二酸化炭素濃度が上がると集中力が低下する?必要な換気量を紹介

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新型コロナウイルス感染症をはじめとする感染症対策には、手洗いやうがいはもちろんのこと、室内の換気も重要です。また、換気は二酸化炭素濃度を低下させ、人体への悪影響を防ぐこともできます。

この記事では、二酸化炭素濃度が上がることによる思考や睡眠の質への影響と、二酸化炭素濃度の基準、換気のタイミングについて解説します。

 

 

二酸化炭素濃度が上がると思考や睡眠の質が下がる

 

空気中の二酸化炭素濃度が上がると、人体に悪影響が生じます。屋外での二酸化炭素濃度は415~450ppm程度ですが、二酸化炭素濃度が上昇して1,000ppmを超えると、知的活動(問題解決能力や意思決定力)への影響や、不快感や頭痛、めまい、吐き気を感じるようになることもあるため注意が必要です。

 

また、二酸化炭素濃度が上がるということは、換気が十分でない可能性があり、ウイルスなどが飛沫とともに空気中に滞留することによって、ウイルスに感染しやすい状況ともいえます。

さらに、二酸化炭素濃度が上がることによって、思考や睡眠の質にも影響が出るということがわかっています。どのような影響があるのか、詳しく見ていきましょう。

 

 

集中力が低下する

 

二酸化炭素濃度が上がると、集中力が低下するといわれています。公益社団法人空気調和・衛生工学会が2018年に発表した実験結果によると、二酸化炭素濃度が高い環境では、集中力が低下し、作業量も減少する傾向にあることがわかりました。

 

また、アメリカ環境健康科学研究所「Environmental Health Perspectives」が発表した論文でも、二酸化炭素濃度が2,500ppmを超えると、人間の思考力は著しく低下するとの結果が発表されています。

 

参考:公益社団法人空気調和・衛生工学会「教室の学習環境と学習効果に関する研究(第9報)CO2濃度変化及び温熱環境が作業性と生理心理量に及ぼす影響」(2018年9月)

参考:アメリカ環境健康科学研究所「Is CO2 an Indoor Pollutant? Direct Effects of Low-to-Moderate CO2 Concentrations on Human Decision-Making Performance」(2012年12月)

 

 

眠くなる

 

二酸化炭素濃度が1,000ppmを超えると、眠気が強くなるということも挙げられます。

前述の公益社団法人空気調和・衛生工学会による発表でも、二酸化炭素濃度が高い状況下では、眠気が強くなることが報告されています。また、室内の二酸化炭素濃度が600ppmでも、マスクを着用していると眠気が強くなるということがわかりました。呼気により発生した二酸化炭素がマスク内に留まるため、二酸化炭素濃度が高くなると考えられます。

二酸化炭素濃度が高くなるとともに眠気は強くなるものの、室内環境に関する論文集「Indoor Air」では、二酸化炭素濃度が高い環境では「睡眠の質が下がる」ことも報告されています。

 

参考:Indoor Air「Experimental study on sleep quality affected by carbon dioxide concentration」(2020年9月)

 

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オフィスでの集中力低下を防ぐには換気が必要

 

人は常に呼吸によって酸素を吸い込み、二酸化炭素を吐き出しているため、人がいる室内では徐々に二酸化炭素濃度が上がっていきます。二酸化炭素濃度の上昇を抑え、集中力の低下を防ぐには、適切な換気が欠かせません。ここでは、オフィスにおいてどのようなタイミングで換気を行えばいいのかご紹介しましょう。

 

 

法令で定められているオフィスの二酸化炭素濃度

 

オフィスの二酸化炭素濃度については、「ビル管理法」(建築物における衛生的環境の確保に関する法律)と厚生労働省令の「事務所衛生基準規則」によって、室内の二酸化炭素濃度を1,000ppm以下にするよう定められています。

 

この基準を守るために必要とされる換気量は、1人あたり毎時30㎥です。そのため、最終的に必要となる換気量は、部屋の広さと部屋の中にいる人数によって変動します。例えば、30分ごとに5分間換気するといった定期的な換気を行っていても、部屋の広さと人数によっては十分な換気ができない可能性があるのです。

 

 

二酸化炭素濃度の数値で換気のタイミングを知る

 

部屋の広さや人数に応じて換気のタイミングを設定するのは難しいため、二酸化炭素濃度測定器を利用することをおすすめします。二酸化炭素濃度測定器を使えば、換気によって二酸化炭素濃度がどれくらい下がったのかを簡単に確認することが可能です。

二酸化炭素濃度測定器を室内に設置し、二酸化炭素濃度が1,000ppmを超えたら1,000ppm以下になるまで換気を行うようにしましょう。適切なタイミングで換気ができ、二酸化炭素濃度の上昇によって集中力などが低下することを防げます。

 

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空気環境を可視化して生産性低下を防ごう

 

室内の二酸化炭素濃度が上昇すると、集中力が低下したり、眠くなったりすることがあり、生産性の低下にもつながります。ビル管理法などでも二酸化炭素濃度が1,000ppm以下になるように定められているため、しっかり換気を行うことが大切です。

しかし、必要な換気量は部屋の広さや人数によって変わるため、二酸化炭素濃度測定器を導入して、室内の二酸化炭素濃度を計測するのがおすすめです。

 

株式会社UPDATERのエアテック事業「みんなエアー」が提供する「MADO」は、センサーデバイスで計測した二酸化炭素などの空気質データをもとに、すごしやすい環境づくりをサポートするクラウドサービスです。室内の空気中に含まれる二酸化炭素をはじめ、微小粒子物質、揮発性ガス物質、温湿度などを計測したデータをクラウド上に集積。その空間の状態を利用者のみんなに共有するために事業者のコンピュータやタブレットに表示をしたり、定点レポートにしたりすることで、換気やその他状況に応じた対策を行うとともに、人と人とをつなぐコミュニケーションに活用することが可能です

 

オフィスでの集中力の維持や生産性の向上を目指したい方は、ぜひご利用を検討してみてはいかがでしょうか。

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