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以前から紫外線の殺菌効果は知られていましたが、新型コロナウイルス感染症拡大によって、あらためてUV-Cが注目されています。UV-Cを利用した紫外線照射装置なども空気環境改善のために使われるようになってきていますが、UV-Cには具体的にどのような作用があるのでしょうか。
この記事では、紫外線の特徴とUV-Cの殺菌効果のほか、紫外線照射装置のメリットと注意点について解説します。
可視光線よりも波長が短い紫外線
紫外線は、太陽から放射されている電磁波の一種です。太陽の光には目に見える可視光線のほか、目に見えない赤外線と紫外線も含まれています。まずは、紫外線の特徴について見ていきましょう。
紫外線は波長の長さによって3つに分けられる
紫外線は、波長の長さによってUV-A、UV-B、UV-Cの3つに分けられます。
UV-Aは、波長が最も長い315~400nm(1nm=0.000001mm)の電磁波です。大気による吸収をあまり受けず、地表にまで到達します。UV-Bは280~315nmの波長を持つ電磁波で、大部分が成層圏にあるオゾン層によって吸収され、残りが地表に到達します。
そして、最も短い100~280nmの波長を持つ電磁波がUV-Cです。UV-Cは、オゾン層などにすべて吸収されてしまうため、地表には到達しません。
紫外線の人体への影響
紫外線は人体に影響を与えるため、注意が必要です。UV-Aはガラス窓や衣服を透過し、肌の奥まで到達します。すぐに人体に影響が出るわけではありませんが、やがてしわやたるみの原因になるといわれています。
UV-Bは生物に対する影響力が強く、特に皮膚や眼に有害な紫外線です。日焼けの原因になるのは主にUV-Bで、肌のしみや皮膚がんを引き起こすこともあります。
最も波長の短いUV-Cは、肌に直接あて続けるとやけどのような症状が出てしまいます。また、UV-AやUV-Bよりも、さらに強い人体への影響力を持ちます。また、UV-Cが目にあたると、目やにが増えて目が開かなくなったり、角膜炎や結膜炎を引き起こしたりする可能性があるため注意しましょう。
UV-Cによる殺菌効果
UV-Cは人体にも影響を与える一方で、細菌やウイルスに対する殺菌効果があることでも知られています。細菌やウイルスはDNAやRNAに記録された遺伝情報にもとづいて増殖します。しかし、UV-Cを細菌やウイルスに照射すると、増殖するために必要なDNAやRNAにダメージを与えて変化させ、増殖を抑制することができるのです。
なお、UV-Cに耐性を持つ細菌やウイルスはないとされており、カビやダニに対しても有効です。
UV-Cを照射する紫外線照射装置
太陽から発せられたUV-Cはオゾン層などで吸収されてしまうため、地表には直接届きません。しかし、UV-Cは紫外線照射装置などによって人工的に作り出すことができます。
かつては、紫外線を照射するためには水銀を用いた紫外線ランプ(水銀ランプ)がよく使用されていました。水道施設でも、水銀ランプが微生物汚染対策のために使用されてきました。
ここでは、紫外線照射装置のメリットと注意点について見ていきましょう。
紫外線照射装置のメリット
紫外線照射装置は、UV-Cを照射して直接DNAやRNAにダメージを与えるため、あらゆる細菌、ウイルスに効果があるという点がメリットです。
また、薬品などを使用する場合とは異なり、耐性を持つ細菌やウイルス(耐性菌)を作らないこともメリットでしょう。さらに、熱による殺菌では対象物を変質させることもありますが、紫外線照射装置であればその心配もありません。コンパクトで場所を取らないことや、殺菌時間が短いといった点もメリットです。
紫外線照射装置の注意点
紫外線照射装置を使用する際の注意点としては、効果が紫外線の届く範囲に限られるということです。紫外線があたる範囲の細菌やウイルスを減少させることはできますが、紫外線が届いていない所には効果がありません。
また、紫外線照射装置は人体に影響がないように使用する必要があります。紫外線を直接肌にあてず、光源が目に入らない場所に設置しなければなりません。加えて、細菌やウイルスを確実にするための必要な照射量を確保することも求められます。
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空気環境対策にはUV-Cが有効
UV-Cを照射する紫外線照射装置は、さまざまなメリットがある空気環境対策機器です。しかし、UV-Cは人体にも影響を及ぼすため、安全な紫外線照射装置を選ぶことが大切です。
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