をある程度の高さに保つことが有効です。具体的には、室内を「温度20℃以上、湿度50~60%」にしておくのが望ましいといわれています。
また、室内の湿度が高いとウイルスが湿気を帯びるため、長い時間空中を浮遊せず、床に落ちやすくなるとも考えられています。さらに、適度な湿度により、喉や鼻の粘膜が潤うと、ウイルスの侵入を防ぐための自浄システムである、線毛運動の働きが良くなることも期待できます。
7 人混みを避ける
風邪やインフルエンザが流行しているときは、人混みを避けるようにしましょう。飛沫による感染を防ぐには、人と1~2m以上離れていることが大切です。
新型コロナウイルス感染症対策として知られるようになった「3密を避ける」方法は、風邪やインフルエンザに対しても有効。3密とは、「換気の悪い密閉空間」「多数が集まる密集場所」「近距離で会話などをする密接場面」です。
8 換気を行う
室内の換気を、しっかりと行うことも重要です。新型コロナウイルス感染症拡大の際は、換気の悪い密閉空間で多くの人が密集し、近距離で会話や発声が行われると集団感染などを引き起こしやすいことが専門家会議などで指摘されました。職場やお店などでも、こまめな換気を行うよう、厚生労働省などからアナウンスされています。
出典:冬場における「換気の悪い密閉空間」を改善するための換気の方法
例えば、インフルエンザにかかった人が咳やくしゃみをすると、換気の悪い室内では飛び出したウイルスを含む飛沫や飛沫核が濃縮されるケースがあることがわかっています。機械換気を行うことができる場所では、しっかりと換気設備を活用しましょう。また、設備が十分でない場合は、窓の開放を30分に1度行うことを目安に、室内の空気を入れ換えてください。
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インフルエンザの感染経路
インフルエンザの感染経路には、飛沫感染と接触感染の主に2つがあります。インフルエンザ対策では、この2つの感染経路を意識しておきましょう。
飛沫感染
感染している人が咳やくしゃみをすると、インフルエンザウイルスを含む飛沫が周囲に飛び散り、ほかの人がそれを呼吸器から吸い込む可能性があります。これが飛沫感染です。飛沫が目の付近にかかることで、目などの粘膜から侵入することもあります。
接触感染
ウイルスに感染している人の飛沫が手に付着し、その手をほかの人がさわったり、ドアノブや電気のスイッチなどを介したりしてほかの人の手にウイルスが移動することがあります。その手で、口・鼻・目などの粘膜にふれることで感染するのが接触感染です。
インフルエンザに感染してしまったら?
インフルエンザに感染すると、38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身倦怠感などの症状が、比較的急速に表れます。併せて表れることがあるのが、喉の痛み、鼻汁、咳などの症状です。
子供がインフルエンザにかかるとまれに急性脳症を引き起こすことや、基礎疾患のある人や高齢者、免疫力が低下している人がかかった場合は、気管支炎や肺炎を併発する可能性があります。このように、重症化するおそれもありますので注意が必要です。
もしも、インフルエンザにかかったかもしれないと思ったら、次の対応を順次行ってください。
1. 早めに医療機関へ行く
早めに病院に行き、インフルエンザかどうかの検査を受けましょう。陽性だった場合は通常、抗インフルエンザウイルス薬の投与を開始することになります。
2.安静にする
自宅で安静にし、十分な睡眠や休養をとります。ウイルスをなるべくほかの人にうつさないためにも、自宅で安静に過ごしましょう。
3.水分補給を行う
脱水症状が起こりやすいため、こまめな水分補給も忘れないようにしましょう。イオン飲料や経口補水液を飲むと、必要なミネラルが摂取できます。
4.薬を正しく服用する
処方された抗インフルエンザウイルス薬を、正しく服用します。薬には、体内でインフルエンザウイルスが増えるのを抑える作用があります。市販の風邪薬は、インフルエンザの治療効果は期待できません。
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最も重要なインフルエンザ対策は「理解すること」
インフルエンザから身を守るには、なぜその対策が有効なのかという意味をきちんと理解し、実践することが何より重要です。それでもかかってしまった場合には、すみやかに医師の診察を受けてください。抗インフルエンザ薬を服用して安静にしていれば、通常は1週間程度で回復します。
インフルエンザ対策のひとつとして換気がありますが、十分な換気ができているかどうかを確認するには、二酸化炭素濃度をモニターすることが有効です。
株式会社UPDATER(旧社名 みんな電力株式会社)のエアテック事業「みんなエアー」では、空気環境を可視化し、データの分析・通知・アフターサポートまでを行うクラウドサービス「MADO」を提供しています。「MADO」は、オフィスや店舗など室内の空気中に含まれる二酸化炭素やPM2.5、揮発性のガスといった物質を計測し、クラウドに送信。事業者のコンピューターやタブレットなどのデバイスに表示し、その空間の空気がどのような状態なのかを可視化できるため、換気やその他状況に応じた対策を行うことが可能です。
インフルエンザなどのウイルス対策に、ぜひご利用を検討してみてはいかがでしょうか。